第51話:【捜索】
目が覚めた仲良恵に事情を説明した。
「事情はわかった。そろそろ解いてくんねぇか?」
ロープでグルグル巻きになった恵が不満そうに言った。
「暴れない?」
アンナがまだ疑いの目を向ける。
「解かねぇなら自分で引きちぎるぞ」
そっちの方が被害が大きそうなので、俺は渋々ロープを切った。
「あ、暴れないでよ。本当に」
「うちの闇医者は金を払えば誰でも診る。着いて来い! 事情を聞きに行くぞ!」
なぜか完全にリーダーシップを取られた。流石は数千人を束ねる親分だ。
◇
ついて行くと、不機嫌そうにタバコを吸っている闇医者を紹介された。
「ああ、あの女なら来たよ。……もう、うちの設備じゃ治せなかったからな。切除した。腕ならそこにあるぞ」
示された先にはバケツに入れられた右手。
「グロい……もらっていい? 指紋とDNA取るから」
「どこかに向かうみたいなことは言ってなかったか?」
「言ってねぇな。あの怪我だ、休んでけって言ったんだがな。痛み止めだけひったくって、すぐに飛んでったぜ」
「どっちに?」
「どっちだったかな……多分あっちだ」
闇医者は適当に東を指さした。なんともザックリした案内だ。
「……よし。うちのもんを何人か捜索に行かせる。裕、写真ねぇか?」
「あるよ。はい、これ。……渡すから噛まないでね」
「犬じゃねぇんだ、噛まねぇわ……あれ? こいつ、リンか? 厄介者扱いされてる奴だぞ」
「え? 知ってるの?」
「本名は知らねぇがな。……いいか、うちの支部のヤツらを使う。お前らも捜査班を使って探せ。見つけたら即連絡しろ。これ連絡先だ」
「お、おう。警察に個人の連絡先を教えるヤクザって……」
◇
研究所に戻ると、葵がデスクに座っていた。
もう体は大丈夫そうだが、無理はできないため後方からの捜査に専念するとのことだった。
「それにしても、天候を操るオリジナルか。それは『風花』だね。オリジナルの中でも有名な個体だよ。よく追い払ったね」
高槻博士がさらっと情報を出した。
「え? 博士、知ってたなら先に言ってくださいよ。……あ、じゃあこの切除した片手、いらないですよね?」
「それとこれとは話が別だよ。貴重なサンプルだ」
トカゲ野郎……もとい高槻は、嬉々として保存容器に入った腕を受け取った。
ヤクザの情報網と警察の捜査班を駆使し、街中を飛び回った結果、ついにC区で手掛かりを掴んだ




