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カルマと不等号  作者: あじゅまりん
Episode1 成れの果て
3/11

Episode1 カルマに後悔

キャラクターの名前を決めるとき、大体友達の名前を勝手に使っています。

#

一人でこの長い廊下を歩くのは気味が悪い。

天鵞絨は無駄にふわふわしている。

部屋のデスクの一角に貼ってあった部屋割を見ながら、私は朔さんの部屋に向かった。

ルノアにも聞いたあの質問をするためだった。

胸の重りを取り除くためだ。

ノックを三度し、どうぞという声を聞いて中に入った。


「どうした?」

朔さんはベッドの上であぐらをかいていた。

部屋はモノトーンで統一されている、何とも朔さんらしいものだった。

「少しお話したいなって」


私もベッドの上に座らせてもらった。

「...柊哉って人を知りませんか?」


柊哉に逢いたいけどそれは同時に柊哉に死(まあ、死んでないかも)を求めることになる。まあ、可能性は0に近いけれど。

期待と不安が降り混ざっていた。


(あがた)の事か?」

鼎。聞いたことのない言葉。柊哉の苗字は確か...漢字二文字だった気がする。んだけれど。


「鼎柊哉...。17歳でこれから新メンバーとして加わる奴だけど知ってんのか?」


鼎っていう苗字は聞いたことないけれど、17歳でこのタイミングって...。少し寒気がした。

もしあの柊哉だとしたら、私に次いで自殺した可能性もある。


「私の大好きだった人です」


急に手首がぴきっと痛んだ。

自殺という言葉は忘れたつもりだったけど、いざ私がそんな事をしたと考えると辛かった。


「痛い.....」


柊哉は。本当にあの柊哉なんだろうか。

顔も性格も曖昧だけど、柊哉が好きなのは覚えているから。ずっと私を支えてくれた柊哉は自殺しかねないと思った。あまりに自意識過剰なのはわかっている。


もし柊哉だったら真っ先に謝りたい。死んですいませんでした。死なせてすいませんでしたって。

そうはならないで欲しいけれど。



死ななきゃよかったなあ。

涙が溢れた。

死ぬ事は誰に対してもメリットがないって。今更気付いても遅いのに。



「おい宇佐美、考え過ぎんなよ」

朔は笑顔を見せた。

朔は多分察したのだろう。何事もないように接してくれた。


ふと、朔の元に電話がかかってきた。

「ごめん」

「 はい、...。早いですね.....。わかりました。」


改まった態度に私もまた、それを察した。



「柊哉の事...ですよね」

「 もう来る。多分な。」


えっ───


あまりに唐突でこちらも準備が出来ていない。

私の頭は真っ白になり涙はすっと引っ込んだ。

空気を満たしていたのは私と朔の香水の匂いだけだった。


「どうしよう.....」

「もう城まで来たそうだ。その格好やめた方がいいんじゃないか?」







縣って、かっこいい!←

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