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名探偵の系譜  作者: 如月いさみ


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新しい時代への仲間 5

海埜みやびは写真を撮りながら

「…けど、猫くんって子が名探偵なのかな?」

と心で呟いた。

「とりあえず向こうの男性は眠っているだけみたいだから向こうはそのまま柄本君に任せておきましょ」

そう心で付け加えた。


AIシステムの緊急通報によりやってきた処理班に颯希は

「このお茶の成分を調べてください」

と告げた。


白い服を着た処理班の人はこぼれているお茶を見て

「…はい」

あの救助者は?

と聞いた。


颯希は冷静に

「いま医務室にいます」

そちらもお願いします

「血液検査とかしてください」

あとお茶の成分と血液検査の結果を教えてください

と告げた。


処理班の人は

「わかりました」

とコップとお茶を袋に入れて医務室へと向かった。


颯希は息を吐きだすと有馬伊織にゆっくり立たせてもらった女性を見て

「あの何度もすみません」

今度こそ経緯をお願いします

と告げた。


女性は頷いて

「こちらへ」

と歩き出した。


三人が黙って付いていくと職員室へ入り

「ここが先ほど倒れられた藤堂先生の机です」

と告げた。

「私たちは殆どあそこの冷蔵庫にいつも常備しているお茶を飲んでいるんですが藤堂先生はそういうのがお嫌いらしくていつもこの青と水色の二本の水筒のお茶を持参して飲まれるんです」


颯希はそれを見て

「なるほど」

と答えた。

「ということはこの水筒からお茶を?」


女性は頷いた。

「はい」

潔癖な方なので普段はこういうことはなかったんですけど

「よほど喉の調子が悪かったみたいで」


颯希は頷いて

「それでコップは?」

と聞いた。


女性は冷蔵庫の横の棚を指さして

「あそこのモノで上に乗っているものを適当に」

と告げた。

「それでこの青の水筒からお茶を入れて持って行きました」


颯希は腕を組んで

「と言うことはこの青の水筒に睡眠薬が入っているか確認が必要ね」

と呟いた。

「ごめん、有馬くん」


有馬伊織は頷いて

「わかった」

と駆けだした。


話の最中でも海埜みやびは机の上の水筒や棚の湯飲みの写真を撮った。

そして、颯希に

「あ、写真送りたいから」

と告げた。

「写真を見せて話した方が良いでしょ?」

猫さん


颯希は頷いて

「そうね」

とメールを交換して写真を送ってもらったのである。


颯希はメールをハルヒに送りその後に携帯をかけると女性から聞いたことを告げた。

ハルヒは写真を見ながらフムフムと聞くと

「この机の上の水筒二本の中身と指紋を取ってもらうこと」

棚の湯飲みも同じく

と告げた。


颯希は頷いて

「わかった」

と答えた。


ハルヒは少し考えて

「あと、その眠った先生が目を覚ましたら水筒の常の飲み方を聞いておいて」

と言い

「…何故そうするか分かる?」

と聞いた。


颯希は考えながら

「二本の中身を調べることと指紋は分かるわ」

犯人が水筒を触っている可能性があるからでしょ?

と告げた。


ハルヒは頷いた。

「そう」

それから水筒の順番も関係あるかもしれないと思ってね


颯希は驚いて

「順番?」

と聞いた。


ハルヒは「そう」と答えた。

「例えばいつもは水色から青の水筒の順番で青は夜寝るために飲んでいたとかで元々睡眠薬が入っていたとか」

誰かが入れたとしたら何故眠らせる必要があったのか

「そしてそれは本当にこのタイミングだったのか、とかね」

様々な可能性を考えて情報を纏めて違和感なくどの仮説が説明できるかを考えればある程度見えてくる


颯希はムムッと考えて

「わかったわ」

と答え携帯を切った。


ハルヒは腕を組むと

「教師に睡眠薬か」

もしこれが誰かが仕組んだとして何故そうするのか

と呟いた。


犯罪を実行するには何か理由があるのだ。

人は理由なしに罪を犯したりはしない。


もし恨みがあったとしたら…睡眠薬で眠らせるだけというのは考えにくいだろう。

「最も眠らせた後に何かする可能性はあるけど」


授業を受けたくなくて教師を眠らせて授業を中止にする。

「だったら出なければいいだけだ」

中止にしたら出なかったことと同じになるからな

「ただ…あの教師…統括もしているみたいだしなぁ」


ハルヒはう~んと唸り

「まして犯人が飲ましたい時だったのかすらわからないのに」

偶々喉の調子が悪くて女性が運んだだけだ

と呟いて

「本当に飲ませたい時が何時だったか」

と目を閉じた。

「犯人がいたとして教師を眠らせてのメリットか」


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