回帰 7
ハルヒは動きを止めると彼を見た。
波多野大気はハルヒを引き上げて床に座ると
「…貴方には責任がある」
それを忘れないでもらいたい
と告げた。
「これからの西日本を立て直すこと」
そして
「九州へ戻ってきてください」
俺の祖先は貴方の帰りを待ってますよ
ハルヒは涙を落とすと
「すまない、ありがとう」
と告げた。
那須幸二もまた目を伏せると
「俺も間違えていた」
と呟いた。
「奴をただ追い詰めるだけじゃなくて…違う形を考えるべきだった」
そして黒崎暁を見ると
「貴女とその子供を友の代わりに守ってもいいだろうか?」
と告げた。
「もう黒崎の血を悔やんで生きなくていい」
世界はいま変わったんだ
黒崎暁は泣き崩れると
「…ごめんなさい」
それから
「ありがとうございます」
と告げた。
黛和斗は彼の一族の墓に埋葬された。
颯希はベッドに横になりながら戻ったハルヒと那須幸二と黒崎暁から全てを聞き
「そうか」
と言うと
「私は猫くんがそう言ってくれて良かった」
憎んだり恨んだりしてしまうけど
「でも復讐は相手を殺したりすることじゃなくて…心から悔いて過ちだと心に刻んでもらうことでいいと思う」
と告げた。
海埜みやびも微笑んで
「そうですね」
黛和斗と言う人間もある意味では
「祖先の呪いの中で生きていたのかもしれないですわね」
際限のない欲望に彩られた呪い
と言い
「それより、今は普通の状態みたいですけどどうなっているんです?」
と聞いた。
有馬伊織も驚きながら
「確かに!」
政治システムが破壊されたら俺は電気も何もかもが停止すると思ってた
と告げた。
柄本聖也も田端修三も頷いた。
ハルヒは息を吐きだし
「元々政治システムは旧システムの上に乗っかったものだったから旧システムが管理している」
ただ旧システムには適性検査も称号と言う考え方もないからな
と告げた。
「今度の4月の適性検査までにどうするか決めて運用していくことになる」
あと区画の政治的決算は人がするからそれだな
そう言ってチラリと那須幸二を見た。
「まあ、最低一人いたら十分運用はできるがそうなると休む暇が無くなるからな」
九州から一人呼び込む
「それから俺もする」
とりあえず三人体制で応急的に運用する
颯希がそれに
「あ!人が人と扱われる…その…人を害した人がちゃんとペナルティを受けるようにしてほしいわ」
と告げた。
それに海埜みやびが
「警察、弁護士、裁判官…司法の復活ね」
と告げた。
「私もその運用手伝うわ」
旧システムの歴史ならわかっているんですもの
ハルヒは笑むと
「頼む」
歴史書の中に恐らく旧法律の内容があると思う
「それを探してほしい」
と告げた。
「それを元に…更に今の在り方に多くの人は慣れているので運用はそこを考慮しながら行っていく方が良いと思う」
それに全員が頷いた。
これから新しい時代が始まるのである。
人が人として生きる世界の始まりであった。




