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転生者の憂鬱  作者: 八緒あいら(nns)
第二章 少女編
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第五十九話「狼」

~前回までのあらすじ~

ランベルトの証言を調べるべく、占い師の通りを調査するエミリア。

しかし、おかしな占い師に捕まってしまい、無理やり手相を見てもらうことに。

「オヌシの運命の相手は……」


 老婆は、勿体ぶったようにそこで言葉を切った。


「……相手は?」


 全く興味が無かったはずなのに、こちらから続きを促してしまうほどに長い時間『溜め』を作られる。

 自然と、次に耳が集中してしまう。


「相手は、まだ生まれておらん」


「……え?」


 まだ生まれてない?

 なにそれ?


 仮にその運命の人とやらが明日生まれたとしても、私と十四歳も離れていることになる。

 そいつが付き合ったり結婚したりできる年齢になったとしたら、私は三十路前だ。

 十代の結婚が当たり前、五十年生きられれば御の字というこの社会の中で、それはあまりにも遅すぎるだろう。


 私は改めて、老婆の店の説明書きに目を移した。


『あなたとの相性が100%のお相手を手相・人相・独自の占星術でピタリと当てます』


 という大きな宣伝文句の下に、ものすごく小さく、


『※運命の相手が同じ時代に生きているとは限りません』


 という注釈が書かれていた。


 ……つまり、相性100%の相手は探せるが、歳の差とかは全く考慮しません。なので十数歳離れている相手になることもよくあります、と。こういうことか。


 素直に、上手い逃げ文句だなと思った。

 こういう商売をしていたら『占いの結果と違うじゃないか!』と苦情を言って来る客も一定数は出てくる。

 それを避けるために、前もってこういう一文を入れて予防線を張っているんだな。


(……って、なに真面目に考察してるんだ)


 早めに会話を切り上げて、聞き込みをしなければ。

 とりあえず、適当に話を合わせて終わる方向へ会話を誘導しよう。


 ……そしてあわよくば、料金をまけてもらおう。


「まだ生まれてない……ですか。さすがに歳の差がありすぎて、運命のヒトだろうと結ばれない気がしますね」


「安心せい。相性が100%というのは、そういった懸念を全て含めてのものじゃ。出会えば必ず結ばれる」


 男性の好みは別に無いが、そんな年下の男と恋仲になるような想像は全くできない。

 そもそも、私が異性を好きになるビジョンが全く思い浮かばない。

 アリシアみたいに頬を赤らめて、キャーキャー言う自分を想像するだけで気分が悪くなる。


「そうですか。それで、その相手はいつ生まれてくるんですか?そのヒトと私が出会う場所とかも分かるんですか?」


「生まれてくるのは五百年後じゃ」


「死んどるわ!」


 自然な会話を心がけていたはずなのに、思わず全力でツッコんでしまった。


 十数年ですら離れすぎているというのに、言うに事欠いて五百年だと?

 私は不老不死じゃないんだぞ!


「どうやって出会うかじゃが……心配せずとも()い。最初に目を開けた時、視界に居る男がまさに運命の相手じゃ」


「いや。まず目を開けられる状態にないと思うんだが」


 その辺の草花に転生している気しかしない。

 もしくは何らかの魔法か術で意思のないアンデッドになっているとか。

 そういう術が存在するなんて、聞いたことないが。


「なに?今を生きる人物の中から理想の相手を探せじゃと?」


「バアさん、もしかして耳遠いのか!?私の声ちゃんと聞こえてるか!?」


「聞こえておるわ!失礼な。ちゃんと探してやるから安心せい」


 聞こえてないことはないが、会話は通じていない。

 大声を出して痛くなったお腹を抑えながら、三度(みたび)老婆に手相を見られる。


 しばし眺めてから、老婆は顔を上げた。


「困ったのぅ。お前さんみたいにベタベタの甘えたがりなくせに弱い部分を見せようとせず強がって意地も気も張りっぱなしのへそ曲がりを受け入れてくれる男が、今の世に居らん……」


「喧嘩売ってんのかアンタ」


 誰が甘えたがりだ。

 私は五才の頃から完全に自立していたぞ。


「……理想の相手とはほど遠いが、数人居らんこともないな。

 金が欲しいなら幼馴染の商人の男。

 強さが欲しいなら砂原で戦った男。

 知識が欲しいなら森の中で出会った男。

 安心が欲しいなら一番近くにいる男。

 ……ま、誰を選んでも結果は同じじゃがな」


 誰のことを言っているのかさっぱり分からん。

 かろうじて分かるのは、一番近くにいる男くらいか。


 たぶん、イワンのことだ。

 もちろん、老婆がイワンのことを知っているはずはない。

 それっぽいことを言うことで、私にイワンを連想させているんだろう。

 占い師がよくやる手法だ。


 私はイワンを恋愛対象として見たことがないし、イワンだってそうだ。

 確かに彼はかっこいいが……小さい頃から一緒に居すぎて、そういう対象としては見れない。

 精神的支柱として、とても大切な存在ではあるが、愛情とは少し違う。

 強いて言うなら家族――弟みたいに思っている。


「同じ……とは?」


「お前さんの持つ()に誰も抗えんからな。いつか身を滅ぼして終わるだけじゃ」


「……どういう意味だ?」


 一瞬、ドキリとした。

 まさか……私が転生者ということを見抜いている?

 転生者が持っているらしい『運命を歪める力』のことを言っているのか?


 訝し気な視線を送ると、老婆はニヤリと嗤った。


「簡単な話じゃよ――誰を選んでも、オヌシの尻に敷かれるだけ、ということじゃ」


「やっぱ喧嘩売ってるだろアンタ」


 ヒャヒャヒャと笑う老婆に、怒る気すら失せて肩を落とす。

 なんで私はこんな老婆の相手をしているんだろう……。


「そういう訳じゃから、ワシは五百年待ってでも運命の相手を待つ事をおススメするぞ」


 なおも五百年後を強調してくる老婆。

 しつけーよこの野郎。


「はぁ……。で、いくらだ?」


「料金はいらん。オヌシを占ったのは単なる興味本位じゃ」


 老婆は、私の目の奥を見透かすように目を細めた。


「どういう訳か、オヌシの()()()()()()()()()()()()。いつもならピタリと当てることができるんじゃが」


「……し、仕事のしすぎで疲れてるってことじゃないのか?養生しろよ」


 幻視術を見破られかけているという事実に焦り、私はそれだけを言い残してその場を急いで離れた。


 ……結局、老婆に時間を取られたせいで全員に聞き込みをすることはできなかった。



 ◆  ◆  ◆



 手早く買い物を済ませて夕食の準備に取り掛かる。

 今日のメニューはハンバーグと鶏肉&卵のサラダだ。


 訓練で疲れているだろうからと、いつもより肉を多めに入れてある。

 やはり肉体的な疲労を取るにはタンパク質をたくさん摂る方がいい。


 ヒトの体は常に壊れ続けている。崩壊を阻止するには新しい体を作り続けなければならない。

 その材料は、口から摂取したものだ。


 疲れすぎて食事もノドを通らない、と言うヒトがたまにいるが、絶対に何か食べたほうがいいと私は思う。

 壊れた肉体を修復できないままにしていると、いずれどこかに無理が生じてしまう。

 骨が弱くなったり、虚弱になってしまったり。

 そうならないように、適切な栄養素をたくさん摂る。


 つまりは、『たくさん食べる』ということ。

 健康であるためには、この一言に尽きる。


 ちなみにメニューは同じだが、私のサラダには鶏肉がなく、代わりに造血作用のあるブロッコリーを入れている。

 明日から始まる出血に備えて本当ならレバーを食べたいところだが、普通の場所に売っていないので断念した。

 火を通せば大丈夫とはいえ、寄生虫やウイルスが潜んでいる可能性のある内臓系は食べられるモノとして認識されていない。

 ヴァンパイア王国は寒冷地方なので件数は少ないが、食あたりで普通に死人が出たりしているし、まあ当然と言えば当然か。


 なんて、いろいろ考えている間に玄関の扉が開いた。


「お帰りなさいませご主……って、あれ?」


 イワンだけかと思いきや、そこにはもう一人、人物がいた。


「ういーす。久しぶり」


 ウトだ。

 彼はイワンに肩を貸しながら、いつもの調子で手を挙げた。


「ただいま」


「おかえり……って、大丈夫なのか?」


 一日ぶりに戻ってきたイワンは、これでもかというくらい濃い疲労を顔に滲ませていた。


「へーきだって。コイツが大袈裟に肩なんか貸すから」


「だったらちゃんと一人で歩けるところを見せてくれよ」


 ウトが肩を離して、ちょん、と私の方にイワンを押した。

 ぐらり、と体が揺らぎ、そのままこちらに倒れてきた。


「ちょ、お、うわ!?」


 なんとか体を支える。

 土っぽさと汗が混じった、なんとも言えない匂いが鼻をくすぐる。


「お前……どんな訓練したらこんなヘロヘロになるんだよ」


 ウトの言う通り、一人では歩けそうにないので今度は私が肩を――貸せるほどの身長が無いので、胴体の辺りを支えてやる。

 うっせぇ泣いてねえよ。


「ご飯にするか?それとも先に体を洗うか?」


「……飯」


「よし……って、なに見てんだよ」


 私たちのやりとりを楽しそうに眺めるウト。


「いやいや。相変わらずだねぇ」


「? まあいいや。イワンを運んでくれてありがとうな」


「いいって。その代わりと言っては何だが」


「……?」


 ウトはすんすんと鼻を鳴らした。


「もしかしてだけど、今日の晩メシはハンバーグなんじゃないか?」


「ああ、そうだけど」


「好物なんだ。一口でいいから食わせてくれ」


「分かった。ちょっと待ってろ」


 私はイワンを座らせてから、自分のハンバーグを半分切って小皿に乗せた。


「先に食ってろ。すぐ戻るから」


 普段は二人同時に食べ始めるが、たとえ数分でも待ち切れそうにない目をしていたので予めそう言っておく。

 例え方は悪いが、エサを前に待ち切れない犬みたいな表情をしていた。


「じゃあ、先にいただきます」


 両手を合わせ、ガツガツと食べ始めるイワン。余程お腹が空いていたんだろう。

 彼の食べっぷりに作った甲斐があったなぁと頬を緩ませながら、玄関で待たせていたウトにハンバーグを差し出した。



「でっかいな。こんなにもいいのか?」


 私のハンバーグはイワンのものより小ぶりなサイズだが、それでも想像していたよりも大きかったようだ。ウトが嬉しそうに声を上げた。


「イワンを運んでもらったんだ。これくらいはどうってことない」


「んじゃ、遠慮なく!」


 ぱくり、と一口でハンバーグを放り込む。

 この年頃らしい、早めの咀嚼(そしゃく)に早めの嚥下(えんげ)

 イワンだったらちゃんと噛めと注意するところだが、あえて何も言わずに置いた。


「……うっま」


「どういたしまして」


「なんだこの味……これが本物のハンバーグなのか?俺が今まで食べてきたハンバーグは全部偽物だったのか……?」


「そこまで言われるようなモンじゃないぞ」


 半眼で彼を見やると、ウトは肩をすくめた。


「それくらいに美味かったってことだ。イワンがうらやましいと今、心の底から思ったぜ」


 たかがハンバーグにそこまで評価をもらえるとは思っていなかったので、素直に嬉しい。

 暇があったらそのうちウト用に何か作って行ってやろうかなぁ。


「そうだ。ちょっとカーミラさんに言伝(ことづて)を頼みたいんだが」


「いいぜ。ちょうど明日、親和派の会合があるからその時に伝えてやるよ」


「実はな……」


 私は昨日からの出来事をかいつまんで話した。

 ランベルトに襲われたこと。

 返り討ちにして、情報を引き出したこと。

 純血派の内情。

 そして、占い師のこと。


「と、いう訳なんだ……って、なんでそんな顔をする?」


 ウトは信じられないモノでも見るような目で、私を見ていた。


「いや……ランベルトって、あの純血派の、ヴァルコラキ・ストリゴイ・ヴリコラカスの専属執事のランベルトのことだよな?」


 他に同名の奴がいるんだろうか。

 しかし職業や役職まで同じってことはないだろう。

 だというのに、ウトは何度も確認を取ってくる。


「お前の実力は知ってるが……さすがに生け捕りにして情報を吐かせるなんて、相当しんどかったんじゃねえか?」


「? いいや、思っていたよりも小物だったぞ」


 ちゃんと戦えるところにさえ行ければ、そんな大した相手じゃなかった。

 まともに戦えば以下略だが、あのガントレットの付いた腕さえ封じてしまえばどうってことはない。


「……マジかよ」


 ウトは苦笑いしながら、髪をかき上げた。


「あいつ、ヴァルコラキの専属になる前は“銀拳の盗賊(シルバー・バンデット)”って二つ名がつくくらいのヤツだったんだぞ?それを小物って……」


「なんだその名前は」


 めっちゃカッコいいじゃないか!

 そういう二つ名を私も付けて欲しかったぞ!


「笑っちまうくらいダセぇ名前だろ?でも二つ名が付くくらいだから、実力は本物なんだよ」


「……ぁ、ぅ……」


 ……口に出さなくて良かった。

 そうだ、私は前世の影響のせいで、そういうモノに憧れを抱いてしまう呪いにかかっていたんだ。

 私がカッコいいと思っている訳じゃない。


 前世の影響だから、仕方ないんだ。

 なんだか気恥ずかしくなり、私はすぐに話題を逸らした。


「あいつ盗賊だったのか?私には傭兵だなんて言ってたが」


「心証を良くするために嘘をついたんじゃねえか?まあとにかく、カーミラさんには伝えとく」


「ああ、頼む」



 ◆  ◆  ◆



 食卓に戻る頃には、イワンはほとんど食べ終わりかけていた。

 椅子に掛け、私も遅れて両手を合わせる。


 二人で、この一日の間にあった出来事を話し合う。


 カーミラさんにスイーツをごちそうしてもらったこと。

 メイド達と街で遊んだこと。

 洋服をプレゼントしてもらったこと。

 後は生理が始まるから、明日は仕事を休むことも言っておいた。


 男性にこういう話をするのは憚られるが、一緒に住んでいる以上無関係ではないし、そうと知らずに話しかけられてイライラしてしまうのは避けたい。

 なので、明日は辛そうにしているが、極力放置しておいてほしいことを予め伝えておいた。


 イワンからもいろいろな話を聞いた。

『実力が合わない』と、手合わせを何人にも断られたこと。

 ようやく見つけた相手が訓練を始めたばかりで、ハンデを付けながらやったらえらく懐かれたこと。

 ご飯がおいしくなかったこと。


 そんなことを話しながら、寝る準備に入る。

 今月はやけに腰の辺りが痛いなぁ、と、明日から始まるであろう恐怖の時間に怯えながら寝巻に着替えようとして――ふと、イリーナに言われたことを思い出した。



 ――イワン様だって男なんだよ?男はみんなすべからく狼なんだよ?今は寝ているだけだけど、エミちゃんがちょっと色気を出したら、がおぉ!って襲われちゃうかもよ?



「――はっ」


 イワンを知る私からすれば失笑するレベルの勘違いだが、明日――は休むから、明後日にしつこく粘着されては敵わない。

 生理は一日では終わらない。一日目が一番酷いが、二日目も普段よりは遥かに気が立っている。

 こんなことで衝突はしたくないし、とりあえず『やった』という恰好だけは必要か。


 私は普段来ている厚手のパジャマを着る手を止め、イワンのシャツを手に取った。


「……でかいな」


 こうして着てみると、かなりサイズが大きいことに改めて気付く。

 ……中身は成長していないけど、体は大きくなっているんだなぁ……と、改めて実感した。


 イワンのシャツは大きいので、これだけ着れば太ももまで隠れる。

 ちょっとしたワンピースみたいなものだ。

 下にはガーゼと、お腹が冷えないように毛糸のパンツを装備してある。


 イリーナの言う薄着がどの程度のものかは分からないが、これくらいで十分だろう。


「あれ?その格好で寝るのか?」


「洗ってたパジャマを干すのを忘れててな」


「それじゃ寒いだろ?もっと厚手のやつにしろよ」


「いいや、今日はこれでいいんだ」


「……? そうなのか」


 首を傾げながらも、イワンはベッドの中に入った。

 私もすぐ後に続く。



 冬場に布団に入った全ての人々なら同意してくれると思うが、どんな高級羽毛布団だろうと最初は寒い。

 ヒトという熱源が入り、その熱を逃がさないようにしているうちにようやく暖かくなるのだ。


「さぶひ……」


 布団の中でプルプル震えていると、イワンが自分の方へと抱き寄せてくれた。


「だから言っただろうが。今からでも着替えて来いよ」


「すぐに暖かくなるから平気だ」


「……ったく、肩出てんぞ」


 シャツの首回りが大きすぎて、身をよじる度にどちらかの肩が見えてしまう。

 ついでに言うと、胸もちらちらと見えているはず。

 生足太ももを絡めてみても、特にこれといった反応はない。


(なーにが「男はみんな狼」だ。「エミちゃんの魅力があればイチコロ」だ。私とイワンの間で、そんなこと起きるはずがないんだよ)


 自分に魅力がないことも理由の半分くらいは占めているだろうが、とりあえずそこは棚に上げて彼の無反応さに安堵する。

















































 しかし。


「なあ、エミリア」


「ん?」


 イワンはおもむろに起き上がり、私に覆いかぶさった。

 両手をがっちり抑えられ、身動きが取れない。


「脱げ」

NG集


『運命の相手』


「……理想の相手とはほど遠いが、数人居らんこともないな。

 金が欲しいなら幼馴染の商人の男。

 強さが欲しいなら砂原で戦った男。

 知識が欲しいなら森の中で出会った男。

 安心が欲しいなら一番近くにいる男。

 愛される実感が欲しいなら、ロリコンの男。

 ……ま、誰を選んでも結果は同じじゃがな」


「オイ最後のは何だ」



『三択』


「ご飯にするか?それとも先に体を洗うか?それとも、わ・た・し?」


「……飯」


「泣いていいか?」



『食戟のエミリア』


「さあ、おあがりよ」


「んじゃ、遠慮なく!」


 ぱくり、と一口でハンバーグを放り込む。

 すると突然、ぼん! と破裂音が鳴り、ウトの服がビリビリに破けた。


 私は、ニヤリ、と笑みを深める。


「なんだこの味……肉がギッシリ隙間なく埋まっていて、噛むほどに肉汁と、いろんな味が溢れ出てきやがる……!そいつらが個々の味を主張して喧嘩するわけでもなく、全体として一つにまとまっている!まるで肉汁のウォーターパーク!ハンバーグに溺れてしまう……!!」


 パンツ一丁でその場にへたり込むウト。

 私はハチマキを取り、キメ顔で高らかに宣言する。


「お粗末!」

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