邂逅
初投稿となります。
誤字、脱字等々指摘して下されば幸いです。
どんな感想でもお待ちしております。
よろしくお願いします。
なぁなぁお前さんお前さん、
第三人種って知ってるかい?
第三人種ってのはな、決して交わるべきでは無いもの同士が交わった結果生まれた、、、
いや、生まれちまった この世の「ケガレ」だ。
ん?第三が居るなら第一、第二の人種は居るのかい?って?
勘が鋭いじゃねぇか。
そう、この世にはな第一、第二、第三人種が居るのよぉ。
ん?何故第三人種はケガレなのかって?
それは今から分かる事さ。
さぁ時間だ。
なんの時間って、そりゃぁ
「これ夢だもん」
目が覚める
「随分寝ちまったな。」
段々と日が落ちて行く夕方頃、喉の乾きを覚えて青年は目を覚ました。
自分の下には、少し古びているがお日様の香りがする布団が敷かれている。
ボリボリと頭をかきながら洗面所へ向かう、栓をしっかりしなかったのだろう、蛇口から水滴がポタポタと垂れていた。鏡を見る。
相変わらずひどい顔だ、
いつだってこの男の顔は少しやつれた顔をしていた。
「さて、と」
職場へ向かう時間である。
早々と顔を洗い、冷蔵庫に冷やしてあるゼリーを胃の中へ突っ込んで行く。
ゼリーのカップにスプーンを入れたまま、空の容器をキッチンに放置し、正装に着替える。
不思議なもので、やつれた顔をしていても格好さえ整えてしまえば、それなりの男に見える。
職場はここエルド地区からから2キロ程南にある小さな港町だ。
ゆっくりと徒歩で職場まで向かう。
向かう途中に二人の警察官が青年を呼び止める。
「あいー兄ちゃんごめんなぁ」
「ちょっとこの辺でな雑種の目撃情報があってな」
話を聴きながら青年は答える
「そうなんですか!?」
警察官二人がほぼ同時に答える
「うんー」
「あくまで目撃情報やけどな」
この辺で20~30代くらいの女みぃひんかった?
やや小太りで背の低い警官が問いかけた。
「さぁ…すみません見てないです。」
「そっかぁー見てないかぁ」
「この辺よく目撃情報出るから兄ちゃん気ぃつけてな」
「ありがとうご協力感謝します!」
「いえいえ…」
警官たちと別れ青年はさっきの出来事を神妙に振り返る。
まずいな……ふと青年は考える。さっきの警察官が聞いてきた情報は明らかにおかしい、アバウトすぎるし背格好すら聞いてこなかった。女であることと20代から30代であることしか言ってこなかった理由、、
「隠ぺいか。」
つまりさっきの警察官の目的は最初から女の捜索ではなく俺自身、にあったということか。
だが実際のところいつからどのくらいの人数が俺を疑っているんだ?
あくまで推論の域を出ないが、恐らくあの2人以外に多くても1人か2人と推察する。
理由としてはあの質問自体が俺自身に接触する事を目的とするなら、もっと良い質問をねってくると考えられる。
だが実際のところ聞いてきた質問はかなりアバウト。
大人数で動いているなら質問自体もねって来るだろう。
つまりあの二人の独断行動、もしくは部隊単位での行動と推論する。
いずれにしろもう疑われてしまっている。
この男が「雑種」である事を。
「であれば結論はたやすい」青年は呟いた。
翌日青年は忽然とエルド地区から姿を消した。
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…ともすれば第三人種に対し徹底的な差別などあってよいのでしょうか?
何度も言わせるな!お前も知っておろう雑種どもの罪を、、、
奴らに滅ぼされた上の世代を!!
だから差別をし虐殺をしていいと!?父上はそうおっしゃられるのですか!?
声を荒らげたのは第1人種の占める国、白の国の衆議院議員の娘「カミラ・ヴァイス」である。
議員であるコテ・ヴァイスは反3人種を掲げており、政策に偽りなく第3人種に対して否定的な姿勢は変えることはなかった。
娘のカミラはそんな父に対して跡を継ぐ政治家となるよう育てられてきたがカミラが19になる頃父の掲げる政策、ひいては国の掲げる政策に対し疑問を抱くようになっていく。
「第3人種全員が虐殺犯である訳が無い」
「彼女の為にもこの国を……変えないと……」
そんな思いを募らせていた時である。
彼_「ロム・カーティス」が姿を現したのは。