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第20話:【中国最強の男】

 K市の捜査が難航しているとのことで、翌日、徒手の訓練を受けた。


「どりゃあ!!」

 俺はアキラに渾身のバックドロップを叩き込んだ。

「ぐはっ!」

『なかなか調子いいね。次は葵くんとだ』

 モニター越しに高槻の無線が飛ぶ。



「いてててて……」

 葵に腕を絡め取られ、ギブアップ。

 ギリギリで負けてしまった。葵、体術強すぎ。

「昨日と全然違うじゃない。見直したわ」


「えへへ、まあね」

 自分でもわかる。アンナの笑顔を見て、安心したからな。


『惜しかったね、もう少しで勝てそうだったよ』


 高槻も珍しく褒めてくれた。どーだ!見たか、爬虫類!



 後日、高槻は俺たち3人を呼び出した。


「捜査官からK市にリーダーの隠れ家を見つけたと報告があった」

「いよいよですね」

 アキラは静かに覚悟を決めていた。


「リーダーは確保でいいんですか?」

「ああ。ただし、ナノマシン兵だった場合は……すぐに破壊してくれ」

 ――破壊。やっぱり高槻は俺たちを人として見られていない。このトカゲ野郎が!



 K市。


 リーダーの隠れ家は東京にしてはデカい一軒家だった。

「裕、葵は突入! 俺は狙撃で援護する!」

「了解」

 俺と葵は短く返し、即座に動いた。


「あなたはいつも、どうやって突入してるの?」

「いつもピンポン押して正面突破だよ」

「対ナノマシン弾があるんだから、正面突破するなら一人でやりなさい。私は裏に回るわ」

 相変わらず冷たい。まあ、仕方ないか。



 俺は玄関の呼鈴を鳴らした。

『ダレですか?』

 インターホン越しに片言の日本語が聞こえる。

「あ、配達でーす。サインお願いしまーす」

 適当な嘘を吐き、扉の影に身を隠す。

 案の定、直後に散弾が扉を貫いた。

 出てくる気配はない。


 俺はドアを力任せに破壊して中に踏み込む。


 入った瞬間、そこにいたのは巨大な影。


 大柄な男が散弾銃を構えている。でかっ――


――ズドンッ!


 腹に被弾した。衝撃で扉の外まで吹き飛ぶ。

(いてぇ! マフィアのボス並みの巨漢。いや、2メートルは超えてるか?)


 俺は死んだふりをして隙を伺う。


 大男は俺の胸ぐらを掴み、頭を吹き飛ばそうとする。


「もらった!」

 腕ひしぎを仕掛けた――が、大男は異常だった。


 関節を極められているはずの腕を使い、俺ごと振り回して壁に叩きつける。

「がはっ!」

 肺の空気が全部漏れた。


 中国語で何かを呟きながら迫る。


 俺はショットガンを至近距離で発射した。


 だが、大男はそれを予知したかのようにひらりと躱す。


 そのまま体当たりをぶち込んできた。中国拳法・八極拳の構えだ――格ゲー知識だが。

「ごほっ!」

 内臓がズタズタになったのか、壁にめり込みながら血を吐いた。


 こいつ、本当に人間か? 再生が追いつかない。


(やられる!)


 死を覚悟した瞬間、大男が後ろへ跳んだ。


――ターーーンッ!


 アキラの狙撃音が響く。


 男は回避を終え、そのまま塀を飛び越え、闇に消えた。


『今のは……あの身のこなし、体格……ワンだ!』

 アキラの声に動揺が混じる。

「ワン? 誰? 殺されるかと思った……」


『中国最強の殺し屋だ。葵も心配だ。王は逃がしていい。恐らく今の俺たちでは勝てない』

 葵からも無線が入る。

『――こっちも逃げられたわ! リーダーに目をやられた!』


『何!? 怪我をしたのか?』

『催涙スプレーよ……っ』

 あの葵が手玉に取られた。


 リーダーも相当な曲者。


 そして、中国最強の男――王。とんでもない化け物が現れた。

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