it's time to go
いい色だからちょっともらってこう、と、水溜まりの青色をこの手にすくった。
でもちょっともらいすぎたらしい。水溜まりは海ではなくなった。
あの大きな大きな海とはちがうものになってしまった。
今、わたしは、この着の身着のままのこころで何処かへ向かっているらしい。
その場所はずっと遠くあるのか、もう過ぎてしまったあそこにあったのか。
昨日落っこちた青空で、すくった雲があって。でもそれはもう空気に溶けて見えなくなっている。
持て余す青色がある。
でも、耳にはあのしとやかな水音が残っている。
急にこの眼に差し込んだ陽が、わたしのいたずらのこころを炙り出す。
ときどきわたしはつらくなる。
当たり前のことがわからなくなる。
持て余す青色がある。
なんにも自分をうまく使えないでいる。
ひとり遠回りして帰ると、次の日は友達とうまく話せなくなっている。
でもその代わりに、食べられるひなたを見つけられるときがある。
でも日陰を増やさないよう、わたしは食べない。
空は何処までも青く青くある。軽く人ひとり飲み込んでしまうように、青く深くある。
あなたもわたしもおなじように、そこに在るらしい。
お久しぶりです、瑪瑙です。
満足していただけたら嬉しいです。