表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
33/59

第32話:【再生】


「二人とも血塗れだね。それに裕くんに至ってはボコボコじゃないか」

 基地に戻るなり、高槻博士が驚いていた。

「ええ……なんか、時間が経ったらどんどん腫れてきて」

なんか水木しげる大先生が書く妖怪みたいになっていた。妖怪・不死身男

「裕、大丈夫? 高槻、なんで裕の傷が治らないの?」

 アンナが必死に食い下がる。


「ふむ、調べよう。こっちへ来て採血から始めようか」



「コアのオーバーヒートだね。短時間に再生を繰り返しすぎて、ナノマシンの処理能力が限界を超えている。食事を摂って安静にしていれば戻るはずだよ」


 検査結果を聞いて、俺は心底ホッとした。

「このまま治らないかと思いましたよ……」


「ここまで短期間で凄まじいダメージを負った検体は初めてだよ。いいデータが取れた。……ああ、もし治らなかったら再手術だから、そのつもりで」


「それ、麻酔効きますかね?」

「ダメージが治らないということは、解毒作用も低下しているはずだ。効きすぎるかもしれないね。君らナノマシン兵は終わった後、縫合しなくても勝手に塞がるから楽でいい」


「……楽とか言わないでください」

やっぱ高槻だった!トカゲ野郎め!



「裕ー! 大丈夫だった?」

 医務室の扉を開けると、アンナが床に座り込んで待っていた。


「うん。飯食って寝てれば治るってさ」


「うむ。二人には休暇を言い渡す。とりあえず3日だ。裕くんに変化がなかったら再手術を行う」


「あ! じゃあご飯行こ!」

「カレーライス食べたい」


「私もお腹空いちゃったー! いつも狙撃ばっかだから、再生って疲れるね!」

「……俺、再生する時あんまり疲れないんだけど。本来疲れるものなのか?」


「そうなんだ。やっぱり再生特化だからかな? 便利だね!」

「便利っていうか、不気味だけどな……。あ、王に打たれたところが熱持ってジンジンしてきた。早く行こうぜ」


 この日はCoCo壱でカレーを食べた。


 俺の頼んだ納豆カレーを見て、アンナが少し引いていた。美味しいのに



 その日の夜。泥のように眠ってしばらくした後、無事に再生が始まった。


 だが、再生にも激しい痛みが伴う。折れた骨が内側から音を立てて繋がるたびに、俺はベッドの上で悶絶した。



「あ、裕、無事に治ったねー!」

 翌朝、アンナが顔を覗き込んできた。


「……ああ。夜中、治る時の痛みで目が覚めて、すっかり寝不足だわ」


「無事に治ったね。また採血させてくれ」

 高槻に促され、俺はまた検査室へ向かう。



「検査の結果だが、ナノマシンとの結合率が異常に高くなっていたよ。何か身体に変化はないかい?」

 博士がデータを見つめながら問いかけてくる。


「そう言えば、勘が鋭くなったかもです」

「それは多分、死線を超えて現場に順応したからだね。他には?」


「うーん、身体能力が上がったかな、と」

「それは訓練の賜物だね。……他には?」

「わからないです」


「そうか。何か変化を感じたらすぐに教えてくれ」


 結局、本気で心配しているわけじゃなく、俺を相変わらず実験動物にしか見てないんだな。だから俺にトカゲ野郎って言われるんだよ

 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ