急転直下 4
ハルヒは「ま、いいか」と黒崎暁の横に立つと
「この皿運べばいい?」
と聞いた。
彼女は頷くと
「ありがとうございます」
と答えた。
夕食は野菜炒めであった。
タレの匂いが広がり二人の食欲をそそった。
三人で食事を終えるとそれぞれの部屋へと戻った。
その夜の闇の中で町のあちらこちらで人知れずロボットが徘徊していたのである。
翌日、颯希は名古屋高校で海埜みやびと有馬伊織と柄本聖也の三人と待ち合わせをして家へと連れて行った。
ハルヒは黒崎暁に
「申し訳ないけど、那須幸二以外の人が来ている間は」
と告げた。
彼女は微笑むと頷いた。
「わかっています」
私とこの子のためだと
「だから気にしないでください」
ハルヒは微笑むと
「君と子供は守る」
と告げた。
彼女は静かに頷いた。
10分ほどして三人が颯希とともに姿を見せた。
有馬伊織が玄関を上がりながら
「お邪魔しまっす!」
と大きな声で告げた。
海埜みやびはにこやかに
「お邪魔いたします」
と頭を下げながら上がった。
柄本聖也は一番普通に
「お邪魔します」
と足を踏み入れた。
それに台所からハルヒが姿を見せると
「いらっしゃい」
と笑みを浮かべて答えた。
最初に声を上げたのは海埜みやびであった。
「あ、本当にきれかわな子だったわ」
颯希はそれに
「え?私の審美眼を疑ってた?」
と告げた。
有馬伊織がそれに
「疑っていたから驚いているんだろ」
とさっぱり答えた。
柄本聖也は息を吐きだして
「それに関しては俺は介入しない」
とさっぱり我関せずを決めた。
海埜みやびはクスッと笑うと
「疑ってたわけじゃないけど一色さんのきれかわのレベル分からなかったし」
と答え、ハルヒを見ると
「初めまして、私は海埜みやびです」
名探偵猫さん
と告げた。
ハルヒは彼女を見ると目を見開くと
「海埜って海の林に土の『埜』?」
と聞いた。
彼女は笑むと
「ええ、よく分かったわね」
結構珍しいのよ、この苗字は
と答えた。
ハルヒは笑みを深め
「知り合いに同じ苗字の人がいたからね」
と言い
「どうぞ」
と台所へと誘った。
颯希も同じように
「どうぞ」
と台所へと入った。
そして、全員が座ると颯希がお茶を出した。
ハルヒは3人と対峙するように座り
「それで、何で俺に?」
と聞いた。
海埜みやびが口火を切った。
「今のAI政治システムが100年程度だっていうことを猫ちゃんが言っていたと聞いたので」
私が祖先から引き継いだ書籍の歴史書が真実か知りたいと思って
ハルヒは目を細めると
「祖先から引き継いだ…歴史書…」
と呟いた。
柄本聖也がそれに
「ああ、海埜さんの家の地下にはお宝のような本が山のようにある」
俺は上級電気技能士の称号を得たんだがその本のお陰なんだ
と告げた。
有馬伊織はハッとすると
「それで柄本くんは海埜さんに頭があがらないんだ!」
と目を向けた。
柄本聖也は深く頷いた。
ハルヒは大きく目を見開いて柄本聖也を見つめた。




