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処女作!

2025年、東京タワーが龍テロにより崩壊。

2026年、通天閣が南海トラフ巨大地震により崩壊。

そして富士山が噴火。 


噴火により降り積もった火山灰により未来の日本の風景は姿を変えた。

白くなったのは関東、甲信越だけではない。

インフラ整備は滞り日本の経営は破綻したかのように思えた。


そして2027年、回復途中の忙しい東京。


そんな東京都の翌日、雨上がりの朝、東京都庁新宿区の駅で、列車の出発と共に別れを惜しむ人がいた。


1人の少女の旅立ちだ。


少女の黒い髪、白いマスクは黒い学生服、そしてチェック柄のスカートには絶妙に合った格好であった。


少女の旅立ちを見送る人は多くいた。

まるで皇族か王家のようだ。

「俺は、小説家になるから」

「さよなら、武さん」

「俺の真似して痩せなくて良いんだからな」

「ありがとう門馬さん」


「私、旦那と仲直りできるかな」

「できるわよ綾乃さん」

「私、長生きできるかしらねぇ」

「ええ、幸子さんも元気で」


三重から東京へ来て、飛び降り自殺者を助け、支援してから2ヶ月が経っていた。


別れを惜しんだあと、少女は列車に乗り込んだ。

荷物を置くと黒い学生服を脱ぐ。

クリーム色の可愛らしいカーディガンが姿を現し、先ほどとは違う姿となった少女は、

水色の席に座り、休む。


二ヶ月前、出雲大社に八百万の神たちが集まったという。

昨日は亀戸水神で隕石が落ちたばかりだという日。

まるで謝っているかのように大雨が降った。

「この列車を降りる頃には、雨上がりの東京の昼の空気とは違う空気を吸うことになるのかな」

空手ビューティはそう思った。

少女を乗せた特急列車は甲府へと向け走り出した。 


しばらくはビルや建物ばかりだったが、景色は八王子を過ぎると、野生の鹿や熊といった動物が姿を現し、

やがて富士山が大きく見える絶景を見せた。


雪がつもる石和温泉へ向かい走ってゆく。山の西側であるこちら側は雪が少し積もっている。

東京では雨上がりであったが、こちらは雪上がりだった。


新宿から1時間半もしない内に、最寄り駅へと着いた。

午後三時、曇り空になった。

石和温泉の旅館に着くと旅館の女将おかみであるイサワさんが出迎えてくれた。

「よくお越しくださいました。」

少女は返す。

「よろしくお願いします。」

「いくつになりましたっけ」

「17です」

するともう一人、セキカズという女性が言い放った。

「待っていたわよー、さ!はやくかr」

そこまで言い切る前に白いマスクを付けた学生服少女は「しっ」と親指を立てた。

「あ、ごめんなさいね、あなたが来てると知ったら犯人逃げちゃうかもしれないわね

制服が濡れちゃってないかしら?」


すると突然、1人の男が現れた。

「オレノハンザイハエライ」

いきなり旅館の廊下を瞳孔全開で全速力で走ってきた。

「ヒュールルル、ルルルーーーーー!!!」

セキカズを左手の甲で殴ったあと、イサワの首をしめた。

「アイタカッタゾーアイタカッタゾー」

すると二人の髪を引っ張り畳としょうじのある和風部屋へ全速力で走って連れて行った。

「ダカダカダカーコノアトコロス!」

男は連れていく。 

「ツレテイク!ツレテイク!ツレテッチャウゾー

コロシチャウゾー、シンジャウヨー?

モウメガサメナイゾー」

男は窓を開け雨水の入る和室で暴れた。  

このままイサワさんとセキカズさんは殺されてしまうのか?死んでしまうのか?


「ガーーーハハハ、ヒャッハアアアー

クルシイカーーークルシイカーウレシイナアアアア、

フウウウウウウ」

3発ほど殴った直後、しょうじが開く。

そこには一人の少女が。

白いマスクをつけたまま、黒い学生服を第一ボタンだけ羽織りカーディガン姿となった少女がいた。 

風が通った部屋は黒い髪をなびかせる。

スカートをひらひらと揺らす。

「私の名は空手ビューティー」

「ン!?ワカイオンナノニオイ、ワカイオンナノニオイ」

「オレ、コウイチ、オレ、スワの鬼コウイチ」

男は諏訪の鬼コウイチだったのだ。

そしてもう一体を呼び出した。

どうやって呼び出したのか?理屈で考える間もなく、もう一体の鬼は現れた。

「ワタシ、ノリコ!ヌマダーハッハー、タカサキー、マーマエバジー、アンタツヨイナ!?」

「私が強いかどうかは、わかりません

しかし、今はここで止めなくてはなりません!

他力本願なこの島で、私は私の責務を全うします!」

空手ビューティーと名乗った少女は技を放った。

「空手分身!」 


2人になった空手ビューティ、分身体の空手ビューティは肘を鬼コウイチの腕に落とす。

「藤!」

空手ビューティは短い言葉を発しながら攻撃した。

鬼コウイチの腕が落ちる。

「イタイ!タダノカラテジャナイ!」

鬼コウイチが動けなくなると鬼ノリコは空手ビューティにかかった。

鬼ノリコは爪を使い、空手ビューティーのカーディガンを切り裂こうとした。

お腹の辺りを切られたが、かすった程度で、カーディガンの中から白い制服をのぞかせていた。


続いて白いマスクを少しかする!

汗ばむ空手ビューティー。

「まずい!

マスクを狙ってる!

素顔を見られる前に!はやく倒さなきゃ!

私は正義のヒロインですものね!」

「波!」

引き続き、鬼ノリコの背中に肘が命中。

「ギャアアアア」

「ワタシハバカデイイ、キニクワナイヤツヲ厶シスルダケデイイ、ワタシヨリ、カワイイワカモノハ、ユルサナイ」

「許してあげなさい」

空手ビューティは鬼ノリコにそう言った。

すると鬼ノリコは断末魔をあげながら負けた。 


鬼コウイチは圧倒的に優勢な空手ビューティに対し、

言い残す。

「ワレナド、スワノオニノゼンザニスギナイ」

空手ビューティは驚く。

「諏訪の鬼の前座・・・諏訪にしてみればまだ前座だと言うの?」

「ココカラ、セイホクノホウガク、スワハ、ソコニアル」

鬼コウイチ敗北。

少女は空手分身を解いた。

曇り空は晴れ、代わりに綺麗な夕日が姿を表した。

鬼が消えた和室で

 「大丈夫ですか!?」

と温泉旅館の女将イサワさんとセキカズさんに駆けつける空手ビューティー。

息はあるよう。

30分間経つと目を覚ました二人はお礼を言った。

「嫌な悪夢を見ているようだったよ」

「ありがとう、悪夢から救ってくれて」

人生が辛い20代半ばです。生きがいの半分を失い、もうすぐ死ぬのではないかと不安です。

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