表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界見浪記  作者: 天空 浮世
エデンの園に堕ちた果実

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

84/104

84

「何が」


「セロ、二階に急げ! おい、サキュエルたちが向かった部屋は」


「こちらです」


 私たちは、眼鏡のメイドを先頭に、三階へと向かった。


 階段を上り、廊下を進むと、一部屋だけ、明らかにおかしい部屋があった。


 廊下の突き当り、扉が吹き飛び床に落ちており、部屋からは黒い煤が噴き出ていた。


 部屋の中はまるで大爆発でも起こったかのようで、家具や壁紙が燃え、黒い炭と化していた。


 窓ガラスが割れ、気振りのほとんどはそちらに流れていた。部屋に入った三人のうち、二人はその場にいた。


 サキュエルとタイヨウだ。部屋の隅でうずくまる様にしていた。

 

 サキュエルは、翼がすこし黒ずんでいるが、ほとんど無傷だ。そして、その腕の中にタイヨウがいた。タイヨウはその衝撃からか、気を失っているようだ。


「お二人とも大丈夫ですか?」


「えぇ」


「一体、何があった?」


 タイヨウ様の身体を見ながらツキ様が聞く。


「あの男の記憶を戻したのよ、そしたらあの男、懐から薬品を取り出して、爆発させたの。とっさにタイヨウくんを抱いて羽で防いだから大丈夫だったけど、危なかったね」


 羽を叩き、ふぅとため息を吐いた。


「申し訳ございません。私がこの屋敷に入ることを許したばかりに」


「いいの、元々来るもの拒まずなんだから。でも、あの男はちょっとお仕置きした方がいいかもだけど」


「それで、あの男は」


「あの窓から逃げてったの、多分町に向かったと思う。ねぇ、お願いなんだけど、あの男を捕まえるの手伝ってくれない?」


「それより、タイヨウの記憶はどうなった」


「それが……あの男に装置を盗まれちゃった」


「……分かった。サキュエルと、セロは私と来い。タイヨウはそこのメイドに任せていいか?」

 

 てへっと自身の頭を拳で小突くサキュエルに、ツキ様は半ば呆れたように言った。


「もちろんよ。久しぶりに腕が鳴るわ」


「お任せ下さい。きっと捕まえて見せます」


 私たちは、タイヨウを預けて屋敷を出た。庭に何か起きた様子はない。


「みなさん、大丈夫ですか~? なにかすごい音が聞こえましたけど」


「男が出てくるのは見なかった?」


「サキュエル様!? 男ですか? 私は見てないです!」


 私たちだけだと 思ったのか、爪をいじりながら出て来たメイドだったが、サキュエルを見て慌てて姿勢を正した。彼女でも、自分の雇い主には真面目らしい。


「そう、なら一体どこに」


 そのとき、町のほうから爆発音が聞こえた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ