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恋愛白書  作者: 沖南 恭
1/10

第1話 〜好きな花〜

           好きな花


 春風が吹く午後の日差し 桜の花びらが穏やかな風に乗り空へ空へと舞い上がる

 透き通るように輝く川 小さな生命達がのんびりと泳ぎ暮らしている 

 吸い込まれそうな大きな青空 快晴の空へと鳥達が羽ばたいて行く 


そんな自然の音だけが聴こえる川辺を、ゆったりとした歩調で歩く男女がいた...


綺麗な川…

幼さが残るような声で女子が言う


近くにこんな綺麗な川があったんだね

優しい口調をした男子が答える


男女は色々な会話をしながら、川辺の近くで穏やかに楽しい時間を過ごしていた


再び歩き始めた男女

途中、鮮やかに広がる花を見つけた



わぁー凄い綺麗だね

繊細な声で男子が言う



雪割草だぁー

ホント綺麗だよね

少し掠れた声で女子が答える



雪割草かー

綺麗な花だね



うん

好きな花なんだ


         

           First



 田舎町の高校に通う男子がいた。

冬の終わり春が始まる頃、男子は病にかかった。


男子は、それほど驚くことはなかった。

自分の身体が少しづつ病に侵されている

その異変には気がついていた。


病が分かるとすぐ入院することになった。

男子の親は凄く悲しがっていた。


医師は治るからと気休めの言葉を言うが、男子は医師の言葉など信用していない。


『そんなの嘘だ』と、悲観に考えていた。


冬の初め真夜中に目が覚めると 男子は眠れなくなり病院内のロビーに居た。

月明かりが照らす窓をボーッと眺めていると、暗闇から音もなくスッと人の影が現れた。


男子は見廻りの看護師さんだと思い、思わずソファーの後ろへと隠れた。


…『あれ?誰もいない?

そう言えば、看護師さんが見廻る時に使うライトが光ってなかったなー』


男子がそう思った瞬間背後に人影が…


『わぁー!』

と、声を上げて驚く男子

驚きの声と共に、現れた人物は声をあげずに驚いていた。


『えっ?誰?』

おもわず聞く


「私も院内の患者、都内の高校に通っていた2年生だよ!いつも一人で本読んでる人だよね」

ハキハキとした口調で喋る


「ねぇねぇねぇ!そうだよね!」

その人物は男子の向かいの椅子に座った。


目がまんまるになる程の表情をする男子

その向かいに座った人物は、黒髪が綺麗で可憐な女子だった。


女子はクスクスと笑いながら

「そんな顔もするんだね」

と、言い放つ...


2人の出会いだった。


...


「じゃあん!オセロゲームしよう!」

女子は毎日のように男子の部屋に来ていた。


ベットで横になる男子は

『今、本読んでるから』と素っ気ない態度をする


「なんで!なんで!私ゲームしたり、お話とかしたい!」

女子は男子に要求する。


男子は不満な表情を浮かべながら、渋々女子の要求に従ってあげれる。



…数日が立ち



「ねぇ!今日もさ夜中にロビーで会おうよ」

女子が男子の部屋へやって来ては約束を取ろうとする。


『今日は辞めようと言う男子』


「なんで?」

と頬を膨らまして男子を見る女子


『だって毎日会ってたら看護師さんに気づかれちゃうよ』

自分の思いを言う男子...


『先生や看護師さんにバレたら会えなくなっちゃうよ』


女子は少し考えて

「そっか!そうだね!バレたら会えなくなるね!それは、絶対やだ!」


『でしょ』


「分かった。じゃ明日は会ってね」

と、約束を決める女子。


『うん』


出会いから数日が経ち男女は約束を取るまでの仲になっていた。


お互いの心が徐々に惹かれあっていった。


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