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逃走劇

作者: 三隅 凛
掲載日:2012/06/18



 何も見えない暗い部屋で私は目を覚ました。この部屋に灯りはない。体を起して、洗面所に向かった。顔を洗おうとしたから、鏡を見てしまった。


 その時、私の姿は今までと変わっていた。




 この建物には人を喰らう化物が住む。人間である私は、ここから逃げ出さなければならない。今、私は六階の部屋に居る。一階を目指そう。忍び足で部屋から出て、近くの階段へ向かった。化物の気配はない。周囲に注意を払いながら階段を下りる。四階までは、順調だった。しかし、三階と四階の間の踊り場に、化物が居た。


 私は慌てて方向を変え、もう一つの階段へと向かった。私は覚悟がある程度あったからすぐに対応出来たけれど、相手は予想外の出来事に暫く固まっていた。階段に足を掛けたあたりで、その化物が叫んだ。生きた餌が逃げ出したぞ、と。私は急いで階段を下りて、扉を閉める時に音を立てないようにしながら部屋に入った。部屋の隅で蹲って震えていたら、化 物達の足音が聞こえた。息を止めて、ここが気付かれませんように、と祈った。しかし一方で部屋から飛び出したい、とも思った。祈りが届いたからかは定かではないが、化物達の足音は遠ざかっていった。一つ、溜息を吐いて、ゆっくり扉を開いて左右を見渡す。化物が居ないのを確認してから、四階から三階まで下りるのに使った階段の方へ向か う。出口まではそう遠くない。慎重に階段を下り、一階まで辿り着いた。


 廊下を何回か曲がって出口に向かっていたら、曲がり角から何か出てきた。


 勿論、ここで動く物は自分以外には、化物だけである。


 


 今まで来た道を慌てて戻ろうとする。振り返ったら、化物が居た。


 どうしたらいいのか、分からない。また振り返ったら、化物が口を開けて、私を見ていた。


 嫌だ、死にたくない。どうして、私が食べられなければいけないのだろう。私は少し前まで彼等の仲間であって、人間なんかじゃなかったのに。

残酷な描写あり、は要らないと思うんですが、どうでしょう。


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― 新着の感想 ―
[一言] 短い中に捻りが効いていて面白かったです
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