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夢中になっていて忘れていたが、そういえば世の中はどんなことになっているのだろうか。テレビをつけてみよう。



ーーーーーーーーーー


ニュースキャスター

「世界はまさに、混乱の渦の中です!みてください。あれはなんでしょうか?ゲームではよく見かける、そう、ゴブリンです!ゴブリンがこっちに向かって来ています。警官が今、ピストルを手に持ちました!


あちらこちらで発砲音が聞こえます。現在、世界中で通信が混み合っており、正確な情報がつかめていません。誰かの陰謀なのか、それとも本当に神様の仕業なのか。我々はこれからも調査を続けていき」




いいところで勝手に途切れてしまった。

まあとにかく、大変な混乱状況になっていることは間違いない。


あと、さっきの映像に写り込んでいた空飛ぶ化け物。あれに今襲われたら抵抗も出来ずに瞬殺されるだろう。よくあんな中で撮影しているものだ。


世界はとっくに変わりはてたということにまだ気がついていないのだろうか。お金や仕事なんて、もはや意味も無いのに。





さて、私もそろそろ外に出ないとまずい。

理由その1。食料の確保

理由その2。早く精霊を探す必要がある。自分自身は弱いので、精霊が頼りなのだ。

理由その3。きっと、ゲームでいうところの序盤だからこそ、強い魔物はまだ少ない。時間が経てばもっと強い魔物で溢れかえると予想している。だから早めに出るのが得策なのだ。



で、ここでそろそろ、お爺さんからもらった追加のボーナスを使おうと思う。追加で1つ、スキルを得ることができるというものだ。


選べるスキル一覧がすごく強かったので、どれにしようか迷っていたのだが、今決めた。やはり【アイテムボックス】だろう。


食料の確保と保存、これは必須条件だ。本当は、精霊がさらに強くるようなスキルや、戦闘に特化できるようなスキルもあったのだが、それらは時間さえあれば得ることができるものだ。


【アイテムボックス】は必要不可欠になる。これから先のことを考えるならば。


【アイテムボックス】の収納量は、小さな体育館一杯くらい。これは、レベルを上げればさらに大きくなる。


生物は入れることが出来ない。

時間を止めて保存するものと、時間を経過させるもの、を分けて収納できる。



どこから見てもチートの能力である。

まあでも、そこまで特有というわけではない。たしか、【アイテムボックス】を獲得できるようになるジョブもいくつかあったし、私と同じボーナスをもらっている人も多いはずだ。



そんなわけで、とりあえず【マップ】を見ながら食料集め、そして精霊探しを開始することにした。



まあ正直、これなら断然グーグ○マップの方が使いやすいが、スマホが使えなくなる未来などすぐそこだ。【マップ】になれておいた方がいいだろう。



人はほとんどいない。みんな家の中にいるようだ。ところどころ血がべっとりとついていたり、死体がたまに落ちているのは、気のせいだということにしておく。


そういうのをみても特に動揺しない自分に対して、やっぱり冷たい人間なんだなぁ、と思ったりした。



でも生きていくためにはこれくらいでちょうどいいのではないかとも思っている。



「ねぇ紅、いつでも攻撃できる準備しておいてね!」


紅「任せとけ。」



何事もなく、コンビニまでたどり着いた。ゴブリンやスケルトンなどの弱い魔物は何体か見かけたが、物陰に隠れてやり過ごした。倒すことも出来ただろうが、それはしなかった。騒ぎを聞きつけて強い魔物が来たりしたら困るからだ。




コンビニの中は多少荒れていたが、予想ほどひどくはなかった。片っ端から食料や薬、生活に役立ちそうなものは全部アイテムボックスにしまう。野菜などは保存用の方へ。

包帯などは時間が経過しても大丈夫な方へ収納。


30分ほどで、全て収納し、コンビニはほぼ空っぽになった。


紅「おい、アヤ。ドロボーじゃん!」


冗談めいた口調で紅が言った。


「ふふ、誰が取り締まるのよ。」


紅「だな。もう世界に法律はない。」


「そういえば、いままではほかの世界にいたんでしょ?やけに人間について詳しくない?」


紅「あー、ここに来る前に人間のことは多少習ったからな。」


きっと精霊たちにも学校のような場所があるのだろう。勝手にそう考えることにした。


コンビニを出ようとしたその時、ゴブリンが三匹こちらに迫って来ていた。


「紅!よろしく。」


紅「おうよ。今度はファイヤーウィンドだ。」


いままでの技とは違い、範囲の広い攻撃だ。

それをくらったゴブリンたちは、即死はしなかったものの、じきに焼け死んだ。



脳内にアナウンスが響く。

「ゴブリンを倒しました。ゴブリンを倒しました。ゴブリンを倒しました。経験値が一定に達しました。ステータス画面を開きます。」


今回もMPに極フリ!と思っていたが、冷静に考えると、そこまで焦ってMPをあげる必要は無い。なので今回は、SPを得ることにした。目的は【マップ】の強化と、【アイテムボックス】の強化である。


アイテムボックスは、もっと容量が欲しい。次にスーパーへ向かうつもりなので。


【マップ】は、もっと高性能になれば、敵の位置とかがぼんやりと分かるようになるらしいので、早めにレベルをあげるべきだと判断した。不意打ちで死ぬのは嫌だからね。



そして割り振りを済ませ、現在のステータスはこんな感じ。



●種族 人間

●個体名 アヤ

●ジョブ 【情報管理者】

●レベル 1

●ステータス

HP 10

攻撃10

防御10

スピード10

MP9/24

SP0

JP10

●固有スキル

【早熟】、【MP自動回復(固有)】(レベル無し)

●スキル

【観察】(レベル3)、【言語理解】(レベル3) 、【マップ】(レベル3)、【アイテムボックス】(レベル3)

●魔法

なし



【MP自動回復(固有)】のおかげで、MPが先程と比べて2増えている。

「紅、ありがとね。食べ物たべていいからね!」


紅「よっしゃ!いただくぜ!」



紅はまた一回り大きくなって、今では親指くらいのサイズがある。

契約をしたおかげで、紅のことはくっきりと見える。サイズを無視すれば、すっごくイケメンだと思った。まあ今はどうでもいいことだが。



さて、次はデパートに行こう。あそこにはたしか、スーパーもあったはずだ。



道中、スライムやゴブリンを適当に倒しながら、デパートにたどり着いた。


スーパーに行くと、そこには五人組のグループがいた。人相が悪い男たちである。


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