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名探偵の系譜  作者: 如月いさみ


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それぞれの未来 ENDING

旧システムを土台に新しい時代が多くの人々が知らない内に始まった。


AI政治システムではなく政治は人が行う人の政治システムの回帰である。


先ず警察機構、裁判所などが復活した。


適性検査は廃止され称号も廃止された。

人は働いて生活することになる。


ただ自分で職を選ぶことができるようになったのである。

そのまま続けても。

新しい職についても。

それは自由であった。


また養育施設は残ったが、育てたい親はそのまま子供を育てることができるようになった。


使える費用などはこれまで通りの形であった。

働いた分だけ費用が増える形で学生は勉強した分だけ使えるという形であった。


それから半年後に子供が生まれるのを機に那須幸二は黒崎暁と結婚した。

田端修三は那須家のメインシェフとして結婚式の料理も担当したのである。


颯希は有馬伊織と探偵としてあちらこちらを飛び回っているが海埜みやびから言うと

「そうですねー」

探偵…というには…ちょっとね

「でも暗号はずば抜けてできているみたいですけど」

最近はもっぱら暗号解きになっているみたいですわ

と曖昧な笑みではぐらかす形であった。


柄本聖也は相変わらず海埜家の地下の本で色々な発明をしていた。

「みやびがこの本たちとみやびを永遠に手に入れていいって言ってたからな」

ゆくゆくは結婚するつもりはある

「ただシステムの決算の時に泊まり込みで大阪にいるのがな」

寂しい…


そういうことらしい。


一色颯希は有馬伊織とバイクに乗りながら

「今日は暗号解読らしいわ」

大阪府の箕面の山の古い家で見つかった古文書に描かれていたらしいの

「何か宝があるとか」

と告げた。


有馬伊織は笑むと

「よし、じゃあ行くか」

と告げた。


島津春彦と元の名前に変えた妻越ハルヒは颯希が箕面の山の古民家に行っているころ新潟へと訪れていた。


新潟の遅い春が訪れており桜の花が所々で薄紅の花を咲かせていた。


彼は一軒の家の前に立つとインターフォンを押した。

そして、一人の女性が扉を開けると目を見開いた。

「…貴方は」


春彦は微笑むと

「ただいま…全てが終わったから」

また旅立つけど

「会いに来ました」

と告げた。


彼女は微笑むと抱きしめ

「お帰りなさい」

春彦ね

と名を呼んだ。


花弁が舞い穏やかな風が流れていた。

それから三カ月後…AI政治システムが開始されてから途切れていた日本広域会議が行われたのである。


西日本と。

東日本と。

九州と。


これからの人の社会として日本の在り方が話し合われたのである。


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