アンチなんだが?
ある日。
「ケッ……下らねぇな」
目が覚めるなりスマホを手に取りSNSを確認する。目的はただ1つ、ある人物の呟きだ。
フォローしているのですぐに見つかる。奴はいつも通り「おはようございます!」だの「昨日は良いことがあったから調子良い」だの当たり障りのない呟きをしていやがった。
「もっと面白い呟きでもしてみろってんだ……おっ?」
そんな中、今呟かれた内容に俺はニヤリとした。
「へぇ……昼に更新、ねぇ――――――ケッケッケ! 今回も、おもっっっっっくそ批判してやるからなぁ」
そう、奴の小説の投稿があるのだからなぁ。
2年ほど前。
俺はしがない小説投稿サイトのユーザーで、読むのも好きなら書くのも好きなので小説も投稿していた。
「出来たぁ……! ブヘヘヘ、これは爆笑間違いなし!!」
我が渾身の作品である『悪役令嬢うんちぶりぶり』は、悪い妹によって身に覚えのない罪を被せられたあげく悪役令嬢のレッテルを貼られた主人公が「妹と付き合うから別れよ」と王子に婚約破棄されたんでキレて王子と妹を下敷きにしてウンチをぶりぶりしたら実は元婚約者の守護霊はトイレの神様でしかも幼い頃に会っていたので「お久しぶりぶり」と挨拶したら惚れられてハッピーエンドついでに妹と王子は糞夫婦と呼ばれるようになりましたザマァという短編小説だ。
間違いなく名作だぁ……深夜に酔っぱらった状態で読めば必ず笑う、そんな最高傑作だぁ。
だというのに……っ!
「あんまり評価されてない……だと?」
おかしい。このサイトでは空前の悪役令嬢ブームのはず。定番のワードである悪い妹とか婚約破棄とか真実の愛とか幼い頃に会ってた相手と結ばれるとか悪いやつザマァの要素全部を詰め込んだのに。
反応はというと、3人ほどが評価ポイントを2くれただけ。感想もレビューも貰えなかった。
「な、なんでだ……だってランキングには――――――」
俺はランキングのページに跳び、異世界[恋愛]のランキングを覗く。案の定、悪役令嬢物がずらりと並んでいた。
「……おーこれは面白い……なんでこんなのが人気なんだよ……これは人を選ぶなぁ」
上位のものから順に読む。ランクイン納得のものもあれば、絶対俺の方が面白いと言いたくなるものまで多種多様。
そんな中で――――――俺の目を惹いたのは、13位にいた。
「こ、これは……ネタ被り!?」
作者名『ヨリキリミドリ』による作品『あなたたちなんてクソくらえですわ!!』は、両親や妹や婚約者たちから不遇な扱いを受けた主人公が策を巡らせて全員を肥溜めにぶち落とす長編小説だった。
「ぐぬぬ……読みやすく文章量も丁度良い。なにより爽快感がある」
例えば、夕食で主人公が母親から「ほらほら、豚には豚の餌よ!」と残飯を渡されるシーン。この時、主人公は心の中で『こなくそ目くそ鼻くそー! ぜってーギャフンバフン言わせたりますわー!!』と反骨精神バリバリなのだ。
これにより胸糞悪さを「この主人公ならやってくれる」との期待で軽減させ、読む気力が継続される。後に母親が豚の糞まみれになり主人公の「豚の餌で出来たのがこれですわよ!」でスッキリ出来るのだ。
「悔しい……! でも認めたくねえ……!」
確かに面白い。ランキングに載るのも頷ける内容だ。パクリだと難癖つけようにも向こうの方が投稿は先なので言えるはずもない。
だが俺のプライドが許さない。負けを認めるのを許さない。
「そうだ……ここの『お姉さまは人間の屑ですわ!』とほざいていた妹を糞まみれにして『私が屑人間ならあなたは糞人間ですわね!』のシーン。妹の本性を知っている執事とかいたんだから、決め台詞の前に『その糞はあなたの知る、いいえ、あなたを知る者達の糞ですのよ!』とかあった方が良いじゃないか、うん、こうしたほうが良い」
腹いせに訂正案を考え出す。その時間と知恵を自分の作品につぎ込めなんて言葉は知らんぷりだ。
「俺は負けてない。負けてないんだ……っ!」
負けてないのでそいつの他作品を調べる。
「な、こ、こいつ……っ! 書籍化までしてやがるのか!!」
俺の小説はする気配もないのに……っ! 悔しい……!! 嫌だ、負けを認めるのは嫌だぁぁ!!
「……アンチだ」
俺は狂った。それはそれはもう狂った。
「俺はこいつのアンチになってやる!!!!!」
この日、1人のアンチが生まれたのだった。
「まずはこいつの小説、片っ端から読んでやる!!!!!」
「あの日の屈辱は忘れてねえ。覚悟してろよぉ?」
昼になり、奴の宣言通り最新話が投稿された。在宅勤務で時間のある俺は早速リンクを開き、目的のページへ跳ぶ。スマホの画面に文字が並んだのを一字一文一行読み込み、下へ下へとスクロール。
数分後。読了し一息付く。
「カーッ、やっぱ気に入らねぇぜ」
いつものように、そう吐き捨てる。ここからは俺のアンチタイムだ。SNSアプリを開き感想を呟く。
俺はアカウントを2つ持っている。1つは自身の小説の宣伝や日常を呟く表のアカウント。もう1つが――――――ヨリキリミドリ作品へのアンチ用アカウントだ。
「早速呟いてやるぜケケケ」
アンチなら感想欄やレビューに凸するものだと思われるだろう。しかしそんな事をしたら奴の思う壺。きっと「アンチに荒らされた~」と泣きつくことで同情を誘い、結果アンチ側の株が下げられるに違いない。
だから俺はこうして匿名アカウントで感想を呟く。これなら奴が「アンチが批判してる~」と泣いても「それならブロックして見なければよいのでは?」と反論出来るからだ。しかもSNS故にアンチ同志との結束もしやすい。ふふふ、あまりの策士っぷりに自分が恐ろしいぜ。
さてさて、呟くとするかねぇ。見てやがれヨリキリミドリめ!
『ドワーフに転生したけど変な武器しか作れない』65話。13話で作ったドラゴンキラー竹槍を落とし穴の罠として再登場させるのは簡単に予想が出来たが、洞窟に眠るドラゴンを焼き魚の匂いで誘き寄せるのは個人的には今一歩であった。
このドラゴンは山に存在する食材を片っ端から食い尽くしている、しかし山育ちのため海に詳しくない、だから未知である魚の匂いに釣られるだろうという作戦自体には一理ある。だが山には川が流れているはずであり、ならば魚も生息しているはずなのだ。
なのでここは7話で街の散歩をしていた際に描写されていた焼き鳥の屋台からヒントを得た等の理由で「焼き魚に醤油を掛けた匂い」とすれば、醤油という未知の匂いだからドラゴンが誘き寄せられたと理由が強くなったと思う。
次回はおそらく61話で描写された「ドラゴンの血には活性化能力がある」が活かされる気がしている。落とし穴に引っ掛かったから勝利とする作品ではないのは20話で「犯人は二人組で名前に数字があるとのヒントで双子であるワンダとツーカかと思いきや、実は4話にて分身能力を見せていたスリープ」だったことからも明らか。
「ふぅ、こんなところか」
完璧だろう。ただただ駄目出しするだけでは「嫉妬乙」と切り捨てられてしまう、だから良い点と改善点も付ける。暴言なんて以ての外だからな。尤も、そんな事したら信者から凸られて凍結するだろうが。
さりげに「俺の予想を越えてくれるんだよなぁ?」とプレッシャーを与えるのも忘れない。前の話のネタバレをしているのも「ちゃんと読み込んだ上で批判してますが?」というアピールだ。
どうだヨリキリミドリよ……? エゴサしているかは知らんが、もししたのならこの鋭い批判でズタズタに切り裂かれる羽目になるぜぇ。
「ククク、こっちの反応はいいんだな。俺の小説と違って……ぐすん」
俺の感想に同意してくれた同志達がハートマークを付けたり拡散ボタンを押してくれる。ハハハざまぁみろ、お前のアンチはこんなにいるんだぞぉ?
「アンチがいっぱいじゃないかブヘヘヘ……アンチ、だよな?」
にしては……こいつらヨリキリミドリの作品をアイコンにしたりプロフィールに「ヨリキリミドリファンです」とか書いているのだが。こいつらアンチか?
ハッ!! まさか――――――監視!?
「危ない危ない。油断ならねぇぜ」
きっと奴らは拡散ボタンでヨリキリミドリに報告してやがるんだ……! こんな不届き者がいやがるぞって……!
ハートマークは「てめぇみてぇなアンチ逃がさねぇから覚悟しろ」の合図なんだ……! 魚拓代わりなんだ……っ!
だが――――――ここで感想を取り下げたり、こいつらをブロックでもしようものなら尚更イカン。奴らは「アンチがビビってる~」と調子に乗るだろう。ならばどうするか。
「……ネット掲示板でも覗くか」
見なかったことにする。アンチにだってスルーする判断は大事なのだ。負けてねぇから。
「えー『よりきりみどり アンチ』っと」
その単語でネット検索すれば、画面に出てくる『ヨリキリミドリアンチスレ』へのリンク。当然っちゃ当然だな。
が、その下にある検索結果には首を傾げた。
「……なんだこの『この小説のアンチさん、ただのガチファンな件www』って」
まとめサイト記事だ。どうせ記事の中身は変なコメントを拾って対立を煽りアクセス数を稼ぐだけの物だろう、無視だ無視。
「まずはこっちだこっち。今日はアンチスレで盛り上がるぞぉ!」
悔しいが奴のファンは多い。だから『ヨリキリミドリ作品ファンスレ』とか、ファン用の掲示板はいくつかある。
しかしそれは同時にアンチも存在するという事。故に存在する『ヨリキリミドリアンチスレ』を俺は覗くのだ。
アンチならファンスレにも凸るんだろって? そんなことするのは空気も読めない馬鹿か荒らし。アンチはアンチ用のスレがあるんだからそっちで語るんだよ住み分けも出来ん奴は一生ROMってろ。ヌーディストビーチに甲冑姿で来るのかテメェは?
「どれどれ……やっぱり最新話で話題は持ちきりだな」
アンチスレは今やパート7。奴を気に入らない者は俺以外にもいるってわけだ。
しかしなにやら話の流れがおかしい。
430 名前:名無しです
あいつ来んのかな
431 名前:名無しです
……来るっ!(第六感)
「あいつ? 誰だ……6話にしか出てないギョージか?」
作中唯一の半魚人キャラなのに再登場しないから気になっているキャラだ。でもギョージが登場する気配はなさそうだったぞ。
「まぁいいか。さて俺もやるか」
俺はスマホを駆使し感想を書き込んだ。
437 名前:名無しです
今回の話はまぁまぁだったな73点。13話でドワが作ったドラゴンキラー竹槍を落とし穴に仕掛けるのはここの皆も簡単に想像できた展開だろうが、それを考案したのがヒューマだったのは悔しいが「やるじゃん」てなったわ。まぁ52話の時点で内心ドワを認めていたし60話でもドワに「なんか武器あんだろ?」と期待していたくらいだから賛同くらいはするだろうと思っていたんだが。でもやっぱ焼き魚のシーンは醤油付きにして欲しかったわ。せっかく7話で「焼き鳥と醤油の香ばしい匂い」って描写があったんだし、これなら山に引きこもってるドラゴンが釣られて出てくる説得力が増すだろ。そんでドラゴンが洞窟から出てきた所で終わったけど、俺は落とし穴自体には引っ掛かるけどトドメにはならずドラゴンが本気で襲ってくるけどここで59話で語られたドラゴンの血の活性化能力の伏線を回収すると睨んでるんだがどうよ?無いとは信じてるけどそのままトドメだったらめちゃくそに叩くけどな笑
まずはこんなもんだろ。普段なら感想を書き込んだら掲示板からは離れて奴の小説に誤字脱字がないか調べるのだが、今日は皆と語り合いたい気分なのだ。
さてさて反応は~?
440 名前:名無しです
でたわね
441 名前:名無しです
ほら来たよ
442 名前:名無しです
噂をすればファン
443 名前:名無しです
はいはいファンファンウィーヒッダステーステー
「なんだこいつら」
俺が何だってんだよ。
450 名前:名無しです
>簡単に想像できた展開
一気見勢ワイ、竹槍とか言われて思い出したレベル
451 名前:名無しです
焼き魚には醤油派か?俺もソーナノ
452 名前:名無しです
こいつの何が面白いって信者からも「あいつには敵わん」「作者より原作知識持ってそう」「ドワ転の真面目な二次創作書いてそう」「むしろ書けよ」言われてるのに信者スレには出没してない
453 名前:名無しです
こいつよりガチな信者0人説
は? なんか信者と比べられてるんだが? 俺はアンチなんだが?
462 名前:名無しです
なんか勘違いされてるけど俺ヨリキリミドリのアンチだからな?今でも『異世界に行った幼馴染みが帰ってきたけど勇者と魔王も連れてきてヤベェ件』のラストとか納得してないし。ユウの事が好きだって告白したんだからフミちゃんも連れてけよ。危険だからって置いてったけど現代に召喚されたモンスターと何度も遭遇して覚悟決まってただろ。それをサナは見てたはずなのに憶えてないみたくなっちゃってたし。フミちゃんは事情を知ってて異世界物に詳しい頭脳役なんだから連れてけば続編作れたよあれは。
ほらアンチでしょ? ここまで叩いてんだから。
470 名前:名無しです
あの100話近い拷問を読みきったのか……(恐怖)
471 名前:名無しです
信者も1話でリタイア続出のアレを!?
472 名前:名無しです
作者自身が見返せない黒歴史認定したアレを!?
473 名前:名無しです
お前あれを見たんか!?(洒落怖によく出るジジイ)
474 名前:名無しです
お前精神状態おかしいよ……
475 名前:名無しです
ヨリキリミドリさんのお母様ですか?
476 名前:名無しです
こいつ批判自体は同意する点ばかりなのに根本から相容れない感がマジで怖い
なんで俺がボロクソ言われてんだよ。
480 名前:名無しです
いや別に『異世界に行った幼馴染みが帰ってきたけど勇者と魔王も連れてきてヤベェ件』を神作とか名作とか言ってないだろ。俺だってクソだと認定してるんだが?そもそも誤字脱字は多いし話も設定も矛盾しまくるし一人称と三人称ごちゃ混ぜで分かり辛いし文の最後は「~だった」「~だ」ばっかだし、30話はエイプリルフールだからってフミちゃんが四天王の1人から狙われている話の流れ無視してギャグ回やったもんだからスベってたし、69話とかウケ狙いでセクシーシーン入れたっぽいけどテンポ悪いしなんでナイスバディなフミちゃんじゃなくてつるぺったんのサナなんだよ本当にクソだったわ。ほらこんなにクソな部分語ってるだろ。ただ完結してるなら最後まで読まずにクソ認定するのはアンチとして道理が通らないからだよ。
ほれご希望の批判感想だよ。これでアンチと認めるだろ。
483 名前:名無しです
だからそこまで読めた奴がいないつってんだろ
484 名前:名無しです
誤字脱字多いとか秒でブラウザバックするわ俺
485 名前:名無しです
一人称と三人称ごっちゃの時点でクソ認定しろ定期
486 名前:名無しです
へーあのクソにそんな話あるんだーためになったなー
487 名前:名無しです
こうしてまた1つ、新たなトリビアが生まれた……
488 名前:名無しです
アンチ兄貴フミちゃんってキャラが推しなんすね
こ、こいつら……! なんでヨリキリミドリじゃなくて俺を馬鹿にしてんだよ……! 悪いか巨乳眼鏡文学少女キャラ好きなんだよ!
494 名前:ヨリキリミドリは糞
こいつくそけつも褒めてそう。6話の幼女が主人公に色仕掛けするとこで切ったわあんな糞のどこがいいんだよ
おっ、こいつコテハンからして良い度胸してんじゃねえか。俺は当然『くそけつ』の話も守備範囲内だからな。
497 名前:名無しです
『約束を破られたので交渉決裂しました~国ごと滅ぼしますけど今さら泣きつかれてももう遅いですぅ~』だろ?まぁ『くそけつ』と略されても仕方ない出来だよあれは。ざまぁブームに便乗しただけ感あったしな。ただ訂正させてもらうけどリーバは幼女じゃなくてロリババァだし5話だからな。確かに描写はキモかったけど14話で「今まで体を売って生きてきたからそれ以外で命乞いする方法を知らなかった」って理由付けはしてたよ一応。まあ理由考えただけあってかリーバの扱いはマシな方だぞ。ラギルとかザマァ展開したいからって20話で他国から借金しまくるとか王族どころか人間としてアホだし、追い出したヤックが回復能力持ってるのを知ってるはずなのに7話で「あいつは重症で死んでるだろ」って見逃してたりしたからな。ただの馬鹿キャラにし過ぎだわもっと賢くした方がザマァ感が強まっただろ。クソな部分なら俺は13話で昔リーバを買ってた男が出たのにそれ以降出番無くてリーバのトラウマ解消イベントにならなかったのが特にクソだと思ったわ。あれ絶対男の存在忘れてただろ名前無いくらいだし。他にはどこがクソだったか語るか?
さぁ、語ろうぜ? 『くそけつ』のクソっぷりをよぉ?
500 名前:ヨリキリミドリは糞
は?
いや「は?」じゃないが。答えろよ。
501 名前:名無しです
草
502 名前:名無しです
アンチを唖然とさせたアンチ
503 名前:名無しです
このコテハン調べたら信者スレで暴れてて草
504 名前:名無しです
つよい
505 名前:名無しです
見に行ったけどマジで暴れてた奴じゃねぇか信者スレでの根性出せや
506 名前:名無しです
信者も手に負えない荒らしを論破したアンチがいると聞いて
ほらみろオーディエンスも呆れてやがる。
507 名前:ヨリキリミドリは糞
いやゴミはゴミとしか言えんだろ
はーしょうもな。ニワカかよこいつ。
510 名前:名無しです
その程度の語彙力でアンチとかアンチの評判下がるからやめてくんない?俺は読み込んだ上でどこがどうクソだったかを語って周知させたいわけなの。半端な知識で語られちゃ信者共に「あーあーニワカの意見は聞こえなーい」されるから迷惑なんだよ。『まるほん』でマルが可愛い魔物を見るたびに毎回「わたがし」と例えてるけど、お前はその回数を数えたことあるか?全40話中62回だよ1話につき1回以上のペースだぞ。正確には17話で多種多量の魔物が出た時に1匹1匹「これはピンク色のわたがし~」とか色で例えてたからそこで大量カウントしたからなんだが結果17話中で11回も言ってやがったからな。俺は調べた上で「こいつ例え同じのばっかじゃん」と批判してるわけ。この程度も分からないんじゃアンチ名乗るとか恥よ?
『まるほん』はヨリキリミドリ小説の1つ『まるもこかわいい魔物とのほほん』の略称である。題名の通り、丸くてもこもこした魔物とのふれあいをテーマにしたVRゲーム物の小説だ。
ヨリキリミドリにしては珍しい女主人公なのだが、ぶっちゃけ女の皮を被った男だった。女キャラなら「まるで男のアレのような棍棒だった」なんて例えをさせるな阿呆が。VR物が流行ってたからって安易に書くな。
まあいい、んで向こうの反応は?
511 名前:ヨリキリミドリは糞
キモ
はー雑魚。負けそうになった小学生レベルの罵倒って。
513 名前:名無しです
完 全 勝 利
514 名前:名無しです
荒らしくんさぁ……散々荒らしてきたスレの住民と同じ反応、悔しくないの?
515 名前:名無しです
あの小説ワンパだとは思ってたけどそんなだったんか
516 名前:名無しです
ヨリキリミドリはこれを小説化しろ
がっかりだよ。同志だと思った俺が馬鹿だった。
520 名前:名無しです
誰か語り合える奴いないの?どの作品でもいいからさ、ヨリキリミドリ作品は完璧じゃないって証明しようぜ。書籍化した『ねこたん』だってWEB版で指摘されてた「主人公は元人間なのに他人への対応が悪い」点があまり改善されてなかったしな。しかも初版は3箇所もミスがある始末。20ページ2行目の「路地裏へ向かっ『た』歩いた」、57ページ4行目「ケミー」が「ミケー」になっている、102ページ挿し絵にその場にいないはずのケミーがいる、この3つな。流石に報告したわ、2版から直ってたけど気を抜きすぎだろ。
俺がアンチになった切っ掛けである「先を越された書籍化小説」こそ『ねこたん』こと『にゃんこ異世界紀行譚』である。猫に転生した主人公タマオが異世界を旅する笑いあり涙ありの小説だ。
ムカつくが書籍化しただけのことはある面白さで、まあまあの実力があるじゃえねかと俺が認めざるを得なかった作品である。3巻で打ち切られたショックか原作も唐突に冒険は続くエンドになってしまったから悲しいねぇ。
もっと批判してやりたかったから思わず出版社に抗議メールを送ってやったらヨリキリミドリから「応援してくださってありがとうございました」と返事の手紙が来た。アンチなんだが? 悔しいので神棚に飾って反骨精神の糧としてやったがな。
それはいいんだよ。ほら、お前ら誰か俺と語ってくれよ。
522 名前:名無しです
対等に話せる奴いねぇだろこんなん
523 名前:名無しです
最強になった者の孤独、か
524 名前:名無しです
(攻撃吸収&増幅&反射してくる相手とか戦いたく)ないです
525 名前:名無しです
絶対論破覇者やめろ
526 名前:名無しです
初版買ってミス報告した上で2版目も購入するアンチを誰もおかしいと認識しなくなってる……
527 名前:名無しです
こいつをアンチ扱いはヨリキリミドリに失礼
なんやねんこいつら。なんで誰もヨリキリミドリじゃなくて俺の話をしてるんだよ。だったらせめてその熱量を俺の作品にくれよ。
ああ畜生め、もうこんなスレ見てらんねぇよヴァァァカ。俺はブラウザバックした。
検索結果がズラリと並ぶ画面で思い出す。
「……そういやさっきのまとめサイト、まさか――――――」
スレの連中は俺をアンチ扱いしていなかった。その嫌な予感がビンビンだ。
ごくりと唾を飲み込み、例の『この小説のアンチさん、ただのガチファンな件www』をタップした。
1:ななしんマン
これがアンチスレでの感想
187 名前:名無しです
今回のゴブ転ムカつくわー81点。名前に数字といえばスリープとかいたなーとは思っていたけどそうじゃんあいつ分身してドヤってたじゃん気付くべきだった。そこは認めるわ。ただミスリードさせるのが下手だったな。ワンダとツーカを疑わせるためにクソガキムーブさせてたんだろうけど、あまりにクソガキ過ぎて皆から警戒されてる描写が12話からあったせいで「こいつらが犯人だと工房に入れてもらえるはずないから違う」って読者にはバレバレだったんだよね。だから『ドワ達にだけクソガキで、疑われた時にクソガキな正体をバラして「こいつらなんか俺達が入れるわけない」でざまぁ&クソガキ反省』にした方が面白くなってたよ。そういうところヨリキリミドリは詰めが甘いよなぁ。
「――――――ぁ」
かつて俺がスレに書き込んだ感想だった。
2:ななしんマン
ツ ン デ レ
3:ななしんマン
高得点で草
4:ななしんマン
信者定期
5:ななしんマン
信者ならダメ出ししないんだよなぁ。これはその上……オカンかな?
6:ななしんマン
こいつをヨリキリミドリの担当編集にしてやれ
7:ななしんマン
ヨリキリミドリが炎上してもこいつが鎮火してくれそう
8:ななしんマン
これがファンじゃないならこの世にヨリキリミドリのファンはおらん
スレとほぼ変わらん反応だった。
「何故だ……何故なんだ……!?」
俺は……ッ! 俺はアンチなんだぞッッッ! まるでヨリキリミドリのファンみてぇな扱いしやがって……ッッッ!!
「くぅぅぅぅ!!!」
SNSを起動すれば、感想ツイートへの反響は100を越えていた。いくつものヨリキリミドリ作品アイコンがハートと共に拡散している。
俺はキレた。
「ぁぁあああああ!?!?!? 俺はアンチだぁぁぁ!! アンチなんだぁぁぁぁ!!!! ああああああああ!!!!!! あんちうんちぃぃぃぃぃぃ!!!!!!」
発狂した俺は――――――とりあえずドワ転を最初から読むことにした。
「見てろォォォヨリキリミドリめェェェ!! この屈辱――――――必ず晴らしてやるからなぁ……ッ!!!!」
そう、決意を新たにしたのだった。
「……改めて読むとやっぱギョージ再登場するかもしれんな」
するかもしれん。
数日後。
「ギョージ再登場した……」
俺はアンチ道を登り始めたばかりだ――――――
ヨリキリミドリ小説の時系列としては
異世界に行った幼馴染み~
↓
くそけつ
↓
まるほん
↓
ねこたん
↓
あなた達なんてクソくらえですわ!
↓
ドワ転
合間合間で他の小説や短編も書いている感じです。
ねこたん辺りから上達し出したとガチアンチ兄貴が言ってました。