第三話
第二話の続きになります。
第三話がラストとなります。
二〇一×年七月七日(金) 八時〇〇分 職場にて
あれから、七年が経過した。七年前、私は自ら志願して、遠方の営業所に転勤することにした。上司には『自分の実力を試したい。より多くの経験をしたい』という理由で、彼女には『会社の都合』と説明し、遠方の営業所へ転勤した。本当の理由は彼女と別れるためである。これ以上、彼女と一緒に居ては再び自分が歪んでしまうことを恐れてのことである。それから彼女とは頻繁に連絡を取らないようになった。
経過した七年は仕事で充実した。未知なるものを開拓するかのように、奮闘した。取引先の中には感情の起伏が激しい人もいたため、慎重になることもあった。また、所長からは怒られることはあったが、私の転勤理由から、私が転勤してくる頃には所長は私に人一倍期待をしていた。去年、元いた営業所に行くことが決まり、私の送別会の時に所長自身から私に期待した理由を聞いた。所長も若い頃は失敗続きで、奮闘したと聞き、私の転勤理由を知って、若かりし頃の自分を思い出し、頑張る社員を応援したくなったから、私に期待したようだ。
現在、私はバリバリ独身のキャリアウーマンとして奮闘している。前いた営業所での経験から、大きな実績を作ることが増えた。時々、前の営業所で仲良くなった同僚と連絡を取ることがあるが、同僚は『所長がまたチャレンジしたくなったら、うちに来なさいと言ってたよ』と言っていた。今でも、気にかけてもらえて嬉しい。それを糧に今日も私は奮闘する。そう言えば、今いる営業所に社員が来るらしく、私はその指導担当ではないから、詳しい事は分からない。その担当者に聞くと、天然でおっとりした性格らしく、女性らしい。私はそれを聞いて、純子のことを思い出した。そして、その社員が来た。私は会いにいくと、ある事に驚いた。そう、偶然と言っても良いことに・・・。
読んでいただき、ありがとうございます。
先月に今まで自身が投稿した話を見返しまして、「時には歪んだ話を書きたいな~」と思っていました。最近になって読んだ作品をきっかけに書こうと思い書きました。
二月中はいろんな百合小説を書いていましたが、これからもよろしくお願いします。