第12話:【助っ人】
「二人ともよくやった。奴が口を割るまで休んでいてくれ。まあ、尋問は私がやるからそこまで時間はかからんと思うがね」
高槻はそう言って、冷たい笑みを浮かべながら尋問室へと消えていった。
(なんか高槻って人間味ないんだよな。例えるなら爬虫類)
◇
「なんか、ようやく一息つけるよ……疲れたー」
ビール飲みたい
「裕、お疲れ様!」
「アンナもお疲れ!…飯、食いに行かない?カルボナーラが無性に食べたい」
普段食べないのに
「行くー!」
二人は近くのパスタ店に入った。裕はさっきの戦いで決めたライガーボムの興奮が冷めず、かつての偉大なレスラー、獣神サンダー・ライガーがいかに凄かったかを熱く語り倒した。
「いいか、アンナ、獣神サンダーライガーはジュニアヘビー級でもヘビー級の試合に出るほど強いんだ!特にライガーさんの掌底はな……」
「はぁ……そうなんだぁ。パスタ冷めるよ」とアンナは若干引き気味で完全に苦笑いだった。
◇
後日。高槻が再び二人を招集した。
「二人とも揃ったね。例の武器製造工場の場所が特定できた。これから制圧に向かう」
「高槻博士も?制圧なら、俺たち二人だけ?」
「私はバックアップだよ、現場には既に日本軍の精鋭二人が待機している。彼らの指揮下に入ってくれたまえ」
えー、俺人見知りなんだよね。
「軍のバディだね!工場は壊すの?」
「いや、出来れば無傷で手に入れたい。本部の命令でね、対ナノマシン弾の解析と、中国側の技術を調べ尽くしたいのだよ」
「場所は?」
「工場地帯の一画だ。」
◇
工場地帯の手前に着くと、二人の男女が待っていた。
「彼らが今回の助っ人だ。指揮を担当するアキラくん。そして元暗殺部隊の葵くんだ」
「アキラだ。よろしく頼む」
オールバックで精悍な顔立ちをした、カリスマ性を感じさせる筋肉質の男だ。
「葵よ」
スラッとした黒髪ストレートボブの美人だが、ちょっと厳しそうな顔してる。
アキラは俺とアンナを見て「なるほど」と言った。
「俺のことはアキラと呼んでくれ。二人のデータは見させてもらった。」
「私もアンナでいいよ!」
「私も葵でいいわ」
「あ、じゃあ俺も裕で……」
コードネームとかじゃないんだ。考えてたのに…
「改めて。アンナは俺と反対側で援護と狙撃。葵は潜入。裕は正面から突入してくれ。俺はここで指揮を執りつつ狙撃で援護する。狙撃は俺の専門でもある、任せてくれ。」
アキラの淀みのない指示に、現場の空気が一気に引き締まる。
「テロリストは逮捕?」
「生死は問わん。だが、武器を手にしている奴は迷わず排除しろ。コンマ一秒の迷いが死に直結する。」
アキラの雰囲気がガラリと変わった……いかにもプロって感じだな。
「では、作戦開始だ」




