プロローグ
君は異世界転生ものって知ってるかな?
チートだのハーレムだの、悪役令嬢だの不遇職だの
またそれか、って感じがしない?
分かる。ガムだって最初の一噛みは味がするけど、どんどん味がしなくなるものだ。
さて、君は転生の権利を得た。
異世界への転生ってやつだ。
転生といったら、そう。チートも特別に付けてやろう。
どんなチートが良いかさっきサイコロを振ってみたら、ハーレムだって。
どう思う?
異世界転生もの、チート、ハーレム。
何度このガムは噛まれただろうね?
そんな何度も噛まれた味のないガムのような人生、こっちも見ていて面白くない。
そもそもチートで好き勝手やるなんて事自体が、本来は味の無い現代社会が嫌だから
味のある異世界!味のあるチート!味のあるハーレム!
そういう風になっていたはずなのに。いっそ現代社会を普通に過ごす方がまだ味があるレベルになってるよね。
でも、せっかく私は君を異世界へといざなうんだ。
異世界は良い。剣と魔法のファンタジーで、命がけの冒険をする。
チート。まぁこれもそんなに凄くない奴だけどつけてやろう。
え?そんなに強くない能力付与はチートって呼べるのかだって?
はっはっは。まぁ細かい事は気にしないんだよ。
で、ハーレム。だっけ?
ちょっとここにスパイスを足そう。
甘いハーレム。ただただ甘ったるいハーレム。
どんどん女性キャラクターが増えて、最初の頃の女性キャラは雑な扱いになっていく。
キャラクターが増える度に差別化を考えなければならない。
とりあえずおっぱいネタは鉄板だ。巨乳と貧乳を出しておけばいい。
髪色もそうだなぁ、赤毛の女騎士、金髪のエルフの姫、青い髪の僧侶に、緑の髪の魔法使い。
色を分けたら、とりあえずキャラクターの差別化が出来た気になる。
あとは、主人公である君に対してひたすら惚れる。
ひたむきに好意を持ち、やがて結婚したいと願う純粋な姫様。
好きだけど言葉には出来ない。そして君の回りに女の子が増えて嫉妬するツンデレ。
主従関係があるはずなのに、まるで自分が上司かのように振る舞うメイド。
恋愛経験が一切無いが為に、自分の気持ちが分かっていない騎士。
し、失礼しました! こんなドラゴンを討伐するなんて、貴方はSランク冒険者です! とか言ってくる受付嬢。
幼女だったり、ヤンデレだったり、変化球でBLの事が好きな子も出してみようか?
あぁ、そうだ。
これらは全て、噛みに噛まれたガムだ。
君にそんな人生を歩ませるのは忍びない。
え?それでいいって?まぁ聞きなさいな。
君にはサイコロで出た通り、ハーレムに関わる力を授けよう。
良かったねぇ、男冥利に尽きるじゃないか。
まぁ、ハーレムの文字の前に一文字漢字が付属するけど、些末な問題さ。
力をつけて魔王を倒すもヨシ。
ひたすらにダンジョンを攻略するもヨシ。
現代知識を使ってお金儲けをしたり、グルメに興じてみるもヨシ。
そして自堕落的なハーレムを築くのもまたヨシ。
ただただレベルを上げて9999なんて目指したり、ずっと魔法を研究するのもいいだろう。
1人オマケもつけてやる。少々騒がしいが、まぁ便利だし、孤独な時間も紛れるであろう。
少年よ! 新たな人生を謳歌せよ!
そして、せいぜい楽しませてくれたまえ。
それでは、良い異世界転生を。
過去になろうで書いていた作者です。
リハビリ作なので、多少大目に見て頂けると幸いです
また今後Twitterにて、不定期で「リツイートの数まで執筆」みたいな企画をする予定です
是非覗いてみてください
評価、ブックマーク、感想等読み終わったらよろしくお願いします