疑惑 その4
だが。
だが。
自分が決めた道である。
例え最初はおんぶにだっこでもいつかは反対に彼を背負って抱っこにしていけばいいのだ。
彼女はそう思って荷物を下ろしてミンチをボールの中に入れてこねながら
「よし!頑張れ自分」
と気合を入れた。
ハルヒはそれを背に膳の上にパソコンを置きながら内容を見つめていた。
ハンバーグは煮込みハンバーグで中々好評であった。
食事を終えるとハルヒはさっそく颯希に依頼内容を告げた。
「依頼人は出雲市駅の近くにあるビルのオーナー」
今野牧夫さん
「話によれば決まった日ではないけどボヤが相次いでいて火元もわからないという状態らしい」
颯希はそれを聞き
「ボヤだと火の出た辺りに何か残っていると思うけど」
とにかくその場所を見ないと分からないから見に行きたいけど
と呟いた。
ハルヒはにっこり笑うと
「そうだね」
と言い
「明日、さっそく朝から見に行こう」
そう予約しているから
「現場もそのままにして人が入らないように言ってる」
と告げた。
颯希は目を細めると
「現場もそのままって…私の答えを分かった上で言ってるんだ」
と心で突っ込みつつ
「でも今の私は探偵修行者だから仕方ない」
と心を決めた。
「わかったわ、探偵の称号のレベリングが先ね」
ハルヒは頷いた。
翌日の朝に颯希はハルヒと共に出雲市駅へと向かった。




