Quite room.
こんにちは。寒い季節の始まりですね。
お察しの方もいるかもですがQuiteroom.を
モデルにこの物語りを創り始めました。
まだまだですが楽しんで頂ければなによりです。
では。
また聞こえる。
塞いだ耳の奥の方から。
「見なくていいよ、見せないよ」って。
だから僕は魔法でもかけられたかのように目を瞑り、あけられなくなる。それも自分とは別の者の意志によって。
そうやってこの静かな部屋でまた今日が始まり
また終わっていく毎日が、そう ただ────。
僕は独りだった。父と母と小さい花と小さい部屋に住んでた。
学校なんて行く金はなく、僕も常に家にいる事が多かった。
僕にとっては日常茶飯事の事が周りからは奇異に見られたんだ。いつも痣だらけの母は父がどこかへ行くと独り泣いていた。
ただ静かな部屋に、歯ぎしりだけが僕の鼓膜に届いて。
父はいつも酒を飲んでいた。いつしか部屋から出なくなった。
仕事を辞めさせられたんだろう。そんなの直感だったけれども。家にいる滞在時間が増え まるで算数の比例の手本かのように
母の痣も増えていった。
髪も乱れて、整っていた顔はもう萎れて原形なんてなくなっていた。
ある日母早朝に出かけていった。本当に、珍しく。
夜が来ても母は帰っては来なかった。
僕は待ちくたびれていた。会話が減ったとはいえ母がいない生活がこれから来るなんて考えたくもなかった。
月夜が顔を照らし、夜風が頬を撫でる。
玄関の扉が開く音、母が帰ってきたような気がした。
母の元へ行こうとしたけれど、何か怖かったんだ。
足音が近づき、部屋の前を通過してもう一つ奥の部屋の扉の前で
母の足音は止まる。
一瞬扉の隙間から僕の瞳に月の反射光が映った気がした。
音もなく扉は開いた、のだろう。
母はすり足で眠る父へ近づいた。
一瞬、静かになった世界と月だけが照らす世界。
夜風に吹かれた木々は何かを示すように音を立てる。
その音の次に鼓膜に響いたのはのはまるで大きな葡萄が
潰される音。
同時に父が「ハッ…クハ…」と声をあげた。
部屋の床に真っ赤な何かが広がり、父は口だけほんの少し
動かしたあと、動かなくなった。
母は床の色と同じ色に染まり、頬を釣り上げていた。
僕は見てはならなかったと悟った。
見たことが母が知ったなら
父と同じ色に染まると、それ以外に何があるんだと。
僕は固く目を閉じた。
耳に手のひらを押し付けた。
何も見たくない 聞きたくないから。
その時押し付けた耳の奥から聞こえた高い声。
「君の変…りに見…あ…る。」
「だ…ら、僕の変…りに…言葉…を───」
その後、プツンと意識は途切れた。
実際家族からあまり愛されなかった私は
少しこんな主人公羨みました。
読んでくれる方がいれば次回も
書きたいと思っています(*^^*)
それでは。




