表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
名探偵の系譜  作者: 如月いさみ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

67/70

回帰 5

那須幸二も田端修三も一緒に思いっきり引っ張るとドンッ!と言う音と共にサイレンが一瞬止んだ。

が、再び復旧したのである。


『電源異常のため予備電源に切り替えます』


柄本聖也は頷いて

「予備電源ならそう長くはもたない」

と告げた。

「一日か二日…この消費電力なら一週間がせいぜいだ」


ハルヒは頷いて波多野大気を見ると

「頼む」

と告げ

「退避!!」

と叫んだ。


それに全員が駆け出し、殿を務めた波多野大気が爆弾の起爆装置のスイッチを入れて駆け出したのである。


爆弾のタイマーがカウントダウンを始め、全員が地上へ上がりロボットを処理した機動隊員に波多野大気が

「全員この一角から退避!」

と叫び、全員が立ち去った瞬間にドンッと言う音と振動と共にバタバタとロボットが倒れ落ちた。


街も一瞬だが電力が落ちた。

列車は止まり誰もがハッと空を見上げた。

が、次の瞬間に電力が復旧すると東日本のAI政治システムが破壊されてから動いていなかった新幹線や境界線で運行していなかった列車以外は再び動き出したのである。


それに那須幸二はハルヒに顔を向けた。

ハルヒは笑むと

「いま旧システムが起動して運用を始めてる」

元々AI政治システムは旧システムの通信網を利用していただけだからな

と告げた。


那須家にいた颯希や有馬伊織や海埜みやびも一瞬驚いたものの直ぐに元に戻ると顔を見合わせた。


颯希は窓を見つめ

「もしかして…」

と呟いた。


海埜みやびは微笑み

「これは歴史書に私が記載しないといけないわね」

と告げた。

「ドキドキするし不安だけど」

新しい時代の始まりだわ


それに颯希も有馬伊織も頷いた。


ハルヒは波多野大気に

「悪いが、大阪府庁の屋上に俺を下ろしてくれ」

と告げた。

「黒崎零里の末裔がいる」


それに那須幸二も

「俺も連れて行ってくれ!」

と告げた。

「親友の愛した女性と子供だ」


ハルヒは戸惑いながら田端修三と柄本聖也を見た。

それに田端修三はドンッと胸を叩くと

「俺と彼は大丈夫です」

俺は免許持っているので車をお借りしますが名古屋まで戻れます

と告げた。


那須幸二は頷くと

「頼む」

と告げた。


波多野大気は小型機から降ろされたロープを手にハルヒの身体を固定すると手を振った。


続いて那須幸二を上にあげて自身もロープで引き揚げてもらったのである。


残った二人に

「申し訳ないが」

後を頼む

と言うと敬礼して小型機へと戻った。


次々と機動隊員もそれぞれの小型機へと戻り立ち去ったのである。


柄本聖也はあっという間の掃討劇に

「凄い…かなり訓練されてるって感じだな」

と呟いた。


田端修三は跡地を見て

「これだけぼっこりと崩れ落ちているとしたら…もう復旧は無理だってことだな」

と言い感慨深く

「滅びる時は本当に一瞬だって感じだな」

と呟いた。

「でも、これで新しい時代が始まる」


それに柄本聖也は

「始めるんですよ」

と告げた。


二人は車に戻ると大切な人が待っている名古屋へと向かった。


ハルヒと那須幸二は大阪府庁の屋上に波多野大気と共に降り立つと屋上の扉を破壊して最上階にいる黛和斗の元へと駆け付けた。


最後の決戦であった。


黛和斗も既に異変を理解しており、二人が部屋の中に入ると黒崎暁に銃を突き付けて立っていた。

「たかだか一般人と思っていたのに…何故AI政治システムの本体の場所を知っていたんだ」


それにハルヒが警戒しながら

「東日本がAI政治システムを破壊した時に俺は東日本にいた」

その時に西日本の本体の場所も偶然だが知りえることができた

と告げた。

「恐らく黒崎零里は一番信頼できる人間の元にも情報を残していたと思う」

もしもの時の保険として


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ