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―船6日目―

 目覚めると外は暗く、どうやら雨が降っているらしい。


 少し船が揺れているのが分かった。


 キューブに手紙が入っていないか確認してみると、ガボットから連絡が来ていた。

 内容は注文の品が出来上がったとの事だった。

 確認すると、彼に注文した武器と防具と道具が入っていたので、代金と一緒にお礼の手紙を出し、再度思いついた内容で、武器と防具の製作もお願いしておいた。


 少ししてセレーナとルーナが呼びに来たので3人で大食堂に向かい朝食を取った。


 セレーナはこの後エルカと特訓だそうだ。

 船内の練習場なら雨でも関係なく稽古ができる。


 俺はセレーナに胃薬的な薬草をいくつか貰い、お茶にして飲んだ。道具袋は【キューブ】で共用しているが、薬草の種類までは把握していないので、セレーナに聞く必要がある。ポーションはかき氷のブルーハワイのシロップみたいな色の液体だし、瓶に入っているので分かるが、それ以外の薬は見ただけじゃ良く分からなかった。


 武器や防具や道具等は俺とセレーナどちらでも取り出せるように、一度確認しあう必要がある。夕食後に時間を作ろう。


 俺は自室に戻り、キューブの中身を全て再確認した。


 新しい防具を作って貰ったので早速試着した。

 見た目も材料も今の物と同じで、柱を溶かした材料の黒鉄と銀とアダマンチウムの合金の軽装鎧。


 今回は少し重厚に改良を施したとの事。各部分のプレートの厚みが増え、重さが増しているがオーバードライブをかけてれば殆ど気にならない程度だ。


 ローランドで普通の鎧も試着をしてみたけれど、動きが妨げられるので動き周りたい俺には軽装鎧が丁度良い。一応、彼と相談して柱素材の黒鉄は上黒鉄と呼ぶことにした。


 この装備の名前も上黒鉄の軽装鎧と呼ぶ。


 何か良い素材が手に入ったらガボットに送れば金属系の武器と防具でミスリル以外なら作ってくれると言っていた。


 ミスリルは精錬するのに専用の魔工炉という炉が必要らしく、トロン村のガボットの工房では作れないらしい。


 まあしばらくはそんな素材とは無縁だろうから、その時はその時で考えよう。


 と思ったが、いっその事お金の力にモノを言わせてガボットの工房に魔工炉を用意させてしまうか?

 そうだ、金ならそこそこ有る。これからも仕事を依頼するのだから俺が資金を出して設備投資しても無駄になる事は無いだろう。馬車の改造の方もやっていくわけだし、設備や道具はいくらあっても無駄にはならない。


 魔工炉がどんなものか分からないが、あの村でも設置する事ができるなら、設置にかかる費用の見積りを書いて送って貰おう。どこかでもう一つのクリスタルさえ開通できればローランドにはすぐに戻れるわけだし、ローランドで売って無い材料が必要ならこっちで買い揃えて運ぶ事も可能だからな。


 そんな事を考えながら装備の試着を終えた。


「確かに少しだけ重いけど、オーバードライブをかけてしまえば関係無いな」

 分厚い分、丈夫だし耐久性も上がる。同じ素材でも厚みが変わるとがっしりしているのが分かる。

 腕がいい職人とはきちんとしたお金を払ってしっかり付き合っていきたい。勿論値踏みは一切無しだ。言い値を払う。それが礼儀だし、なんなら色をつけて払う。


 若者の言葉を借りるなら、推しにお金を次ぎ込んで彼等の生活を支え、応援するのだ。

 手数料の様な間抜(あいだぬ)きが無く100%の金額が推しの手元に入るのだからこれ以上良い事は無い。

 これからも支えていく。


 装備はセレーナの分の上黒鉄の軽装鎧もある。セレーナ専用の細工が施されたポプリカスタムだ。後で渡しておこう。格闘メインの攻撃になっても、この軽装鎧なら動きに支障は無い。俺で実証済みだ。


 それとプロトタイプだが同じ上黒鉄でルーナ用の簡単な防具も作って貰った。

 鎖帷子(くさりかたびら)をベースに胴体部分にプレートをあしらった物だ。革のベルトで調整できる。ルーナが嫌がらなければ装備しておいてもらおう。


 その他、上黒鉄の盾が8枚と大型の盾が2枚。大型の方は持ち歩く事を前提に作られていない作りにしてある。タワーシールドの様な防御力特化の盾にした。

 用途は勿論、自爆対策用だ。


 もう俺の中では盾は消耗品扱いなので、少しやけになって依頼した感はある。

 あと、オマケで俺の気に入ってたフードマントが4着入っていた。


 あのマントは元々、ホルンの村で仕立てた物だったらしく、帰り道にガボットが注文してくれてたそうだ。トロンとホルンの子供達は俺の真似をして、同じフードマントを被って遊んでいるらしい。悪い気はしないが少し恥ずかしい。


 とりあえず俺も調査兵団気分が味わえるので早速身に着ける。船を降りたらまたフードを被る生活だ。


「そのうち何か模様でも入れたいな」

 着心地とコーディネイトを確かめるように自分を見る。姿見の鏡でもあれば良いのだがこの部屋には無い。


「さて、あとは武器だな」

 この間打って貰った刀1号はアレはアレでしっかり使わせて貰うが、今回はより一層日本刀に近い形で作って貰った。

 柄と刃を分けて作るよう依頼した。勿論、柄部分はこちらの世界オリジナルになるが、全体の基本的なサイズは踏襲して貰うように大まかな設計図を書いてお願いした。


「やはりこの形が日本刀だ。良い仕事してますな、ガボットさん」

 鞘から刀を抜き、刃に皮脂等を着けない様に気を付け、じっくり観賞しながら呟く。



 黒い刃で波紋も付いている。俺も専門家ではないので、波紋の付け方は大まかなやり方でしか知らなかったが、素人の説明だけでガボットは再現してくれた。

 焼き入れに使う焼刃土(やきばつち)はともかく、波紋はただのオシャレなんだけどね。


 焼き入れに関してローランドで話した時、普段の直剣作りでは考えた事の無い技術だとガボットがかなり驚いていた。



 今回の刀も切れ味は確かに折れ剣には勝てないが、見た目はこっちの方が琴線に触れる。

 刀2号の出来を見て、アダマンやミスリルが手に入ったらそっちでも作って貰おうと心に決めた。


 この刀は素材に銀も入っているので魔法とも相性は良い筈だ。魔法を付与して使った場合、耐久性が下がるかも分からないが、それは俺の腕次第だろう。しばらくは練習の為に刀1号を使おう。


 ちなみに刀の名は黒鉄と書いてコテツと読ませる。作者であるガボットにも相談済みだ。これからは黒鉄を多く使った日本刀の名は全て黒鉄(こてつ)と名付ける事になった。日本刀と魔法の世界のコラボはロマンだな。


 そしてもう一つ、同じ上黒鉄で武器を作って貰った。


 旋棍(せんこん)所謂(いわゆる)トンファーだ。2本1対(つい)で作って貰った。

 対人戦で近接戦闘用に盾代わりに出来る武器が欲しかったので旋棍(コレ)になった。


 旋棍はかなり扱いが難しい武器だが、メインは攻撃の受け流しなので問題は無いと思う。そのうち慣れる。


 殺したり血を見たりするのは好きじゃないし、殴って済む相手ならこれで十分だと思ったからだ。

 可能な限りは平和に生きたいので、出来る限りその努力はしていこうと思う。


 両刃の剣だと峰打ち出来ないからね。片刃の剣である刀を作ったのは、その事もある。

 この世界なら回復魔法があれば骨折位はすぐに治せるし、刀の峰で相手の手足を強打しても問題ないのだ。


 ガボットにはそのうち武者シリーズとして他にも十字槍や侍の甲冑をお願いする予定でいる。ただ、甲冑に関しては設計図が描けないので部分的な絵で伝える事になるだろうが、彼なら期待に応えてくれるだろう。


 俺はファンタジー世界で甲冑を着たいのだ。井伊の赤備えとかカッコいいじゃん?



 最後は消耗品の道具で、良く見る平たい十字型の手裏剣だ。

 棒型の手裏剣は俺のレベルが低すぎて使えないからな。


 十字手裏剣は単純にそのまま使うが、投げる前には【ディストーション(亜空間迷彩)】かけて見えなくする。見えないだけで脅威度が増すのだ。かなり恐ろしかろう。脅しにも使える。


 これは素材に拘らず、普通の鉄か鋼もしくは黒鉄で、時間と材料があればその都度補充していって欲しいと大量に発注した。定期的な仕事があれば彼らの収入も安定するからな。俺も彼等も【キューブ】様様だ。一番恩恵がデカい。


「よし、これで少しは戦いの幅も広がるな」

 武器は対人特化にはなるが、人相手に、あの折れ剣使ったら剣でも鎧でも並みの装備じゃ真っ二つだからな。流血沙汰にしかならん。


 魔物や魔族などの話の通じない相手以外では極力使いたくない。

 その為にあえて弱い武器を作るとか、俺はお人好しも良い所だな。普通はみんな強い武器を欲しがるのに。


 アンダンテにも「甘い」と言われそうだが、色々考えた結果だ。もちろん例外もあるが。

 極力は「殺さず」で行きたい。


 確認と点検が一通り終わった所で時計を見ると12時手前だった。




 そろそろセレーナとルーナが戻って来るかなと、消耗品の在庫数を羊皮紙に記入しながら待っていると、二人が来たので大食堂へ昼食に向かった。




 大食堂にはエルカも居たので同じ席に座り、食後の歓談タイム。


「今日はどんな練習をしたんですか?」


「はい!今日は昨日習った突きと蹴りを使いながらの組手です!」


「セレーナちゃんは呑み込みが早いから~。すぐに強くなるわよ~」


「ありがとうございます!でもまだ1回も攻撃を当てられていないので頑張ります!」


「そうね~。でも攻撃を何時間も続けられるのは凄いから、攻撃が当たる様になったら、私すぐにスタミナ切れで負けちゃうわ~」


「二時間位攻撃し続けても一回も当てられない私じゃ、エルカさんには当分勝てないと思います!」


「お互いに頑張りましょ~」


「はい!宜しくお願いします!」



「2時間攻撃し続けるのも2時間避け続けるのもどっちも凄いな」



「クラーケンを一撃で倒しちゃうソウイチロウさんの方が凄いですよ~」


「そうです!ソウイチロウ様の方が凄いです!」


「ワン!」



「あれは、まあ、その、的がデカいから。ねぇ?。 所で、エルカさんは武術をやってらしたんですよね? 武術の道場って見学する事とか出来たりしますか?」


「ええ、出来ますよ~。ただ、この前の襲撃で街も被害を受けてる筈なので、道場がどうなってるか次第ですね~」


「そうか、殆ど被害の無かった街はローランドだけでしたね」


「はい、でもあの街は強い人も多いので、きっと大丈夫だと思います~」


「そうですね!きっと大丈夫ですよ!」

 エルカはセレーナに優しく微笑む。


「えっと、王都の近くの街の名前はコルグでしたっけ? 確か冒険者ギルドもありましたよね?」

 村長の家で見た地図を思い出す。


「はい、そうですよ~。コルグから東の山脈に強い魔物が出るので、その討伐に行く冒険者達が集まります~」


「なるほど、魔物の討伐依頼とかも受けられたりするんですかね?」

 冒険者らしい事が出来て無いので、そーゆーのをやってみたい気もする。



「そうですね~。それもありますが、良い素材が採れる魔物も居ますので~。依頼が無くても素材目当てに行く冒険者達が居ますね~」


「なるほど」

 一度東側に行っても良いな。村長の家の地図で見たが、確か山の付近にも街か村があったから、緑の国へはそっちを経由しても良いかもしれない。少し遠回りになるが、地図の端の街や村は通りすがりに行ける距離なら行っておきたい。山に用事のある冒険者なら、その(ふもと)の村だか街を拠点にするかもしれないし、本の事も聞いて回りたいからな。


 セレーナも道場は興味あるだろうし。会議のあとはそっちに向かいながら考えるか。


「それじゃあ私達は特訓に向かいますね~」

「ソウイチロウ様、行ってまいります!」

「ワン!」


「ええ、それじゃあ午後も頑張って!お二人共、怪我しないようにね!」


 そうして彼女たちは再びトレーニングルームへと向かい、俺はクラーケンの魔石の事を聞きに、シェーナを探しに行った。


 シェーナの居場所を魔導師団の子に尋ねると、シェーナは執務室に居るという事だった。

 (トントン)部屋をノックする。


「はい、どうぞ」

「失礼します。今少しお時間宜しいですか?」

 彼女の都合を尋ねる。


「ソウイチロウ様、どうされましたか?」

「ちょっと魔石の事を聞きたくて、お伺いしたのですが」


「ああ、回収した魔石ですね。ありますよ。下船する際にお渡ししようと思っていました」

「なるほど、それで魔石の詳細の方ですが、クラーケンの物は回収しましたか?」


「ええ、しっかりと回収しましたよ!滅多に見れない大物ですからね!それも含めて討伐者のソウイチロウ様にお渡しします。見ますか?」


「ええ、出来れば」

「わかりました!それではお手数ですが1時間後に大食堂でお待ち頂けますか?私はまだ少し執務がありますので、それを終わらせてから大食堂の方へ参ります」


「了解しました。それでは1時間後に」


 そうして執務室を出て、取り合えずする事が無いので自室へ向かい、先程考えた魔工炉の話と見積りの件を手紙にして【キューブ】に入れておいた。


 時間前に大食堂へ移動する。


 時間通りにシェーナがやって来た。

「お待たせ致しました、ソウイチロウ様。では倉庫区画へ参りましょう」


 船底部 倉庫区画へ移動する。


「これがソウイチロウ様が仕留めた魔物の魔石になります」

「結構ありますね」


 目の前には大小様々な大きさの魔石が積まれた箱があった。オジサン世代にはおなじみの、大きなかまぼこ型のファンタジー宝箱だ。


「最初のクラーケンの方が回収出来なかったのが悔やまれますが、海の底へ引きずられてしまっては仕方ありません」


「そうですね。大きい方に引きはがされて沈められてしまいましたからね。それでもこの数は凄いな。見て無かっただけでこんなに多く仕留めてたのか」


「ええ、ですが一部は潮に流されてしまって、回収出来なかったものに関しては申し訳ありませんでした」


「なるほど。それは誰のせいでもありませんから、仕方ありませんよ」


「ここにある分は全てソウイチロウ様の物となりますので、下船時に王都の商業ギルドへお運び致します」


「これ以外にも魔石は有るんですか?」


「いえ、これで全部です」


「他の皆さんの分は?」


「師団を含めた乗組員という事ですか?ありません」


 おー、まじか。公務だから倒した所でどっちみち国の押収物になるのかな。


「では私はクラーケンの物だけ頂きますので、後はお金に換えてこの船の全員へ均等に分けると言うのはどうでしょうか?」


「え?それはいけません!こちらは公務ですから、その様な行為は賄賂になってしまいます」


 あーそっか。そーゆー扱いになっちゃうのね。うーん、同じ船に乗ってる以上、命運共にしたんだけどなぁ。


 あ、ミハエルの権力を使って彼から全員に配って貰おう。継承権を譲っただけで、彼は第一王子であることは変わりない。王子なら誰も文句言わないし、財源は一応は俺の魔石だ。 国庫から出る訳では無い。 商売では無いが、これも「三方よし」だろう。クラーケンやっつけたんだ、特別報酬としてそれ位は良いだろう。



「わかりました、それでは下船時に商業ギルドへお願いします。クラーケンの魔石は売らないので預からせて貰って良いですか? 引渡し証等があればサインしますので」


「え?あ、はい。分かりました。念のため書類はお持ちしましたのでこちらにサインをお願いします」


「わかりました」

 そうして書類にサインしたが、まだこの世界の文字は書けないので漢字で書いた。


「この文字は・・・?」


「えっと、やはりダメですかね?自分の故郷の文字しか書けなくて」


「いえ、この書類は嘘の名前は書けないので、こちらが読めなくても問題はありません。ただお目にかかった事が無い文字でしたので少し。ソウイチロウ様の故郷で使われていらっしゃる文字だったのですね。大変失礼致しました!」


 シェーナは腰を90度の角度にして謝って来た。


「いえいえ、早い所公用語の文字を習わなかった私の落ち度でもあるので、謝らないで大丈夫です。こちらこそご心配をおかけして申し訳ありません」


 これが日本人名物、謝罪合戦である。 尚、合戦だが勝ち負けは無い。実に平和的だ。


 そんなこんなでクラーケンの魔石を部屋に持って帰って来た。


「デカいな。持ってきたは良いが、いまどうこう出来る物じゃなかったな」

 大きさが人の頭位ある。サンシーカーの聖霊石の方が大きかったが、これもなかなかの大きさである。

 しかし、どちらも大きさの割に重さが無い。軽い。聖霊石の時は色々テンパってて気にしなかったが、この大きさの魔石も軽いってのは、やはり魔力自体に重さが無いって事で、それが関係してるのだろうか。


 ・・・・・まあ多分そうなんだろうな。いかんな、科学脳で考えたらダメだ。ここは地球では無い。地球の常識が全てでは無い。そーゆーものだと思っておこう。


 重量問題が解決したので取り合えず【キューブ】にしまっておく。下船時にはそれっぽい袋と中身を入れて下船しよう。この大きさの物を持って無かったら、流石に忘れ物してると声をかけられてしまう。


 しかし、このサイズの魔石を使って作る杖ってド素人の俺では無理だな。自分で作れとかアンダンテも軽く言ってくれる。


 やはり杖は専門家に頼もう。王都なら杖職人の10人や20人は居るだろう。

 さっきシェーナに聞けば良かった。副団長の彼女なら知り合いの職人位いるだろうし・・・・そうだな、後で聞いておこう。


「一通りやる事が終わったか・・・・いや罠対策用の準備が出来てない」

 思い出した所でアンダンテからイメージが送られてくる。


「よし。やりますか」

 そうして対策用の道具作成に入る。


 一通り準備を終えた所で部屋がノックされる。


 セレーナとルーナから夕食のお誘いがあり、いつも通り3人で大食堂へ。

 二人はシャワーを浴びたのか、たまに石鹸の良い匂いがする。俺も後でシャワーに行こう。


 夕食を食べ終え、セレーナに道具の内容確認をする為に時間を作って貰った。


 俺の船室へ移動して、キューブの中の道具の確認と、罠用の道具も説明し、使い方も教えた後、セレーナの新しい装備を渡し、ポプリから来てたセレーナ宛ての手紙も渡した。


「ソウイチロウ様!明日はいよいよ王都ですね!私、王都は初めてなのでドキドキします!」

「ワン!」

「そうなのか。俺も初めてだからドキドキしてますよ」

 敵の奇襲とか王都での罠とかが心配事で、胃とか心臓がドキドキしてます。


「会議の後の予定は決まっているんですか?」


「一応数日は王都に泊まって街を少し散策する予定ではいます。武器や防具、道具等も見てみたいですし、必要があれば買います。ギルドにも寄って道中の依頼があれば受けて行こうかとも思っています。報告は他のギルドでも大丈夫な依頼もあるみたいなので」(ガボット調べ)



「ちなみに次は一応コルグの街に行く予定です。セレーナは武術道場が気になるでしょ?」


「はい!私、気になります!」


「コルグの後は緑の国へ向かう予定ですが、コルグから東の山の麓の町経由で行こうと思っています」


「わかりました!確か、その町はリネットだったと思います」


「知ってるの?」


「行った事はありませんが、家の地図で見て覚えました!小さい頃は地図を見るのが好きだったので」


「なるほどね。まあとりあえずは王都からコルグ。そしてリネットへ向かい、そこから緑の国の王都サビエシルバへ向かうのが今の所の予定ルートですね」


「わかりました!色々楽しみですね!」


「そうですね~美味しいお菓子とか食べ物があると良いですね」


「珍しい物が沢山見れると良いですね!」


「世界は広いですからね。まだまだ私達の知らない事は沢山ありますよ」


「はい!楽しみです!」


「明日は王都へ到着予定だけど、特訓は有るんですか?」


「はい、エルカさんは入港は午後になる予定だから、午前中は特訓しましょうと言ってくれました!

 」


「そうですか。では明日も怪我しないように頑張ってね」

「はい!頑張ります!」




 そうして今日も一日が終わり、二人が部屋に戻った後、俺はシャワーを浴びてからベッドに横になる。

 雨で波はあったが、何もない穏やかな日で良かった。


いつもお読み頂き、ありがとうございます。


おかげさまで何とか1カ月毎日更新出来ました。

お読み頂いてる方々、感想頂いた方、評価頂いた方、ブックマーク登録頂いた方々、ありがとうございます!

これからも頑張って続けて参りますので、良かったら応援の方宜しくお願い致します。



読み辛い所もあるかと思いますが、気に入って頂けたらブックマークや評価、感想を頂けると励みになります。


栞代わりのブックマークでも構いません。(言葉の意味は同じですが)

ぜひよろしくお願い致します。

更新時間は通常、朝8時に致します。


8月も頑張ります!

宜しくお願いします!

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