2話 ログイン
「あ、兄さんお帰りなさい。」
そう言って家に帰ってきた僕に反応したのは、長女の椿だ。
僕が通っている学校の中等部の3年だ。髪型は長く伸ばしている。
ゲーム好きだ。
「ああ、ただいま。」
「あれ、届いてる?」
そう僕が聞くと
「はい、ちゃんと5人分届きました。」
あれ、というのは「ダイブリング」のことだ。ついでにOSOのソフトも買っている。
そして何故5人かというと、うちが5人兄妹だからだ。
長男の僕、佑季
長女の椿
次女の桜
三女の紅葉
四女の銀杏だ。
ちなみに、紅葉と銀杏は双子で桜は中学2年、紅葉と銀杏は中学1年だ。
母親は数年前に肺がんで他界、父親は海外のコンピューター関連の会社に勤めている。父親から金は送られてくるので、生活はできている。
「ほかのみんなは?」
他の3人の居場所を聞く。
「自室でダイブリングの調整してます。」
「了解」
「それじゃあ、OSOの中で会いましょうね、兄さん。」
椿の言葉に返事をして、自分のダイブリングを持ち自室へ行く。
「へえ、こんなんなんだ。」
そう言ってダイブリングを被り、ベットに横になる。
本サービス開始まで3、2、1…
「リンクスタート!」
次からいよいよゲームのお話。正直言って結構つらい。