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第八話

虎侍side...


今日は朝から荷物の整理という名の大掃除をさせられた。俺今日、今から旅に出る予定なんだけど…しかも今の時代、車なんて便利なものなんてないだろ?一日歩き通しなんてざらになるんだろうな。

何でもっと文化が進んで交通手段が便利になっている時代にならなかったんだろ。いやその前に異世界に来たところから何とかならなかったんだろうか…思ってみてもどうにもならないな~でも帰る手段探さないといけないし

Help m e!!!!家に帰してーーー!!!もうこの際宇宙人とかでもいいから助けて!!



何も起こらないぜ……悲しい。



「虎侍君?どうかしましたか?」


「いえ…」


「そうですか。あとこの傷薬と包帯と腹痛に効く薬も入れときますね」


「…はい」


荷物整理が終わったあと先生が来て慌しく色々旅の荷物を詰め始めた。大き目の鞄なのにもうパンパンだ。



どんだけ入れるんだよ。鞄がはち切れるって。服は思ったよりかさばらなかったのに、あーそんなにギュウギュウ圧したら駄目だって!!!


「これくらいあれば大丈夫でしょう」

先生すげーいい汗掻いてるし。鞄が最初の3分の2ほど膨らんでる。服の他に何入れたんだ?

「はい…」




「遅かったな」

あ、昨日の確か志真 雷聖とか言う人。やっぱり髪、赤いな元の世界でも結構目引くねぇ。あれって地毛?天然ものだろうな。すげー。というか着物じゃないんだ。


雷聖は昨日のうちに洗い屋から服を受け取っていた。甚平の作業服のような服を着て靴はブーツのような頑丈そうな靴に、腕には肘まである手甲。腰には革のベルトに小太刀を差し、首にはアクセサリーのように大き目の鎖を巻いていた。


「すみません。あ、これおにぎりです途中で食べてください」

え、いつ作ったんだ?ずっと居たよ?詰め始めたときに3分ほど居なかったけどそのときか?こっちもすげー。


「ああ、ありがとう。虎侍も準備はいいか?」


雷聖は何かの葉のに包まれている2人分のおにぎりを受け取りながら虎侍に聞いた。


「…大丈夫……」


あれ、俺、名前言った?でも今言ってたしいいか。


自分の中で疑問を完結させる虎侍。

雷聖は扉の方にもう進んでいる。慌てて荷物を背負って追いかけようとするが、思った以上に荷物が重かった。


ええ?!多い!!!重!!あー!!旋術使お。


瞬間、全身に『旋』が駆け巡る。そして荷物は簡単に持ち上り、虎侍は雷聖を追いかけて扉を潜る。町の活気にもそこそこ慣れてきたが、今日でお別れだと思うと少し寂しい。


「虎侍君、記憶が戻っても戻らなくても一度は帰ってきてくださいね」


「…はい…ありがとうございました…」


別れを惜しみつつ診療所を後にする2人。


歩いていると町の人の視線が雷聖の髪の毛や瞳に集まっているのが分かる。



やっぱりどこの世界でも赤い髪って目を引くのか?元の世界でも赤毛は一番少ないらしいって聞いたことあるし、でも本当に色々髪の色があって面白いな。俺も茶髪に染めたかったけどじいちゃんに怒られたしな。怖かったな~あの時は…


雷聖はあまり気にしていないようなので虎侍も気にせず黙々と歩いていく。門を潜り街道を歩いていく。全く喋ることのない2人。


気まずい!!!!!ヤバイ!!なんか気まずい!!でも俺からは無理!話せない!!だって厳ついんだもの!!!笑った顔は以外と優しそうだったけどやっぱりちょっと無理がある!!!てか俺無口過ぎる!!!ここは怖くてもよろしくとか言うとこいろだろう!!!


「……………」


ああぁぁぁあああ!!誰か俺に話術を教えてくれぇぇぇぇええええ!!!!!



「虎侍。お前、記憶喪失なんだってな」


は、話しかけてくれた!!!これならいける!!!


だが、口は動かずコクリと頷いただけだった。


な、なぜだーーーーー!!!!俺の口はお飾りかぁぁあああ!!あれ、なんで知ってるの?先生か?あ、もしかして名前も先生が教えてくれたのか?ってか俺、旅にまで出て記憶喪失の設定使わないといけないのかよ!!いや、まぁ危なくなったら使う予定だったけどまだ全く危なくないよ?自転車を補助輪付けて走っているようなもんだよ?


「先生に言われてな。お前に1人で旅をしても大丈夫なように最低限のことを教えることになった。依頼の町まで5日はかかる、その間に出来るだけ教えるからちゃんと覚えとけよ」


「分かった…」

先生ありがとうーーーー!!!正直言ってこの世界の金銭とか常識とか全く知らないし。俺1人でとは思ってなかったけれどぼったくられても全く分からないところだった。危ねぇー。旅は計画的にしないとな。


「まぁ、その前に荷物持ってやる。旋術使い過ぎると倒れるぞ」


「…大丈夫……」


虎侍の返事も受け流し、ヒョイと虎侍の背負っていた荷物を奪い楽々と荷物を持つ雷聖。意外と逞しい体をしている。


「お前が倒れたら荷物が増えるだろ?」


ああ。俺が荷物になるってことね。あれだけ重い荷物持ってるのに旋術使ってる気配全くしないし。昔の人はすげーな。あ、でもここ異世界だ。



この後昼食を食べるまで歩き続け、その間様々なことを雷聖は虎侍に教えた。

この世界の通貨は元の世界の100円玉ほどの大きさで1銭、2銭で呼ばれている。1銭の価値は、大体もとの世界の100倍つまり1銭は元の世界では100円の価値になっている。

一食を飲食店で買うなら10銭ほど。宿なら30銭。1銭未満の物はまとめ売りになっている。

そして100銭は500円玉ほどの大きさになっている。そして1000銭は商人などのお金を扱う者しかもって居ないが。500円玉を一回り大きくなって分厚さも2枚分の大きさになっているらしい。

雷聖は100銭までしか持っていなかったので1000銭の実物は分からなかった。


ここで昼食を食べ一息つきそしてまた歩き出す。この時点で虎侍の中では徒歩で進んだ距離は過去最高に達しようとしている。


魔物は休眠期を北と南で交代するようになっている。今2人が居るサハサラ地方は南の方で、今は南が魔物は休眠期となっている。武人はそのため今は殆どが北の方へ行ってしまい、少し大きい町などでは数人の武人を雇うところもあるらしい。

武人は東と西の魔物を倒すことを主にしている。そして東と西には武人専門の大きな町があり、そこに拠点を置くところが多いらしい。雷聖は気ままな一人旅をしているため拠点を持っていないが将来的には持ちたいと言っていた。

そして北と南は都の役人が魔物を倒すのことを主としている。だが、役人が足りないときなどは旅をしている武人に依頼をするために求人板を作っている。

求人は7級までは武人として生活をしている人でなくても倒せるため一般のものとして扱っているが6級からは武人が専門としないと危険なため役所の中で扱っているらしい。

外の求人板に張ってある求人は役所で依頼書として契約をしたという証を必要としていない、そのかわり魔物を倒したという証のために魔物の一部を持っていかないといけないらしい。



結構グロいぜ…一部って耳とかそういうのだろ。俺無理…5級でよか……


全然よくなぁぁぁあああい5級なんて無理だよーーー!!!!なんか前にも言ったけど無理―――!!!


ただ歩いただけで夜になってしまい、雷聖が安全な寝床として、旅をする人達が安全のために野営をしているところがある。宿などはないが移動式の屋台が数件あるので商人たちや旅をしている人達でそこそこ賑わっている。今日はここで一夜を過ごす。虎侍は、野宿が初めてなので少しワクワクしている。

夕食を屋台でとり野営の喧騒の中、夜は更けていった。


ちょっとスランプ気味;;更新遅くなりそうです。更新はしていく予定なので暇つぶしに見ていってください。

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