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少年サッカー 第5話 短編版

作者: 岩田 ヒロ
掲載日:2026/05/19

 ピッチが完成し、練習前に村上コーチが選手を集めた。


「今日からユースケのお父さんがコーチとして参加します。石川コーチ、一言お願いします」


 事前に言われていたので、準備していた言葉を伝える。


「高校ではラグビー部でした。サッカーは未経験なので、山下コーチに教わりながら、みんなと一緒に練習します。勝ち方なら少し教えられると思うので、よろしくお願いします」


 選手たちが元気よく「よろしくおねがいしまーす」と返し、村上コーチが笑いながら「ラグビーじゃないからハンドは禁止ね」と場を和ませた。


---


パス練と“前に出る”意識


 ブラジル体操の後はパス練。山下コーチが途中で声をかける。


「パスを待ってたらどうなる?」


「敵に取られる!」


「じゃあどうする?」


「前に出て受ける!」


 前に出ながらトラップし、パスしたら下がる。試合を意識すると、子どもたちの動きが一気に良くなる。


---


リフティング勝負


 ホイッスルで一斉にスタート。最後に残ったのはユースケとマオ。

 マオは横浜SC唯一の女子選手で、誰よりも練習熱心だ。


 ユースケが90回で落とし、マオは150回を超えても落ちない。


「マオ、もうOK。みんな拍手!」


 村上コーチが問いかける。


「ユースケとマオの違い分かった?」


「マオは無回転で小さく上げてた。ユースケは回転が速くなって失敗した!」


 どっと笑いが起きる。

 無回転でトラップする感覚が、試合にもつながるという話に、子どもたちは真剣にうなずいた。


---


直輝コーチ、登場


 そこへ大学生の直輝コーチが現れる。選手たちが一気にざわつく。


 山下コーチが回転をかけたボールを高く投げると、直輝コーチは落下地点にスッと入り、足の甲で優しくトラップ。無回転にして返す。


 「おー!」と歓声が上がった。


---


ミニゲーム、そしてマオのループ


 誕生日順でチーム分けし、8対8のミニゲーム開始。

 自分は副審としてタッチラインに立つ。


 しばらく一進一退が続いたあと、ハーフウェー付近でマオがボールを受けた。

 完璧なトラップから、一瞬ゴールを見て――ふわりとループ。


 相手DFとキーパーの頭上を越え、ボールは美しい弧を描いてゴールへ。


「ピー、ゴール!」


 仲間たちが「マオ、ナイス、ループシュート!」と駆け寄る。


 落ち込むキーパーのアキには山下コーチが声をかける。


「今のはアキのミスじゃない。8人制はキーパーも上がって数的有利を作るんだよ。マオのトラップが神がかってただけ」


 村上コーチが笑いながら言う。


「マオ、将来なでしこジャパンに出たらさ、小学生の時に横浜SCで教わったって言ってね。コーチたち、それだけでビールうまくなるから」


「なんでマオだけ?」と他の子がツッコみ、また笑いが起きた。


本編はこちらから

https://ncode.syosetu.com/n0828ls/5

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