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疑惑 その14
颯希も称号を推奨以外へと変更したためにド貧乏生活を送っている。
男性の気持ちは分かる。
だが。
いや、だからと言って。
「職場を爆破しても貴方にペナルティがあるだけ」
同時に他の人にも大きな迷惑をかけることになる
「やりたいことはないの?」
男性は俯いたまま
「ある」
俺はシェフになりたかった
「料理をするのが好きだったから」
でも推奨にはでなくて事務を選んだけど
「やってもやってもレベルは上がらなくて…隣の席の人間はどんどん上がっていくし」
と呟いた。
「もうどうしたらいいか分からなくて…職場が消えたらと」
颯希は男性に息を吐きだすと
「ドド貧乏でも好きな称号になるのか」
それが嫌なら我慢して事務をするのか
「覚悟を決めることだと思う」
私は…ドド貧乏だけどやりたい称号についた
と告げた。
「こんなことしても何も変わらない」
もっと悪くなっていくだけだと思う
男性は息を吐きだすと
「…覚悟…」
と呟いた。
その時、爆発を見たオーナーの今野牧夫が現れて
「あの、いま」
と告げた。




