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第55話:【協力要請】

 リンたちは現在三人組。風花を仕留めたとはいえ、残りのメンバーも怪物揃い。一人ずつならまだしも、連携されたら今の俺たちでも勝ち目はない。


 リンの能力も未だに不明。そして陽平。あの視線を合わせるだけで発火させる能力の攻略法が、どうしても思いつかなかった。

「アンナ」

「ん? どーしたの?」


「ヒロシに、助っ人を頼めないかな?」

「絶対無理! 頼んで快く来てくれるイメージが全然湧かないもん。あのおじさん、怖すぎるよ」


「俺一人でも、もう一回頼んでくるよ。どうしても必要なんだ」

「……わかったよぉ、ついていくよ。多分無理だろうけど……装備だけはしっかりしていこうね」



 C区。あの陰気な裏通りの酒場に、再び足を踏み入れた。


 薄暗い店内のカウンター席。背中だけで圧倒的な威圧感を放つ男に、俺は声をかけた。

「ヒロシ……! 協力してくれ!」

 返事は言葉ではなかった。

 ――ガシャアアアン!!

 俺の頭を掴み、カウンターに叩きつけられていた。目の前にあったコップごと。砕けたガラス片が目や顔に食い込む。

「……うぉお……っ!」

 顔を押さえて床を転がる。言葉の代わりに暴力…!

「呼び捨てか。……クソガキ」

「ゆ、裕!ヒロシ……さん、そこまでしなくてもいいでしょ!」

 アンナが割って入るが、ヒロシは表情一つ変えない。

「治るだろ」

「治る……けども! 痛いんだよ!」

 肉が盛り上がり、刺さったガラス片を外へと押し出していく。


「根性がねぇな。……さっさと帰れ、坊や」

「か、帰らない! なあ、敵は『オリジナル』なんだ! どうしてもあんたの……」


 ――ガシャン!!

 今度はウイスキーのボトルで頭を殴られた。ボトルの角で。瓶と一緒に額が割れた。

「い、いてぇ……ッ!」

「敬語も使えねぇのか、クソガキ。……オリジナルだと?」

 殴る前に話を聞いてくれよ!


「そう……テロリストなんだ」

 説明しようとカウンターに置いた俺の手を、ヒロシは躊躇なくフォークで突き刺し、固定した。

「ぐぉぉぉ!! 悪魔かあんたは!」

 あまりの痛みに悪態をつく。フォークの先がカウンターの木材にまで達している。

「……知り合いかもしれん。その中に女はいるか?」


「……女が一人、男が二人だ」

「写真はあるか」

 ヒロシがフォークを引き抜いた。


「いッ! ……ああ、ある。こいつだ」

 俺は血まみれの手で、ポケットからリンの写真を取り出した。


 写真を見た瞬間、ヒロシの目つきが変わった。

「……リン……?」

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