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恋愛白書  作者: 沖南 恭
7/10

第2話 〜酒瓶と私…〜2


           Second

 


 今日は雨か…

外は土砂降りで、例年にない雨の降り方だった。


「今日は凄えなぁ!こんなんじゃお客さん来ねえなぁ!」


私がお店に着いて10分も経たずに、土砂降りの雨が降ってきた

大将も店を閉めるか悩んでいる。


業者さんはこんな雨の日でも何処かで配達しているのかな?


今日は業者さんが配達に来ない日

例年にない土砂降りの雨に、私は業者さんの心配をしていた。


ザー…


雨の音と、テレビでアナウンサーが喋る声

大将が新聞を読んで居眠りする姿


時間だけが過ぎていく…


徐に大将が

「お!こんな時間か!まかない用意しなきゃな」


大将がいつもの時間に私のまかないを作ってくれる

大将の作るご飯が美味しくて、少し太りぎみが気になる


大将のまかないを作る音 テレビでタレントが喋る声 雨の…


ガラ!!


急な扉が開く音に私はビックリして、声を上げる事なく驚いた!



「こんにちは!」

扉を開けて挨拶をしたのは業者さんだった


「よぉー!今日は配達頼んでねぇぞ!」

大将がお店の厨房から、声を上げていた


「いやー!今日はこんな土砂降りだから、他のお店の人達も配達はいいって言うんで、急遽休みになっちゃいましたよ」

業者さんはいつもの笑顔で、大将に答える


「なんだよ!何しに来たんだよ」

大将が嬉しそうに業者さんに問いかける


「この前ご馳走になった手羽先が美味しくて、

こんな時間だし来ちゃいましたよ!」

業者さんは私の作った手羽先を気に入っていてくれていた


「だってよ!手羽先入りまーす!」

大将が私の顔を見て手羽先のオーダーを頼んだ


「はい!」

返事をしたものの、私はキョトンとしながらお店のカウンターの椅子に座っていた。


「こんな土砂降りの雨にありがとな!

まかない食わしてからにするからよ!ちょっと待っててよ」

大将が感謝の言葉で業者さんに問いかける


「まかない要らないです!」

私はまかないを断って直ぐに厨房に立ち手羽先を作った


私の作る手羽先を業者さんが気に入ってくれた。

私の心は弾んだ いつもよりも一層愛情をかけて作った


「はい どうぞ」

私は業者さんの目の前に立ち手羽先を差し出した


「いただきます」

業者さんは一口食べる事に美味しいと言ってくれる

業者さんの美味しそうに食べる表情に、私はまた新しい顔を見たと思い、嬉しい気持ちになった。


「本当に美味しい!手羽先をお持ち帰りで10本作れますか?」

業者さんは私の作る手羽先を凄く気に入ってくれた。 だけど手羽先を、お持ち帰りに…


お店に雨の降る音が鳴り響く


私の頭の中では、この間会った小柄な女性を思い出していた。


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