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―クラリス・ハイウィンド―

 眩い光の中に一人の美しい女性が居る。

 深い紫色の長い髪、エメラルドグリーンの瞳、透き通った白い肌。


「これは夢なの?・・・」


「クラリス・・・クラリス・・・」


「愛しい人・・・」

 その女性は愛しい人の名を呼ぶ。


「ここに居たのね・・・クラリス・・・」

 目の前に現れた愛しい人の胸にそっと飛び込み、涙を浮かべて彼の瞳を見つめる。


「ああ、ファフニール。僕はここだ。ここに居る」

 クラリスと呼ばれた青年も涙を浮かべて彼女を抱きしめ見つめ合う。


「すまない、ファフニール。長い事待たせてしまったね」

 クラリスは彼女を抱きしめ、髪を撫でながらやさしく話しかける。


 二人の頬に大粒の涙が滑り落ちる。


「さあ、もう何も悲しむ事は無い。悪夢は終わった。これから君は光の中を、太陽の下を進むんだ」


「私達が再び出逢う為に君は彼と共に歩んで欲しい。そうすれば僕たちは必ず再会出来る」

 クラリスは優しく微笑みながら願いと約束を告げた。


「クラリス・・・・・・・・・・・・・うん」

 彼女は少女の様な瞳で彼を見つめたまま深く想う。


「でも、でも、もう少しだけ、このままで居させて・・・」


「ああ、そうだねファフニール。もう少しだけ、このままで居よう」



 二人は光の中で抱きしめ合い、見つめ合い、長く甘い口づけを交わす。



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