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第22話:【接戦】


 E区、雑居ビル。


 カビ臭い空気と火薬の匂いが混ざり合う通路を、俺は一歩ずつ慎重に進んでいた。


『今回、我々は君のバックアップだ。確実に罠があるだろう』

 アキラから冷静な無線が入る。


「みんなで来たのに突入は俺一人かぁ。なんか捨て駒にされてない?」

『仕方ないわ。あなたは再生特化だもの。私は外に出た者を取り押さえるわ』

 葵が淡々と告げる。

『アンナは裏側、俺は表側で狙撃を担当する。もし逃してもフォローはする。任せてくれ。』


『裕! 援護は任せてね! ……でも、無理はしないでね』

 アンナだけだよ。優しいの!


 石橋を叩いて渡る――そんな慎重さで奥へ進むと足元にコードがあった。

はは~ん、またコードの罠だ。

前と同じ手に二度はかからない。コードの先を辿り、柱に仕掛けられたボウガンを見つけ、慎重に外した。あいつか高槻にぶち込んでやろう


 カチッ。

 ドォンッ!!

「……がはっ!」

 爆発した。ボウガンの裏に、さらに罠を二重に仕掛けてやがった。


 大した爆破じゃないが、勢いで壁まで吹き飛ばされる。


「いって〜……」

『今の爆発、罠か?』

「……ボウガンを外したら壁自体が爆発した」


『今ので敵も気づいたはずだ。十分気をつけろ』

「わかっ……」

 返事をしようとした瞬間、背後に寒気が走った。確かめる暇もなく、俺は思いっきり横へ飛んだ。


 ターーーンッ!


 直前まで俺の頭があった場所を、銃弾が通り抜ける。転がりながら顔を上げると、そこにいたのはあの時の男――張だった。


「今度は逃げない。殺す(中国語)」

 言葉は分からないが、殺気だけで十分伝わった。奴の手にはライフル。多分、対ナノマシン弾だ。


 装填するわずかな隙。俺は一気に突っ込む。


 だが距離が足りない。張が銃口を向ける。一か八か、構えを捨ててショットガンを発砲した。


 ダァンッ!


 運良く、弾丸が張の右肩を吹き飛ばした。張は苦悶の表情でライフルを落とす。俺は即座にそれを蹴り飛ばし、追撃で顔面を狙ったが、発砲音だけが響く。奴はひらりと避けていた。


(王と言いこいつと言い、銃を避けるなよ!)

 毒づきながら放った前蹴りは、見事に奴を怯ませた。


 いける。喰らえ、必殺!ステップサイドキック!


 ――は、紙一重でかわされた。それどころか、流れるような動作で右手の関節を極められる。


 ゴキッ!

「……っ!」

 腕を折られ、ショットガンを取り落とした。張はそれを素早く奪い取ると、そのまま俺の心臓に向けて銃口を固定した。


 俺は咄嗟に半身になり、右肩でその一撃を受けた。


 ――ズドンッ!!


 とてつもない衝撃。右腕が付け根からちぎれ飛ぶ。


 脳が焼けるような激痛。だが、この吹き飛ばされる位置は計算通りだ。


 俺は残った左手で、地面に落ちていた張のライフルを掴み取った。


 まだ火を吹く準備ができている対ナノマシン弾を至近距離から張の胴体へと叩き込んだ。…しっかりと。確かに

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