新しい時代への仲間 7
颯希は彼らを見ると
「このAI政治システムが始まったの…たかだか100年程度だって猫くんからきいて」
その昔の書籍からその前の世界が分かるかもしれないと思って
と告げた。
夕焼けの空が彼らの影を校庭に長く描いた。
3人は誰もが言葉を失って彼女を見つめた。
今の。
絶対的AI政治システムの世界が100年程度しかない。
それは彼女たちからしたら衝撃であった。
今回の事件は彼女たちにとっても他人事ではなかったからである。
人生全てがレベリング。
ずっとレベリング。
ただそれだけを熟していくだけなのだ。
だから、人との接触よりもレベリングなのだ。
だが。
だが。
それが時折とてもむなしく感じる時があるのだ。
海埜みやびは微笑むと
「良いわ」
その代わりその100年程度って話を詳しく聞きたい
「私、わかったの」
こうやって人と人が交わることはとても大切なことだって
と告げた。
「そういう世界にしたいわ」
彼も微笑み
「ああ、そうだな」
俺はそういう知識はないが
「上級電気技能士だからそれこそ電気関係は任せてくれ」
海埜さんの家で色々勉強しているからそれなりの知識はある
と胸を張った。
颯希は笑顔で
「ありがとう!」
と言うと足早に落ちていく夕日を見て
「そろそろ帰らないと猫くんが待ってるし」
皆のことも話したいし
と告げた。
3人は同時に
「「「その猫くんって誰?」」」
と聞いた。
颯希は踵を返して
「そう!また紹介するよ!」
と言うと手を振って
「また明日―」
と告げた。
それに3人とも笑顔になると手を振った。
「「「また、明日―!」」」
この出会いが新しい時代の扉を開く原動力となるのであった。




