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クソビッチの思惑

はぁ~い!

こんにちわぁ!


私はこのゲームのヒロインちゃんでぇす♪

この世界がゲームだなんて、驚いた?

私も最初は驚いたんだよぉ。


でも、この世界は

【君との出会いで人生薔薇色】

っていう乙女ゲーの世界なんだぁ~♪

私の前世の記憶が戻ったのは、魔力が覚醒して学園に入るときだったの。

すごぉ~く驚いたんだよぉ。

私が、あの王子様と結ばれて王妃になってぇ、

周りには他のキャラ達も侍らせる事が出来るなんて♪


こんなご褒美を神様がくれるなんてぇ、

私、前世でよっぽどいい子だったんだねぇ♪



早く逆ハーを楽しみたくって、学園生活をすごく楽しみにしてたの♪

でも、中々ゲーム通りにはいかなかったの。


王子様の婚約者の【ロイズ・スウィート】が、悪役令嬢のくせに、私に何の接触もしてこないの!

マジ、ムカツク!!

そのせいで王子様のハートを射止めるのにすごく時間がかかったんだからぁ!

信じられない!!あの女!!

私の邪魔するなんてぇ!!


私が考えるにぃ、あの女、転生者だと思うんだよねぇ。

だから私に接触してこなかったんだと思うのぉ。

王子様の事も興味ないふりしちゃってさぁ。

よくあるじゃない?

悪役令嬢が、自分の無罪を主張するやつ。

そのために私には接触せずに、友達にべったりだったんだと思うの。

だから、あの女の友達に

私にはいらない男を紹介したり、王子様達とのお茶に呼んであげたりして、仲良くなって、私の味方にしたの!!

それで、あの女を嵌めてやったの!!


ざまぁ!!


って感じだったわ♪

だって、ちょっと可愛いからって王子様の婚約者になっちゃってさぁ。

いくら私が現れるまでの繋ぎの人間だとはいえ、私の男の婚約者だったなんて腹が立つじゃなぁい?

しかも、私が王子様と仲良くなるためのイベントを発生させなかった罪もあるしぃ。


王子様達はちゃぁんと私を信じてくれて、あの女を魔の森に棄ててきてくれたんだからぁ、

どんなに足掻いても、

やっぱり私がヒロインで、あの女は悪役令嬢なのよねぇ♪


実はね、この乙女ゲーには、学園生活での逆ハーENDの後に追加ENDってゆーのがあってねぇ♪

とある条件を満たすと、私は王子様と結婚して王妃になって、その上で他のキャラ達にもチヤホヤされて一生を過ごす、夢みたいなENDがあるのぉ♪


あの女が魔の森に棄てられてそろそろ2週間。

王妃になる追加ENDのために動かなきゃ♪



__________________


重要な話だって言って、王子様達を呼び出してもらったから、後はちょっとお話をして、私がお願いするだけ。


「皆、忙しいのにごめんねぇ。どうしても、相談したい事があったのぉ。」


ここで悲しそうな顔をして、涙で目をうるうるさせれば


『全然問題ない!どうしたんだ?何でも相談してくれ!』


ほら、みんなが私の言うことを聞いてくれる♪


「あのねぇ、昨日ねぇ、ロイズの夢を見たの。【助けて】って言ってたの。わたし、確かに、ロイズには色々酷いことをされたけどぉ、魔の森に置いてくるなんて、やっぱりやり過ぎじゃないかと思うの。夢とはいえ、わたしに【助けて】って言ってたから、助けてあげたいの。皆、ロイズを助けるために、わたしに力を貸してくれない?」


ここで、悲しそうに両手を胸の前で組んで、涙を一筋溢して、首をかしげて。

私、完璧!!


『お前はなんて優しいんだ。天使の様だな。それに比べてあんな女、死んだ方が良いだろうに。でも、その優しい可憐な姿が、お前の良いところだ。分かった。お前のためにあの女を助けに行こう』


だって♪やったぁ♪

やっぱり、私みたいに可愛くて可憐な女の子のお願いは絶対だよねぇ♪


「じゃあねぇ、明日。明日が良いの。明日、魔の森の中の一番大きな木【魔伸樹】の下辺りに探しにいってみたい。何となくだけど、ロイズがいる気がするのぉ。お願い。」


少し悩むふりをしてから、小首を傾げて、甘える声でお願いポーズ!


『分かった!』


ほら、簡単♪


王子様達にはお礼を言って、明日に備えて寝ておこーっと。


明日。

明日には、私は王妃になる条件をクリアするの♪

そう、あの女が、

ロイズがボロボロの老婆の様な姿で現れるんだから。


それで、ロイズを泣きながら助けてあげようと近寄る私に対して


【ロイズは発狂して、私の恩情で渡された剣で私に襲いかかる】


襲いかかってきたロイズから王子様が私を守ってくれて、ロイズを突き飛ばして、切り捨てようとするの。

そのロイズと王子様の間に入って


【待って!ロイズは錯乱してるだけなのよ!2週間もこんな怖いところにいたんだもの!お願い、皆!私に免じて許してあげて!】


って言う、わたし天使!!

そうすると


王子様が膝をついて


【なんて慈悲深いんだ。その優しく美しい天使の様な心を持ったお前こそ、我が国の王妃に相応しい。俺にはお前しかいない。俺と共に国を支えてくれ。結婚しよう。】


って言ってくれるのぉ♪

それに続いて皆も


『私達も聖女の様に優しく、清らかで太陽の様な心を持った貴女の側で、これからもずっと貴女を守りたい。貴女が王妃になった後でも、我々に貴女を守る許可をください。』


って感じの事を言ってくれるのぉ♪


それで、それで、私は王妃になって、イケメンキャラ全員に囲まれて、幸せに過ごすのよぉ♪


凄いでしょ?

羨ましいでしょぉ~?


キャハハッ♪明日が楽しみぃ♪


おやすみなさ~い♪




あ、そういえば、ロイズは結局、王子様に

【命だけは助けてやる。何処へなりとでも立ち去れ】

って言われて、結局は置いていかれて死んじゃうんだけどね(笑)


キャハハ♪

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