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名探偵の系譜  作者: 如月いさみ


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新しい時代への仲間 6

ハルヒは立ち上がると

「一応、調べておくか」

と言うと部屋を出て黒崎暁を見ると

「今から那須さんところへ行ってく」

と家を出た。


その頃、ちょうど有馬伊織が処理班の人間を連れてきて颯希を見た。


颯希はその人物に

「この水筒の中身の確認と指紋もお願いします」

あの棚の湯飲みもお願いします

と告げた。

「私、探偵の称号を持っていてこの配信中断の案件を調べているので結果を全て知らせてください」


処理班の人間はハッとすると

「わかりました」

と答えた。


颯希は頷いて

「あと藤堂先生の意識が戻ったら知らせてください」

お話を聞いて案件の結果を名古屋高校の方に知らせます

と告げた。


彼は頷いて

「わかりました」

と答え、水筒と湯飲みを回収して立ち去った。


入れ替わるように柄本聖也が姿を見せた。

「おい、こっちは俺に任せて放置かよ」


それに颯希が慌てて

「あ、ごめん」

助かった

と告げた。


柄本聖也は慌てて

「あ、いやいやいや」

と罰が悪そうに海埜みやびを見た。


彼女はにっこり笑うと

「柄本くんのこと信頼してるから」

ありがとう

と答えた。


柄本聖也はフムッと顔をしかめた。


それに颯希と有馬伊織は同時に笑った。

颯希は二人に

「仲いいんだ」

と告げた。

有馬伊織も頷きながら

「こういう人間関係初めて見た」

いや初めて気づいた

と答えた。

「お前らのことも周りも全然見てなかったからな」


それに二人とも文句言いかけて言葉を止めた。


確かにそうなのだ。

自分たちもそうだったのだ。


その直後に颯希にハルヒから連絡が入った。

ハルヒは彼女に

「犯人と思しき人間が分かったから、その人物に何か触らせて指紋を取っておいてくれ」

と告げた。

「多分今日は来ていると思う」

まあこの騒ぎで驚いていると思うけどな


颯希は驚いた。

だが、ハルヒの言うとおりに他の教室で講義をしている水谷という教師のところへ綺麗にコップを持って行った。


水谷は驚いて彼らを見たが颯希は

「事務の人に頼まれたんです」

いま藤堂先生が喉乾いたって言っていたのでもしかして乾燥しているのかもってことで

と告げた。


水谷は講義をしながら頷いて

「ありがとう」

と言うと一気に飲んで颯希にコップを渡した。


颯希はそれを手に立ち去った。


その後に結果を知らせに来た処理班の人に渡して

「このコップの指紋と同じ指紋が水筒についていなかったか調べてください」

と告げた。


処理班の人間を受け取り立ち去り、その後連絡があった。


青の水筒についていた指紋と一致したのである。

同時にその水筒から睡眠薬が検出されたのである。


即効性はあるが利きは短い睡眠薬であった。


そして、気が付いた藤堂から話を聞くとここのところ時々だが疲れて寝る時があったという話でそれは残業して青い水筒でお茶を飲んだ時だということであった。


残っていた水谷から起こされることが多かったというのである。


ハルヒが颯希に名古屋高校の教師のレベリングの報告数値を渡した。

颯希はそれを藤堂に渡すと水谷の報告値が自分の入れている数値と全く違うということに気づき

「このことはAIシステムに報告してペナルティを課してもらう」

と告げたのである。


水谷はその後、学校から姿を消したのである。

ただ睡眠薬を入れたことについてはやはり何も問われることもペナルティになることもなかったのである。


偽数値報告だけがペナルティの対象となったのである。


事件が解決して、既に夕刻になって授業が終わった高校に4人は戻った。

颯希は3人を見ると

「ありがとう、私一人じゃ到底できなかった」

と告げた。


有馬伊織は肩を竦めて

「でも一色が中心に動いてくれたから俺らもできたんだぜ?」

探偵の称号の持ち主だろ?

「凄いぜ」

と告げた。


海埜みやびも笑んで

「そうね」

でも探偵の称号なんてあったのね

「私が父から秘密裏に受け継いだ書庫にあった昔の書籍の中の存在だと思ってた」

最も称号とかなくて“探偵”って名前だけだったけど

と告げた。

「書籍の世界は今と世界が違うっていうか…色々問題も歪もあったみたいだけど」

今みたいに人と人が断線しているよりは私は好きかな


颯希は彼女を見ると

「その昔の書籍…今度見せてもらってもいい?」

と聞いた。

「知りたいことがあるの」


それに3人は颯希を見た。


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