失格寸前
想像体が吠え、地面が揺れる。
試験官の声が響く。
「残り二分」
観客席がざわつく。
カイの剣が、想像体の腕に弾かれた。
「っ……!」
カイが転がる。
想像体が、とどめの一撃を振り下ろそうとするのと同時に試験官がカイの周りに
防護壁を出そうと杖をかまえる。
(間に合わない)
その瞬間、レンの中で何かがつながった。
(カイは、剣に魔法を乗せたいんだ)
(でも――想像を一人で背負ってる)
「カイ!」
レンは叫んだ。
「剣に魔法を乗せるの、僕がやってもいい?」
「……は?」
一瞬の戸惑い。
「それ、できるのか?」
「分からない。でも――優しい魔法なら、想像できる」
カイは一瞬迷い、そして歯を食いしばる。
「……頼む!」
レンは、鋭く攻撃の魔法ではなく
傷つけない魔法を想像した。
重さを受け止める剣。振るう人を傷つけない力。壊すためではなく、止めるための刃。
その想像が、カイの剣に流れ込む。
刃が、柔らかな光を帯びた。
「……来てる」
カイは立ち上がる。
剣を構え、想像体へ踏み込み、想像体に刃を切るのではなく当てる。
その瞬間、想像体の動きが止まった。
「やったな!」
「うん!」
カイとレンが気を緩めたその時
止めたはずの動きが、再びうねる。
「……効いてない?」
カイが息を呑む。
「いや」
レンは、首を振った。
「止まってる。ただ……終わってない」
巨大想像体の中心に、赤くだが青い光が脈打っている。
それは怒りでも、憎しみでもなかった。
、、、寂しさ




