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はじまりの始まり 7

 春彦は泣きながら抱きしめ返すと

「行ってきます」

 此処が俺の第二の故郷で

「貴方はやっぱり俺の母だ」

 と告げた。

 

 ……どんなに遠くに離れても戻る場所が故郷だから……

 

 春彦は家を出ると笑子に長岡駅まで送ってもらい、そこから新幹線に乗って東京へと向かった。

 

 旧システムにアクセスして状況はある程度把握している。

 春彦は流れていく景色を見ながら

「これからどうするか」

 AIシステムの本体の場所は分からなかった

「手掛かりがあるとすればAIシステムを作った改新の基礎を築いた黒崎零里の周辺を調べ直していくしかないか」

 と呟いた。

「彼の人生を紐解いていくしかない」

 確か愛知県だったな

 

 彼はそう呟き

「先ずは愛知県に行くか」

 それとも

 と目を細めた。

 

 東京に到着すると東海道新幹線に乗り換えた。

 意外と多くの人が乗っていた。

 

 春彦はホームで停まっている新幹線の5号車に入りチケットを見て

「12列A席か」

 と座席まで行くと騒がしい男女を見て目を見開いた。

 

 ボックス型になっておりそこにギャアギャアと話をしている青年の少女がいたのだ。

 呆然と立っている彼に少女は顔を向けると

「あ、もしかして僕12列のAかB?」

 と聞いた。

 

 春彦は頷いてチケットを見せて

「12列のAです」

 と答えた。

 

 少女は笑顔で

「そっかー、座って座って」

 と言い、隣で欠伸をしていた青年が

「ゆり、それで寝ているところを叩き起こしてどこへ連れて行くっていうんだよ?」

 と告げた。

 

 少女は携帯を見ながら

「東京の方は土方君たちが向かってるらしいから」

 私たち京都ね

 と告げた。

「京都の八坂神社から四条通を鴨川よりに二筋目」

 

 青年は驚いたように

「で?そこに何が?」

 と聞いた。

 

 春彦は座りながら正面の2人を見つめた。

 

 ゆりと呼ばれた少女はきりっと

「ほら、この前見つけたAIシステムの書類あったでしょ?」

 と告げた。

 青年は思いついたように

「ああ、あの那古野の廃墟のな」

 と告げた。

 

 それに春彦はハッとすると

「那古野って名古屋駅の近くの」

 と聞いた。

 

 今から行こうかどうしようか迷っていた区域である。

 しかもAIシステムの書類と言うと……改新からのモノだ。

 

 自分が探そうとしていたモノかも知れない。


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