表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
27/53

第26話:【捨て身】


スナイパーが俺を狙っているのがわかった。このままじゃ埒が明かない。

(こうなったら)

俺はわざとスナイパーに位置を晒した。

 直後、衝撃と共に視界が真っ赤に染まった。俺の頭が、敵のスナイパーに正確に撃ち抜かれた。だがおかげで方向がわかった。


 脳が揺れる激痛。俺は倒れながら、銃声のした方向をアンナに叫んだ。

「アンナ! 2時の方向だ!」

『わかった! ……見つけた、仕留めたよ!』


 アンナのカウンター・スナイプが決まった。


 だが、今の俺の立ち振る舞いで、敵のライフル持ちに俺がナノマシン兵であることが完全にバレた。


 ライフル持ちの銃口が、俺に固定される。俺は遮蔽物を捨て、左右に蛇行しながら一気に距離を詰めた。


『裕! 無謀だよ、隠れて!』

 アンナの悲鳴のような無線。だが、止まるわけにはいかない。


 1発目。躱した。


 2発目。外れた。


 ライフル持ちが落ち着いて3発目の狙いを定める。だが、俺にはスナイパーに撃たれた時に閃いた確信があった。


 ――わざと撃たれて、隙を作る。


 敵が引き金を引く瞬間、俺は心臓の前に左腕を突き出した。


 ターーーンッ!


 激しい戦場に、あの嫌な乾いた音が響く。


 左腕に激痛が走り、肉が弾け飛んだ。だが、心臓は無事だ。


「――お返しだ!」

 俺は至近距離からショットガンを叩き込んだ。


 ズドンッ!


 ライフル持ちの胴体が消し飛ぶ。俺は休む間もなく、ナイフで左腕に食い込んだ弾丸を無理やり抉り出した。対ナノマシン弾さえなくなれば、再生が始まる。

『バカ! 撃たれながら撃つなんて……もう、二度とやらないで!』

「ライフル持ちさえいなけりゃ、こっちのモンだ!」


 気づけば、俺はテロリストたちの陣地のど真ん中にいた。俺は落ちていたライフルを拾い上げ、さらに奥へと走り出す。

「懐まで入った! これから派手に暴れるから、援護頼む!」

『わかった……もう、絶対死なないでよ!』


 テロリストたちがアサルトライフルを乱射してくる。


 何発も体に被弾し、血が噴き出す。だが、構わず俺も引き金を引き続けた。


 銃声と爆音、悲鳴が入り混じる地獄絵図。


 そこで俺は、奇妙な光景を目にした。ショットガンで確実に仕留めたはずのテロリストたちが、のろのろと起き上がってきたのだ。

「……チッ、こっちもナノマシン兵か!」

 すぐにライフルに持ち替え、心臓を狙って正確に狙い撃つ。対ナノマシン弾を撃ち込まれた敵兵は、激しく痙攣した後に今度こそ動かなくなった。


 ナノマシン兵は、残り4人。


 俺は血塗れの左手で、次弾を装填した。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ