パワーストーンや石の薀蓄から開運詐欺逮捕の件を考えてみる
今朝、「す・またん!」を見て思ったこと。
今朝、情報ニュース番組、「す・またん!」で、「開運詐欺で逮捕」という事件を報じていました。
要は、雑誌の後ろの方によくある広告に載っているあれです。ネックレスとか、数珠みたいになってるのとか。
「珍しいこともあるもんだなぁ」と思いながら、そのあとに始まったタップダンスの特集をぼーと見て……。
これについて薀蓄を交えた話をひとつ。
さてそもそも、石が不思議なパワーを持つなんて戯れ言は、古代エジプトの頃からあります(放射能を不思議なパワーと言うなら戯れ言では済みませんが)。
ミイラを包む布として使われていたクロシドライトは石綿です。火鼠の皮衣ではないかとしても有名ですね。クリソタイルの石綿もありますが。
顔料(エジプシャンブルー。目の周りを真っ黒に塗りたくっているあれ)には、邪眼から身を守る魔除けの力があると信じられていました。これは主に、孔雀石などが使われています。
シュメール人は日焼け止めとして使っていたみたいですけど。
古代中国などで広く使用されていた辰砂(銀朱。シナバー。ヴァーミリオン)は、染料は勿論、消炎や鎮静薬としての効果があるので、薬品としても用いられましたし、またその色目からか竜血と呼ばれた歴史もありますので(竜血と呼ばれた物質は他にもある)、不老不死の薬として服用したり、錬金術などにも用いられたそうです。辰砂の毒性は低いそうですけど、流石に飲んだりしたら水銀中毒になるでしょう。
孔雀石や辰砂は、今でも化粧品などで使用されています。
また日本にも、その神話を紐解けば天岩戸の伝説がありますし、神道の磐座があります。勾玉なんて三種の神器です。
ともかく、古の頃から世界中の人々は石に不思議な力があると信じていたのです。詐欺の根本も、そこにあるのでしょう。
さて、では現在に至っても、そんな迷信が世に広くあるのかと……ここからは、完全に私の憶測なので、間違っていたらすみません。
石と言っても、実態は様々です。
よく忘れがちになりますが、ダイヤモンドやサファイアなどの宝石類も紛うことなく石です。広義においては墓石と同じです。
ですが、墓石によく用いる御影石をパワーストーン扱いしている人たちを見たことがありません。
けれど実は、御影石にも捏ね繰り回せば、パワーストーンとしての意味をもたせられそうなありがたい逸話があります。
そもそも、御影石の語源は神戸の六甲にあって、その麓が御影と呼ばれているからなのですが、この名称はある伝説に由来しています。
かいつまんで説明すると
神功皇后が三韓征伐の帰りに、休憩しようと澤之井という泉に姿をお映しになられました。そのとき、親戚の兄ちゃんである忍熊王が暴れ出したので、熊野大神にお祈りしたらボコボコにできたよ。
ってことです。
重要なのは「澤之井という泉に姿をお映しになられました」という件。
これが御影の由来です。
より詳しく知りたい方は「神功皇后」や「弓弦羽神社」で検索して下さい。
弓弦羽神社のサイトか何かしら解説しているブログがヒットします。
と、こんな「よくわからないけどすごそう(粉みかん)」な逸話が名の由来である御影石なら、墓石どころかちょーすげーパワーストーンとして持て囃されても良いはず。
にも関わらず、そこら辺の電波なスピリチュアル系の本やサイトでは、んなこと書かれているのを見たことがありません。あるなら教えて欲しい。
けどまぁ、墓石として使われているなら、仏教的には何かしらの意味合いがあってのことかもしれませんが、私はそんな話知りません。
さて、これは何故なのか。詐欺師は御影石をパワーストーンと称して売り捌いてもよいはず。
この答えは、割りと簡単に解ります。見かけです。
今までの人生で墓石をご覧になったことがない方はいらっしゃらないと思いますが、あれは地味であまり綺麗ではありません。
ダイヤみたいにピカピカしてませんし。
なら、ダイヤモンドみたいにピカピカしていれば、パワーストーンとして持て囃されるのか?と言えば、これも違うでしょう。
ダイヤモンドにもパワーストーン的な意味を付随させている人はいますが、それはあまり知られていません。パワーストーンを紹介しているサイトでも、ダイヤモンドにパワーストーンとしての効能があると謳っているところは、とても珍しい。
何故なのか。
これも、すぐに答えは解ります。そんなことしなくても、ダイヤモンドはその輝きだけで価値があるので、余計な付帯価値がなくとも商売になるからです。
これはサファイアなどに関しても同様でしょう。
要するに、現在に至ってもパワーストーンとして広く謳われている鉱物の多くは、輝きは中途半端であり、工業的な意味でもあまり役に立たない石であることが解ります。
石綿をパワーストーンと崇めている人は知りません。
水晶のような一部の例外もありますけどね。
では、何故そんなことをするのか?
誰がそんなことを始めたのか?
石屋でしょう、十中八九。
そうやって、箸にも棒にもかからない、微妙に綺麗だけど役に立ちそうにはない石に価値を付帯させ売ることで、お飯事の一環にしようとの考えでしょう。
無論、そうした石も宝石類として普通に売られていますし、加工費やら人経費やらのことを考えると、多くの店では妥当な値段で売られているでしょう。
店によっては「ちょっと高ぇーよ」と思うこともありますが。
詐欺師は、これに注目したわけですな。
「そんな謳い文句を付けて売るのが違法ちゃうんやったら、わしらもやりましょ。
値段設定は売る側の自由。買うかどうかは消費者の判断次第や。
違法? 詐欺? 何を根拠にそないないちゃもん付けはるんや。
実際、そないして他の店も売っとるやんか。
違法やゆうなら、根拠を示しぃや。
違法になる値段設定の境は、どこにあるのでしょうか?
何? ご利益なんてない? パワーストーンなんて嘘?
か、かかか科学的根拠? 実証? 再現性?
やったら、神社はどないすんの?
その理屈やと、おみくじやおまもりだって違法やないですか」
こう言われたら、警察としても面倒臭い。
法律的に「ここまでは適正価格!」と決めるわけにもいきません。
相場なんて変動するもんですし(そう大きく変わるものでもないと思いますが)、第一、司法がそんなことまで口出ししたり考えてたら、仕事は増えるわ文句も増えるわ、民業圧迫だのと、散々なことになるでしょう。
普通、適法と思われる値段設定なんて、「大人やったら考えたらわかるやろボケ!!」と、民草は自由にツッコめますが、司法はそう簡単にはいきません。
ふと、「狼と香辛料」の黄鉄鉱の話を思い出しました。
今でも海外に行くと、ロマかジプシーのおばちゃんが黄鉄鉱を取り出して「金だ!」と言って押し売りしてくるので、お金払っちゃいけませんよ。
千原せいじさんがアフリカを周る旅行(?)番組では、「ダイヤモンド!」と称して、透明度の低い小さな石英の一種みたいなものを売ろうとする現地のおっちゃんがいましたね。
とまぁそんな風に、今の今まで「もはや詐欺として社会常識となっていた雑誌の後ろの方の広告にあるあれ」が逮捕・起訴されたなんて話を耳にしないのは、これが理由なのかなぁと、ぼんやり考えていました。
では何故、今になって警察が動いたのか?
「す・またん!」では「消費者庁に通報が多数寄せられていた」とも報じられていた気もしましたから、その関係ですかね?
実際のところは分かんないれふ(^q^)
(短いニュースだったので、ぶっちゃけあまりよく覚えてないです。
消費者庁に苦情がきてるって話は前から知ってましたし、どこかで情報を混同している可能性もあります。)
そう言えば子供の頃、母が「水晶やで J( 'ー`)し」と、ルクレーンだかなんだかという名前もうろ覚えの化粧品だか医薬品の会社で売られていたという、直径10cm大の透明で丸い球体を買ったのを思い出しました。
瞑想がエネルギーが云々という謳い文句とのことで、触ってみたのですが、これが意外や実際にちょっと熱を感じる。これに「えー! なんでやろ? 不思議やなぁ」と、まだ無垢で可愛らしさ溢れていた少年だった私は感嘆したのです。
よく考えると、あれ球体なので、光を集めたためにちょっと温かかったんですよね。
興味深く、しげしげと眺めながら長々と手を当てていました。そりゃ熱持つよ。
「お父さんに喋ったらあかんよ J( 'ー`)し」とも言ってましたかね……。
水晶であのサイズ・透明度だと3,000~5,000円くらいになるかな。
当時の記憶なのでうろ覚えですが、大体それくらいの値段で買ったって話なので、それなら値段的に妥当かな?
けど、もう十年以上も前の話なので、さてあの当時は人工でどれくらいの値段だろう……?
うーん、下手したらガラス玉まである。
最後になりますが、実は私、パワーストーンの効能は信じているところがあります。特に、健康面においては。
プラシーボ効果ってのがあるので。日本人とアメリカ人は他の国の人と比べて、プラシーボ効果が発生しやすい傾向にあるとか。
金運や恋愛運などなどは知りませんけど。
まぁ、綺麗になると念じ続ければ、多少は綺麗にはなるかもしれません。
後書きに書くことがない。あったら本文に書いてる。
でも何かか書かないともったいない気がする。
だから宣伝するお
3/12(土)に、新規小説として
「レウコン・シリオ・マルはもうすぐ捕マル。~~もしくは「悪魔のつもりが俺が」~~
を投稿します。
召喚されたやれやれ系巻き込まれ主人公のコヨーテが、ピーチ系ヒロインのマルに振り回される話に見えて、実際はコヨーテが知恵と奇策と力技を駆使して、敵とマルを翻弄するってな感じの話です。
自分でも書いてて意味が分かりませんが、よくあるのことなので気にしないことにします。
主人公とヒロインは、アメリカ先住民に伝わる神話をモチーフにしています。
もはや原型留めてませんが。
タイトルは、もっと他によさ気なのがあるような気もしたのですが、これが最初に思い付いちゃったのと、そのインパクトの強さから頭から離れなかったせいで、もうこれでいきます。