だからあなたは0PT その作品、いつまでたってもそのままですよ
登場人物紹介
お姉さん:小説家になっちゃえ読専歴3年、就職活動中の女子大生。
必殺技はジャンピングニーキック 通称:真姉膝技
なろ男君:小説家になっちゃえ歴〇ヶ月、投稿した作品はいつも0ポイント。
最近はカクヨメルやハメルーンに移籍を考えている。
「なろ男君、今回の投稿はどうだったの」
「また0ポイントだったよ。まったく、小説家になっちゃえの読者は見る目がないよ」
なろ男君は、また0ポイントだったみたいですね。
では、なぜ0ポイントだったのか、検証してみましょう。
今回なろ男君が書いた作品のタイトルは・・・
「銀狼の姫 妖魔を斬る」
あれ、流行りの長文タイトルではないけれど、ちょっと面白そう。
きっと、セクシーな銀狼姫が活躍するんでしょうね。
内容を確認するのが楽しみです。
あらすじを見てみましょう。
なろ男です。初心者です。
頑張って書きました。
読んで感想もかいてください。
んー、それは、あらすじではないですね。
ここは、お姉さんも残念ながら点数は、あげられないなぁ。
本文も確認してみましょう。
銀狼の姫ナルナルは、究極ブリザードアタックを放った。ブシューと鈍い音を立てて、ゴブリンが倒れる。「やったぁナルナル。やっぱりナルナルは最強だね」「そうね、私もそう思うわ」「おう、俺たちの姫は最強だぜ」ナルナル一行は、周囲のゴブリンを薙ぎ払いました。そして、王子の乗る馬車へ向かいます。「やぁ、素晴らしい強さだね」「えっへん。ナルナルは最強なんだっ」英雄の息子、ナルオーは・・・
えっとね。
お姉さんは言葉に詰まる。
出だし戦闘から始まるのは、いいわ。
おそらく、会話劇なのよね。
4人いるのかしら。
「お姉さん、そんなの読めばわかるじゃん。4人パーティなんだよ」
「でさぁ、ナルナルはすっごく強くて、究極ブリザードアタックは・・」
お姉さんは、なろ男君の口を優しくふさぎます。
もう聞いていられなかったのです。
「あのね、なろ男君」
「ちがうんだよ、お姉さん。読者が悪いんだ。あいつら、ランキング上位にしか、ポイント入れないんだよ」
ペチンッ
思わず、お姉さんは、なろ男君の頬を打ちます。
そんな、甘ったれの、なろ男君を襟首をつかみ、唾を飛ばしながら説明します。
おまえは何べん言ったらわかんだよ。
文章につめまくったら、読みにくいだろうが。
会話を横にくっつけるな。
悩んで考えないと読めないって、そら読むの諦めるわっ。
なろ男君は、それでも反抗的に、言い返します。
「ちがうよ、運営が悪いんだ。ランキングのルールが悪いんだ。」
お姉さんは、腰を落とし、脇をしめ、鋭いボディブローを放ちます。
拳が音速を越え、空を切る音が聞こえてきます。
ズドンッ
おおよそ、ボディブローが放つ音ではありません。
なろ男君は、ゲロを吐きながら、蹲ります。
それでも、瞳からは反抗的な意思が見て取れます。
「ハメルーンや、カクヨメルのサイトなら、もっと人気が出るんだ」
こんな、わからずやのなろ男君。
でも、お姉さんは諦めません。
なろ男君の頬を、両手で挟み、にっこりと笑います。
そしてお姉さんは、体を半身に構えます。
近距離で真姉膝技を、なろ男君に放とうというのです。
悲しみと憤怒が膝を光速へと導き、無数の光が無防備な鼻を粉砕します。
激しい光は稲妻をともない、姉虎の文字を描きながら、なろ男を地へと叩き落としました。
グハァアァァ
なろ男君の目から、反抗的な光が失われていきます。
息があることを確認し、説明を再開します。
「なろ男君、お姉さんはね、あなたが憎くていってるんじゃないの」
実は、お姉さんは、なろ男君から口頭で物語を聞いているのです。
なので、なろ男君の物語が面白いことを知っています。
「物語はね、伝わるように書かなくちゃダメって、いつも言ってるでしょ」
行間を少しあけるのは、読みやすくするためです。
会話は、誰が誰に話しているか、わかりやすくしないと混乱します。
強い技は、技名だけでなく、効果や描写を入れないと、なんだかよくわかりません。
なろ男君は、自分の頭の中に、書きたい物語のイメージがあります。
でも、読み手には、まだどんな物語か、伝わっていません。
だから、自分がだけがわかる物語を書いても、謎文章になってしまうのです。
どれほど面白い話でも、謎文章が過ぎれば、なにも伝わりません。
伝わっていなければ、評価もできませんよね。
それを改善しないと、なろ男君はいつまでたっても0ポイントのままなのです。
あぁ、なろ男君は、白目を剥いて泡を吹いていますね。
少しやりすぎてしまったかもしれません。
お姉さんは、なろ男君の襟を持ち、引きずりながら、歩みを進めます。
次の作者のもとに向かうのです。
さぁ、あなたの作品を読ませてもらいますね。