はじまりの始まり 8
彼女は笑顔で
「そうそう、立花って家から変な音がしてそれを調べに行ったら見つけたの」
でもそれのせいで知り合いがAIシステムに今追われているみたい
と告げた。
が、それに青年が慌てて
「おいおい、密告されたら俺たち」
と口を塞いだ。
彼女は笑って
「10歳の僕だよ~」
と告げた。
春彦は笑むと
「俺、言いません」
と言い
「その、AIシステムに追われている人の名前……教えてもらえますか?」
と聞いた。
青年は腕を組むと
「坊主、そう言う時は名前を名乗れ」
と告げた。
体育会系である。
春彦は笑むと
「俺の名前は……島津春彦です」
と告げた。
彼女は笑顔で
「私は黄翁ゆりでこっちが朱雀章」
と青年を指差して告げた。
春彦は頭を下げて
「黄翁さんに朱雀さん、教えてください」
と告げた。
朱雀章はそれを見て
「おおお、礼儀正しい」
というと
「まあ、もうAIシステムに追われているってことだから良いか」
と呟き
「土方蓮って奴と睦月青夜と文月親子と神楽さんと蒼槻さんと……咲良家康さんって人」
と告げた。
それに春彦は笑みを深めた。
「咲良……家康」
あの蒼槻さんって名前は?
章はそれに
「蒼槻すなおさんだったな」
小説の紋章持ってた
と告げた。
春彦は頷いて
「それでお二人はさきほど八坂神社から四条通を鴨川よりに二筋目って言ってたけど」
と告げた。
ゆりは頷いて
「そこにもう一つあるって」
と言いかけてキキキという大きな音と共に新幹線が減速して止まるのに前につんのめって春彦に突っ込んだ。
「ごめーん」
春彦は笑いながら
「あ、大丈夫です」
と答えた。
電気が消え去り静寂が広がり、暫くして騒めき始めた。
窓の外を見ると車や信号は問題なく動いている。