第22話
「な、なんだ!?」
「な、何が起きた!?」
「見張りは何をしてる!?」
「襲撃だ! どこの組織かは知らねぇが、俺たちに襲撃を仕掛けて気やがったんだ! 俺たちに喧嘩を売ったことを後悔させてやれ! 皆殺しだァァァ!」
被害はざっと100人ってところか。
んー、手加減しすぎたかな。
いや、さっきは手加減ができなくて1人殺しちゃったんだし、今回は手加減出来てるんだから、その事を素直に喜ぼう。
取り敢えず、よくある定番でいえば1番上にいる奴がボスのはずだから……それ以外はどうでもいいよな。
そんなことを思っているうちに、ゾロゾロと中から人間たちが出てきた。
「ひ、1人……?」
「ッ、ち、違う! ば、化け物だ!」
ん? あぁ、腕がそのままだったな。
まぁいいか。ちょうどいいから、これで殺そう。
一気に殺せるように、もう少し腕を大きくして──
「ひぃ、う、腕が、さ、更に大きく──」
「な、なんの魔法だ!? 誰か! 分かる奴はいねぇの──」
「も、もうダメだ……! お、俺、あんなやつと戦え──」
──そのまま横に振り払った。もちろん軽くだ。
手加減が上手くなったのか、壁にぶつかってぺちゃんこになってる奴らが何人かいるだけで、他は基本的に全員致命傷で済んでるみたいだった。
ま、ほっとけばあいつらはどうせ死ぬし、放置でいいか。
それより、一応聞いておくか。
ボスの居場所は1番上だと思ってるけど……万が一ってこともあるしな。
ちょうどそこに今日の朝、アリアナを殺しにきてたやつがいるし。しかも俺の運がいいのか、無傷だ。
「なぁ、ちょっといいか」
「ッ……な、なん、でしょうか」
「2つだけ質問に答えて欲しいんだよ。そうしたら、殺さずに見逃してやるからさ」
「ッ、わ、分かり、ました」
「そ、それなら! 俺が! 俺ならなんでも答え──」
肥大化している方の手とは反対側の指を鳴らす。
その瞬間、俺の許可無く口を開いていた男は消えた。
昨日の男と一緒で、悪魔の世界に送ってやった。
昨日のことがあったから、もういきなり人間が送られてくるのは慣れてるだろうし、あいつの寿命は2秒ってところかな。
「ぁ、ぁぁぁぁぁ……」
「じゃあ、まず1つ目の質問だ。お前らのボスはどこにいる?」
「う、上です。い、1番上に、い、今も、いる、と思います」
「そうか」
予想通りだな。
「それじゃあ、2つ目の質問だ。今日の朝、1人の令嬢を殺しに向かったな?」
「ッ、ち、ちが、お、俺は、め、命令されて──」
「そんなことは聞いてない。その依頼をしてきた人物を言え。出来るのなら、証拠も寄越せ」
「ろ、ロードリオ家です! そ、そこから、アリアナ・チェントラッキオを殺せって!」
……アリアナの家族とかじゃないのか。
それなら、教えない方が面白そうだし、アリアナには黙ってようかな。
そうしたら、また別の組織から暗殺者が送られてくるかもだし。
「し、証拠なら、ぼ、ボスの部屋にあるはず、です!」
「ふーん、そうか。じゃあ、もう逝っていいぞ」
「あ、あぁ」
俺の言葉と同時に、男は震える足で何とか立ち上がり、そのままゆっくりと俺から少しでも距離を取ろうと離れていく。
「あがっ」
そんな男に向かって、俺は1番近くにあったまだ生きていたボールを掴み、放り投げた。
「ドッジボールだって言っただろ」
こいつには言ってない気がするし、なんなら殺さずに見逃してやるとも言ってた気がするけど……まぁ、一緒だろ。もう死んだし。
そもそも俺は悪魔だ。約束なんて守る方がおかしい。
そんなことを思いつつ、残りの生き残りを適当に片付けた。
パーフェクトゲームも達成したことだし、上、行くか。




