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第二章「夢×邂逅」

「悪く思うなよ?」


響を襲った謎の転校生”氷堂薫”がそう告げた時、響の体を包む謎の魔法陣。


次元転送ディメンションワープか!」


光に包まれ跡形もなく消えた主人公、響。


果たして彼は無事なのか?


そして”リリム・スカーレッド”とは一体誰なのか?

とある夏の日・・・・少年は一人の少女が泣いているのを見つけた。


少年は彼女に語りかける。


「どうして泣いているの?」


すると泣きじゃくっていた少女が涙でぐちゃぐちゃになった顔をこちらに向ける。


「・・・ひっく、わ、わたしの おかあさん から もらった たいせつな たからもの・・・なくしちゃったの・・・うぅぅ、ひっ、ひっく」


それだけ言うと少女はさらに泣き出してしまった。


困った少年は少女に泣き止んでもらうためにこう答えた。


「・・・うん、それならぼくがいっしょにさがしてあげるよ!」


自信満々に胸をドンとたたく少年。


「・・・・ひっく、ほ、ほんとに?」


途端少女は泣きながらも少年に尋ねる。


「もちろん!みつかるまでぼくがいっしょにさがしてあげる!・・・だから」


少年は彼女に泣いてほしくなかった・・・笑っていてほしい。


笑っていたほうがきっと可愛いから・・・。


そう思いながら少年は少女に手を差し伸べる。


「さぁ、さがしにいこっ!」


少女は少年の声に小さく頷き・・・そして


「・・・うんっ!」


少年の手をしっかりと握りしめた。






「・・・・れで・・彼の・・・は?」


声が聞こえる・・・。


「それが・・・じられない・・・力です。すでに・・・している」


・・・よく声が聞き取れない。女性らしき声と男性らしき声が左右から交互に聞こえてくる。


「そう・・・やはり・・・・の力かしら」


「はい・・・おそらく・・・・これほどの・・・は普通の人間では・・・・せん」


・・・力?・・・普通の人間?何言ってるんだ・・・・。


それに・・・俺はいったい・・・。


そこまで考えてふと響きは思い出したように跳ね起きる。


「そ、そうだっ!た、確か俺・・・転校生に襲われて、それで・・・腕が」


瞬間、あの時の恐怖と苦痛がよみがえる。


そして今は無いであろう自分の腕を・・・。


「・・・って、あれ?」


響が目線を向けた先には自分の左腕がしっかり付いていた。


「な、なんで?確かにあの時、俺の腕は・・・」


すると隣からふと声がかけられる。


「そう・・・確かにあなたの腕は砕け散った、魔槍グングニールによってね」


声の主に目を向ければそこには一人の・・・一言でいえば妖艶ようえんな姿をした少女がいた。


背中に黒い羽根と尻尾・・・頭には角を生やして。


「・・・・・えっと」


この状況はなんだ?なんでこの人はあんな露出の多い服着て、しかも角ややら羽根やら尻尾を生やしてるんだ?


するとコスプレ?している彼女はきょとんとしている俺をみて不思議そうにしている。


「・・・どうかした?そんなに私の体をジロジロ見て」


「い、いや・・・・なんていうか、それって・・・こ、コスプレ?」


正直言うか迷ったが、なんだ・・・気になって仕方ない。


「・・・・・」


すると彼女は豆鉄砲まめでっぽうを喰らったような顔をしてこちらを見つめてくる。


・・・やっぱ聞いちゃまずかったか?と今更ながらに後悔したと思った響に予想外の答えが返ってきた。


「・・・・・こすぷれ?それって美味おいしいの?」


おやおや?今時コスプレを知らない人がいるのか?なんか食べ物の勘違いしてるみたいだし・・・。


言い方が悪かったのかな・・・?


「ええと、コスプレって言うのはその・・・キミの背中に付いてる羽根とか尻尾、角のことなんだけど」


「・・・・?」


それでもさらに首をかしげる彼女。どうやら本格的に通じてないらしい。


・・・それならこちらにも考えがある。


「・・・ちょっと後ろ向いてくれないかな?」


「・・・うん?」


不思議そうな顔をしながらも彼女はこちらに背を向けてくれた。


よし、これなら届くかな・・・。そう思いながら彼女の尻尾?の飾りを取ろうと握った瞬間・・・。


「あ、あんっ・・・///」


突然彼女の体がビクンッっと跳ねた・・・なまめかしい声を上げて。


「えっ!!?ど、どうしたの?急に・・・」


びっくりした響は、尻尾?から思わず手を離した。


「はぁ、はぁ・・・急にって、それはこっちの・・・台詞せりふだってば・・・////」


彼女は顔を真っ赤にして肩で息をしていた・・・そして彼女の幼い容姿に反発して揺れる大きな二つの胸。


「・・・ごくり」


・・・って、いかんいかん!!どこ見てるんだ俺は!?


気を取り直して響は再び彼女に聞いてみる。


「ええと、つまり・・・・どゆこと?」


すると彼女は顔を赤くさせたまま、息を落ち着かせこう言った。


「い、いきなり女の子の大事な部分をさわられたら・・・こ、困るに決まってるでしょ///」


・・・・はい?女の子の大事な部分って・・・・。


「は、はいぃいいぃぃぃぃい!!??」


「ちょっと!そんな大きい声出さないでよっ・・・耳が痛いじゃない!」


「だ、だって!俺はそんなとこ触ってないし・・・俺が触ったのはその尻尾の飾りだぞ?!」


そうだ、確かに俺は尻尾の飾りを掴んだんだっ!・・・そりゃあできれば俺だって女の子の大事な部分ってのに興味はあるさ!触りたいさっ!!だが俺は紳士だ。相手の了解無しにそんなことはしない!


「飾り?・・・この尻尾は飾りじゃないのっ!!!」


「・・・へっ?」


飾りじゃない?ウソだろ・・・それじゃ本物の尻尾だって言うのか?


「・・・冗談だろ?」


「冗談じゃないわよ!尻尾は私達「サキュバス」にとって急所なのよ」


って言われてもなぁ・・・・・・・・うん?


「・・・サキュバス?」


「そう、サキュバス!・・・言ってなかったっけ?」


いや、そんな意外そうな顔されてもなっ?!


「・・・サキュバスって、あの夢魔むまとか淫魔いんまとか呼ばれてるアレか?」


「まぁ・・・人間界ではそう呼ばれてるわね、納得いかないけど」


ってことはあれか?・・・俺は知らぬ間に夢の中で。


童貞どうてい卒業?」


パッシーン!!!


思い切り後頭部こうとうぶたたかれた。


「―――――って~な!何すんだよ?!」


そちらに顔を向けると、そこにはほっぺを膨らませてお怒りの様子のサキュバス様がいた。


「あなた、私をなんだと思っているの?!」


「いやだって、寝ている人の夢に入って性交して精液を吸収する下級悪魔だろ?」


「――――っ////////」


すると彼女はさらに顔を真っ赤にさせてうつむいてしまった。


若干じゃっかん肩が震えてる気がするが気のせいだろう・・・そう思った瞬間、俺の目の前を一本の短剣たんけんが通り過ぎて壁に突き刺さっていた。


「―――――!?」


短剣が飛んできた方に目を向けると、全身毛だらけのオオカミ?が腕を組みながらこちらを睨み付けていた。


「貴様・・・・次にリリム様を侮辱ぶじょくするようなことがあれば・・・・殺すぞ?」


瞬間、響は以前にも感じたような感覚におちいった。


そう・・・氷堂ひょうどうに殺されそうになったあの時のような。


つまり――――――本気で殺される。


「ご、ごめん リリム!よく知りもしないで言った俺が悪かった!!」


そうなんども殺されてたまるかと、響はリリムと呼ばれた少女に頭を下げた。


「貴様っ!リリム様の名前を気安く――――」


「別に構わないわ」


「――――いや、しかし」


「この私が構わないと言っているのよ?それとも私の言うことが聞けないのかしら、ヴォルフ?」


「い、いえ!滅相もございません!!」


するとヴォルフと呼ばれたオオカミ?は片膝かたひざをつき頭を深く下げた。


「分かればいいのよ。もう下がっていいわ、ヴォルフ」


御意ぎょい


一言そう言うと一瞬で目の前からいなくなった。


「消えた!?」


驚いた様子の響にリリムと呼ばれていた少女が微笑みながら教えてくれた。


「彼は人狼ウェアウルフの”ヴォルフ・レオナード”「殺戮旋風ジェノサイドヴォーテックス」の異名をもつ、私の親衛隊にして魔族四天王デビルズ・フォースの一人よ」


「・・・・・」


「そして・・・・」


少女は腰かけていた椅子いすから立ち上がり、胸を張ってこう言った。


「私は”リリム・スカーレッド”この魔界ペ・ウォウべる女王プリンセスにして「殲滅紅姫クイーンデストラクレッダー」の異名をもつ、サキュバス最後の生き残りよ!」


この時響は感じていた。

自分の中の何かが熱く、鼓動するのを・・・。


そして響とリリム、この二人の出会いが更なる戦いへの幕開けとなる。

















第二章「夢×邂逅」をお読みくださってありがとうございます!


今回はストーリの進展はあまりありませんが、この先更なる衝撃の展開が!?


・・・・あるかもね?


あまり期待はせずに今後もGuardian★Wizardをよろしくお願いします。

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