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12.夏休みの三者面談

夏休み初日、静かな教室。窓から差し込む日差しが私の机の上を温かく照らす。

担任は、私と私の母親の両方を見渡して、静かに口を開く。

「今日は、天宮さんの学習面や体調面について、一緒に話し合いたくて集まりました」

私の母親は少し肩を張り、私は視線を机に落とす。

担任は優しく、でもはっきりした声で続ける。

「最近の授業や提出物には問題はありません。ただ、本人は家庭や過去の経験で負担を感じているようです。無理をしすぎず安心して取り組める環境を作ることが大切だと思います」

私の母親は少し驚き、眉を寄せる。

「でも、勉強はきちんとやらせたいのです......」

新田はゆっくりうなずき、言葉を選ぶ。

「もちろんです。ただ、本人が心の負担で疲れてしまうと、学習にも影響が出ます。ですので、無理せず安心して取り組めるよう、少し専門家の力を借りることも選択肢としてあります」

私の母親は少し戸惑った表情で担任を見る。

「専門家.....ですか?」

新田は静かに説明する。

「精神科での診察です。必ず病名がつくわけではありません。本人の気持ちや体調の変化を専門家に見てもらうことで、安心して日常生活や勉強に取り組めるようになります」

私の手が机の下で小さく震える。

新田は私に目線を合わせ、声を柔らかくする。

「無理に行く必要はありません。本人が納得できる時に、選択肢として考えてもらえれば大丈夫です」

私の母親はしばらく黙って考え込む。

やがて小さくうなずき、肩の力を少し抜いた。

「.....わかりました。無理強いはせず、本人のペースで考えます」

私はまだ少し緊張しているが、胸の奥でほっとする感覚があった。

私の気持ちを尊重してもらえること、そして選択肢があること。

それだけで、少しだけ安心できた。

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