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第68話:【対抗策】

 俺たちは研究所に戻り、高槻に家が襲撃された事実を報告した。

「そうか……。警備員も何人かやられている。寮が直るまで別宅を用意しよう。だが、有坂はまた来るかもしれんな」

「奴の下半身、まだあそこの外に転がってますよ。……怖くて持って来れなかったですけど」

 正直、下半身だけでも意志を持って動き出しそうで、近づくのも嫌だった。

「それはいいサンプルになるね。すぐに回収させよう」

 高槻は相変わらず、被害よりも研究対象としての興味が勝っている。俺はそんな彼に食ってかかった。

「もっと強力な武器はないんですか!? 」

「うん、欲しい!対物ライフルですら、足止めにしかならなかった!」

「ほぼ戦争用になるが、重機関銃を用意しよう。他にも色々あるから、好きなだけ持っていくといい」


「そう言えば、奴を燃やしたら逃げてった。上半身だけで穴を掘って、どこかへ……」

 アンナは気味悪そうに言った。


「有坂には全身に火傷の痕があるからね。……もしかしたら、それが彼のトラウマであり、再生が追いつかない弱点なのかもしれない」

「火炎放射器もありますか?」


「あるよ。持っていきなさい」

 俺たちは有坂の再来に備え、ありったけの重火器と火炎放射器を別宅へ運び込んだ。


 これだけの火力が手元にあれば、少しは落ち着いて寝られるはずだ。

 幸いなことに、その夜、それ以上に有坂が姿を現すことはなかった。だが、暗闇の中で聞こえる風の音が、奴が地中を掘り進む音に聞こえて、俺は朝まで銃を抱きしめていた。

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