表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
15/19

14.孤独の夏休み

この夏休み期間は、1人で机に向かってもノートに書いた文字が頭に入らず、不安やしんどさを相談する相手も存在しなかった。孤独感が強かったものの、夏休みも終わりに近づいた。

私は再び精神科の診察を受けることになった。

緊張の中で診察室に入ると、医師は前回同様穏やかに話しかけてくる。

「こんにちは、天宮さん。前回の診察以降、どう感じていますか?」

私は少し息をつき、心の中で次々に言葉を整理しようとする。

「最近は、少し.....やっぱり疲れてます。母からのプレッシャーが強くて、勉強に集中できなくて.....」

医師はうなずきながら、ノートを取り出し、ペンで軽くメモを取る。軽くメモを取る。

「プレッシャーが大きいのですね。それは大変ですね。でも、今のところ病気の兆候は見当たりません。天宮さんは精神的には元気です」

その言葉が、私の胸に冷たい衝撃を走らせた。

ーー「病気じゃない」ーー

その瞬間、全身に力が抜けたような気がした。自分が弱いだけだったのだと、何かが崩れた。

「でも.......」

私は声を震わせながら言った。

「でも、どうしてこんなにしんどいんですか?私は

頑張っているのに......」

山口は穏やかに答える。

「そのしんどさは、受験のプレッシャーが大きいからです。病気ではありませんが、心身の疲れが溜まっている可能性はあります」

その言葉が私には響かなかった。

病気じゃない。だから、自分が弱いだけだということに気づいてしまった。

自己否定の気持ちが、胸の奥でどんどん大きくな

る。

「もっと頑張らなきゃ.......」


模試の結果の返却日。

私は試験の点数を見て心が重くなった。

期待通りにできなかった自分を、さらに自分で責める気持ちが強くなる。

母の言葉も頭の中で響く。

「あなた、もっと頑張りなさい。もっとできるはずよ」

その言葉が、耳の中で反響する。胸が苦しくなる。

目の前に広がる問題集に目を落とし、何度も繰り返し問題を解くが、頭は回らない。

自分が、全然足りていないと痛感するだけだった。

「勉強しなきゃ。もっと頑張らなきゃ......」手が震えて、視界がぼやける。けれど、心の中で何度も繰り返す言葉が浮かぶ。

ーーでも、これ以上頑張れないーー


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ