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名探偵の系譜  作者: 如月いさみ


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回帰 2

静寂の時間が続いていた。


医師の称号を持つ人物は手当てを終えると息を吐きだして

「打撲は酷いですが」

腕と肩の骨折以外は大きなケガはありません

「暫くは固定して動かさないことです」

と告げた。

「いま眠っているのでこのまま安静にさせてあげておいてください」


それに有馬伊織は大きく息を吐きだして

「良かった」

と言い携帯を出すと

「海埜さんと柄本君に連絡しておきます」

とボタンを押した。


ハルヒは笑むと

「頼む」

と言い、那須幸二を見ると

「黒崎暁が攫われた以上は悠長には構えていられない」

と告げた。

「いま頼んでいるものが用意出来次第に九州の波多野と共に動く」


それに那須幸二は不敵に笑むと

「私も共に」

これは友の弔い合戦

「貴方が何を言おうと引きません」

島津春彦さん

と告げた。


ハルヒは頷くと

「わかった」

と言うと有馬伊織を見て

「有馬くん」

と呼びかけた。

「颯希のことをお願いできるか?」


有馬伊織は笑むと

「もちろん、俺を人と人の間に連れてきてくれた」

一色さんを守ります

と告げた。

「いや、海埜さんや柄本くんも」

俺ができうる限り


ハルヒは目を見開くと

「それが…人間だ」

と言うと

「頼む」

と颯希の横に立ち

「颯希、怪我を負わさせてしまってすまない」

もしあの時点でもしものことがあったら

「俺は一色に顔向けができなかった」

と告げた。

「君の祖先の一色一颯は…俺の大切な探偵仲間であり友だった」

あいつを死なせてしまったのは俺の落ち度だ

「だからこのAI政治システムを必ず破壊する」


それに颯希は震える手でハルヒの手を握りしめた。

「私は?」

私は猫くんの何になるのかな?


ハルヒは目を見開くと

「大切な探偵仲間で…大切な家族だ」

と告げた。


颯希は微笑むと

「一番大切な時に…ごめんね」

でも私も一緒に戦ってるから

「私にとっても猫くんは大切な探偵仲間で…家族だよ」

と告げた。


ハルヒは微笑み

「じゃあ、行ってくる」

と踵を返すと有馬伊織を見て頷くと那須幸二と部屋を出た。


そこに田端修三が立っていた。

「俺にも手伝わせてください」

俺は確かに間違ったことをしました

「でも正しい道に戻してくれた」

一色さんと貴方の手伝いがしたい


ハルヒは笑むと

「頼む」

と頷いた。


三人が立ち去ると有馬伊織は颯希の横に立ち

「何だろ…すっげ、モヤモヤする」

と呟いた。

「あの猫ちゃんが羨ましい」


颯希は微笑んで彼の手を掴むと

「有馬くんは大切な友達だからね」

ありがとう

と目を閉じた。


友達。

もっと、もっと、颯希に求められたい。

猫くんと呼ばれている妻越ハルヒのように。


それをヤキモチということを有馬伊織は知らなかったのである。


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