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白亜の城の王子様

 気づくと、ふかふかの芝生に座ってた。

 上を見上げると、夜空みたいな空。


「ここ、どこなの……?」


 綺麗に輝く、たくさんのお星様。

 大きなお城も、メリーゴーランドも、観覧車もある。


 ーーゆうえんち?ーー


「気がついた?」

 目の前に、年上のお兄さんが立ってる。

 わたしの目線の高さにしゃがんでくれた。


「こんばんは!」


「こんばんは……」

 ポカーンってなっちゃう。

 カッコいい……。


「僕はセイラ。君は?」

「ありすです」


「よろしくね! ありすちゃん!」

 ニコって、お兄さん。じゃなくて、セイラさんが笑った。


 だけど。


「はぁい……」

 ポカーンが続いて。


「まだ、びっくりしてる?」

「うん」


「立てそう?」

 頷いて、立とうとするけど、力が入らない。

「あれ? おかしいなぁ」

「大丈夫?」

 セイラさんの、心配そうな顔。

「だいじょーぶです」


 何度やっても、力がまったく入らない。

 すると、セイラさんがわたしを、お姫様だっこしてくれた。


「よいしょ」


「セセセ、セイラさん!? どうして?」

「落ち着ける場所に行こうか。あ、お茶でもどう? 僕の家に行こ!」

 わたしをお姫様だっこしたまま、セイラさんは歩きだす。


「おもたくない?」

「大丈夫だよ」


 下から見るセイラさんの顔。

 やっぱり、カッコいい。


「どうかした?」

 ずっと見てたのが、バレちゃった?


「なんでもないです……。です」


 すぐそこの、湖の橋を渡って。

「ここだよ」


 行き着いた先にある、セイラさんの家。

 それは、夢の国にありそうな、大きな……。


「お城!?」

 真っ白な、白亜のお城。


 わたしを降ろすと、セイラさんはお城の扉を開けた。


「ようこそ、僕の家へ! どうぞ、入って」

 わたしは手を引かれるまま、お城の中へ。


「うわぁ! ひろーい!」


 天井に輝くシャンデリア。

 紅いカーペットが敷かれた階段。

『だいりせき』って言う、石の床。


「凄いでしょ!」

「すごーい! セイラさん、このお城の王子様なの?」

「そうだよー!」



 大きなお城。

 セイラさんがホンモノの王子様。

 なんだか、ゆめをみてるみたい! 

 きっと、メイドさんとか、しつじさんがたくさんいるんだろうな。


「こっちにおいで。お茶にしよう」


 セイラさんが、階段の上からわたしを呼んでる。


「早く来ないと、なくなっちゃうよー!」

「まってて! 今いくから!」

 急いで階段をかけ上がると、案内されたのは、テラス。

 漂う、甘い、良い匂い。


「お菓子もあるよ」

「わーい!」


「どうぞ」

 イスをひいてくれたり、エスコートされちゃった。


「わぁ!」

 テーブルに、クッキーがたくさんのったお皿。


「お茶は、ミルクティーでいいかな?」

「うん!」

「今持って来るね」

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