名探偵の血 その11
颯希はドキドキしながら
「あ、あの…この店の客に神田隆、三井和也、そして、青山昭二という三人の客がいると思います」
全員数日前から順々に行方不明になっていて
「それで彼ら三人がこの店に通っているという情報を得て」
それぞれの担当の女性をお聞きしたいでう
「いえ、お聞きしたいです」
と一気に言い切った。
ハルヒは目を見開くと
「言い切った!」
と心で突っ込んだ。
颯希自身も
「言い切った」
と心で突っ込んだ。
女性は腕を組むと
「加佐々木」
と隣の男性を見て
「将来が可愛い坊やと探偵さんとやらが勇気を出して乗り込んできたんだから教えてあげましょう」
と告げた。
加佐々木と呼ばれた男性は静かに頭を下げると立ち去った。
ハルヒは彼女を見せ
「その三人はママの要注意人物じゃないんだ」
と呟いた。
女性は笑むと
「お子様にしては色々感がいいわね」
そうね
「私が目をつけていたら早々情報は渡せないけど」
と告げた。
そこへ加佐々木が戻り女性に
「ナナコオーナー、全員、カナリヤの顧客です」
とファイルを見せながら告げた。
それに竜野ナナコは目を細めると
「…そう」
と呟いた。
少し長い沈黙が広がり、颯希は思わず
「そのカナリヤさんの本名と場所を教えてください」
と告げた。
竜野ナナコは腕を組み
「そうね」
と呟いた。
ハルヒは笑むと
「その人は問題があるんだ」
もしかしてこういう話が前にもあったとか?
「それとも彼女目当て出てきていた客がぽろぽろと来なくなっていたとか?」
と告げた。
彼女はハルヒを見下ろしヒタリと汗を浮かべた。
竜野ナナコは息を吐きだすとハルヒに顔を近づけ
「坊や、かなり切れ者ね」
と言い颯希を見ると
「そうよ、彼女の客が数か月前から1人か2人だけど急に来なくなっていて目はつけていたのよね」
客の扱いに問題があったかもしれないとね
と告げた。
「けれど、相手自身が行方不明だとは」
颯希は彼女に
「まだ彼女に関係があるかはわからないので」
と言い
「あって話を聞こうと思っています」
と告げた。
「住所を教えてください」
ハルヒは更に
「その来なくなった客と今回の3人に何か共通点とかはありませんでしたか?」
かなり入れ込んでいたとかでも
と告げた。
竜野ナナコはファイルを見ながら
「毎週決まった日に来ているわね」
それぞれ曜日は違っているけれど
と言い
「あと全員がかなり入れ込んでいてここで使っているお金は相当のモノね」
と付け加えた。




