18.将来への一歩〜卒業式〜
そして、合格通知が届いた。
「合格.....!」
私はその場で手紙を握りしめ、しばらく動けなかった。喜びと驚きが入り混じった気持ち。自分が心から目指していた精神保健福祉士の道に、一歩踏み出すことができたのだ。
その日の夜、母親に合格を伝えたとき、思わず涙がこぼれそうになった。
母は少し驚いた顔をした後、穏やかに微笑んだ。
「あなたのやりたいことを見つけて、合格できて良かったね」
私はその言葉に、初めて心からの安心感を覚えた。
翌日の登校日、彼女はすぐに報告をすることにした。
合格をつかみ取った自分を、最初に伝えたい相手は楊先生だったからだ。
職員室に楊がいるのを見つけた私は、少し緊張しながら声をかけた。
「先生、ちょっといいですか?」
振り返り、驚いた顔をして言った。
「どうした?何かいい知らせでもあるのか?」私は頬を緩めながら、合格通知を差し出した。
「はい、合格しました......!精神保健福祉士の資格を目指して、〇〇大学に合格したんです」
楊はその知らせを受け取ると、目を輝かせた。
「本当に?よかったじゃないか!」その言葉とともに、楊は深くうなずいた。
「君が選んだ道で、ちゃんと実力を証明したんだね。」
「楊先生、ありがとう。あなたのおかげで、今の自分があるんです。あの時、先生に言われたことがずっと心に残っていて......」
楊は少し照れくさそうに笑いながら言った。
「そうか、君が頑張った結果だよ。でも、その力がどんな形であれ他の人を助ける力になると思う。君の未来が楽しみだな」
その瞬間、私は未来への希望と、これまでの努力が報われたことを実感した。
卒業式。
私は校舎の外に出ると、温かな陽射しを感じた。
これまでの3年間を振り返ると、決して楽なことばかりではなかった。勉強、精神的な負担、母親との関係一一すべてが重く感じられた時期もあった。
結局、私はうつ病の診断を受けた。受験に合格してからも揺れ動く日々はあった。
でも、今はそれらを全て乗り越えてきた自信が湧いてきた。
「天音ちゃん、優里ちゃん友達でいてくれてありがとう。」
今まで隣にいて損得関係なく心配してくれた友達への感謝の気持ちもひとしおであった。
式が終わり、友達や先生たちと写真を撮りながら、私は心の中で思った。
「私は、これから自分の道を歩んでいくんだ」心の中に広がる希望と安心感を感じながら、彼女は深呼吸をした。
その後、担任の先生とも話す機会があった。
「おめでとう、天宮。君が選んだ道が、きっと素晴らしいものになるよ」
新田のその言葉に、私は初めて心から笑顔を浮かべることができた。
「ありがとうございます、先生。これから頑張りま
す」
また、ふと楊の顔を見かけた。
「楊先生、お世話になりました。色々とありがとうございました」
私は深くお辞儀をしながら感謝の気持ちを伝えた。
楊はその言葉に微笑みながら、静かに頷いた。
「お疲れ様。君のように前向きに頑張る姿を見て、僕もたくさんのことを学んだよ」
楊は優しく言った。
「君なら、これからもどんな困難にだって立ち向かっていける。自を持って、次のステップに進んでね」
その言葉に、私は心から笑顔を浮かべた。
笑顔で卒業証書を手にした私は、お世話になったスクールカウンセラーの星野先生や養護教諭の木下先生からのお手紙も持っていた。
私は今まで色んな人に支えられてきた、これからも支えられることもあるだろう。
将来は、支える側にまわりたい。
卒業式を迎えた今、私は自分の道を歩む決意を新たにして、未来に向かって一歩を踏み出した。




